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[ギア隊が歓喜に包まれるなか巨大な機影が二つ、上空より降り立つと残ったアークエンジェル2体を数合のうちに切り伏せた。]
《こちらコロッサスツー、オーバー》
《こちらコロッサスフォー、オーバー…天使群の全消滅を確認。》
[空から舞い降りたジンロボ──肩にそれぞれ2と4のマークがある2機が安全になったこの好機を逃さずきっちりと後片付けをしていく。それはそれで正しいのだろう。それが理解できるからこそ嫌悪を抱く胸中は黒く沈んでいく]
……これは、いつになっても好きになれんかもしれんな。

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さて
サシャ=かりょ以外の中身がわかんねw
シュテルン=しろんにも思えてきたな。
墓下の様子も見ながら進めたい的な?
ローレルは絶対違う
ウルズはまあ違うだろ
アリーセとバルタも違うよなー

[被害状況は思ったほど軽くはなかった。とは言ってもそれは連合軍のそれであって、市民への被害は最小限に抑えられたと言ってもいいのだろう。]
着任初日で……これが欧州か。
[そんな折、GHMの機体から通信が入る。コールサインに敬称とは少しおかしな感じだが、問いには肯定する]
あれは誰だ?
《あら?極東で命を助けられたのに随分と薄情ね》
[心当たりはあった。あの機体はあれが完成形か]
シュテルンだったな?
リエヴル・アールシーだ。
極東ではせ《おいGHMの兄ちゃん!すげーな!》
[返答は割り込みに遮られた]

[トレーラに揺られてグローセンハンクからグラーツ基地へと戻る。戦闘に関するのレポートを提出し、機体をメンテナンスに預けると自室へと向かう。
向かおうとしたがそれは部屋ではなく家だった。平屋のそれはそれなりに快適な広さの家で、一人では少々掃除が面倒だなと、そんなどうでもいいこと思った。]
ふぅ……。
[独りになるとふと思い出す。戦場で戦闘以外のことに意識が向いたのはそう多くあることじゃない。
沈みかけた気持ちを洗い流そうとシャワーを浴びる。
しかし冷たい水は汗だけを流し頭に残るしこりを取り去ってはくれない。]

[司令部は正しい。
今日みたいに連戦を続ければいつかはジンロボやそのパイロットは倒れる。
そもそも欧州のジンロボは量産機ではない。
ギア100機分と言われる生産コスト、そして運用にかかるコストは天文学的だ。
それでもジンロボが必要だった。
戦いの歴史は防具と武器のいたちごっこだ。
鉄の鎧は剣を弾いたが銃弾には歯が立たなかった。
だから人は軽装となったが銃弾を防ぐ防弾という考え方にたどり着いた。
しかしそれはすぐに弾と銃の進化に追い抜かれる。
かつて陸戦の主役だった戦車も装甲と対物兵装との競争の歴史だった。
だが、天使や黒蟻どもは違う。
やつらを葬るには圧倒的な質量とエネルギーが必要だった。
だからジンロボが生まれた。]

[兵器とは効率よく運用されなければならない。
兵士一人を殺すのに核ミサイルを用いるバカはいない。
対人には対人武器を、戦車には対戦車兵器を、対要塞には対要塞兵器を。
だが兵器だってそれを使う人間だって無尽蔵じゃない。
ジンロボには莫大なコストがかかる。
出撃するだけで金を食う、ましてやそれは失えば一朝一夕に埋められるものではない。
今日のように連戦するような事態であれば尚更だ。
パイロットは疲弊していくし、ジンロボのメンテが間に合わなければそれだけ次の襲撃に対処できなくなる。
GHMの"あの兵器"はすごかったが、今日また天使が現れたとしたらもう一度撃てるものなのだろうか?それはオーディンの必殺兵器であるSOLにも同じことがいえる。
SOL一機の装填にはおよそ48時間のチャージが必要だ。
レーヴァテインとグングニルの片方ずつを使っっていったとしても24時間にどちらか一発が限度。
これでは連戦には耐えられないし、そんな運用しにくい兵器は戦力とは呼べない。]

[その点でもジンロボは実に優れた兵器だ。
汎用性が高くそれでいて強力無比の機動兵器。
黒蟻だろうと天使であろうとその一撃を以てすれば勝利することができる。
ただし、万全であればだ。
ならどうする?リエヴル…お前ならどうする?
答えはもう出ている、安価なギアを大量に投入しジンロボにとって安全かつ必殺の機会を作ればいい。
全ての戦闘をジンロボに任せることができないのであれば、安い命を使えばいいのだ。
それが戦争に勝つための"最も効率的な戦い方"だ。]

[結果として兵士1万人の命で100万人の市民が救われる。
なら何も悩むことはないじゃないか。
そもそも俺は前からそうやって戦い続けてきた。
戦場で兵士が死ぬのが当たり前なら、死んだ兵士を乗り越えて勝利すればいい。
避けられない犠牲ならせめてそれを利用しようと、そうやって掴んだエースの座じゃないか。]
今更、命の重さに気づいたか?
馬鹿な……それこそ今更だ。
[冷たく降り注ぐシャワーの水はただ体と心を冷やしていくだけだった]

[シャワー室から出ると備え付けの電話のベルが鳴り響く]
はい、こちらアールシー大尉。
『休んでるところすまんな、今日3度目の出撃だ。
次の出現予測はザルツブルグだ。
我々フェンリスは後詰で出るが出来るだけ急げよ』
[ほらな?言ってるそばから戦闘だ。こんなことが続けば前線で戦い続ける兵士はすぐに疲弊して使い物にならなくなる。]
了解、10分で行きます。
[だけど、今の俺には丁度いい。戦闘に入れば今みたいな煩わしい悩みから解放される。]

─ 輸送トレーラー ─
[ブリーフィングは移動中のトレーラーで行われるのがいつものことらしい。]
『およそ30分前にザルツブルグでエンジェル級と思われる光体が確認された。司令部の予測ではいまからおよそ1〜2時間後にプリンシパル級が出現する。規模は昼間と同程度、おそらくプリンシパル1にアークエンジェル4〜6程度だろう。』
[先行隊は輸送機を使い予め戦場に降り立ち天使を迎撃するらしい。俺たちフェンリスは輸送トレーラーで向かい後詰として前線が崩れたときなどの援護に回る。
そしてジンロボは上空でプリンシパルの隙を伺う"いつもの作戦"ということだ]

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一応、想定としての連合軍。
●連合軍
旧国連(UN)を母体とした国際組織。
アメリカが侵略者によって大打撃を受け自国および北米に専念せざるを得ない状況でいち早く戦力を整えたイギリスによってより軍事的な同盟組織に改編された。
アメリカが世界各国から即時撤退を余儀なくされる一方でその基地や技術、衛星などのほとんどを吸収し、また元より英連邦としての影響力をもって世界規模での体制を整えたイギリスは一躍な軍事国家としてその力を発揮し始める。
だが同時に世界は混乱の極みにあり、その中でイギリスへの反発も強く次々に脱退する国が出る。
現在の連合軍は旧英連邦を中心にその同盟国や傘下、または庇護を受けた国々を中心に構成されており、大英帝国の復活とまで言われているし、実際にそれを目論んでいるとも言われる。

[ザルツブルグの東2kmといったところでフェンリスはキャンプを張る。
だが到着して30分を過ぎた辺りで前線が早くも崩れはじめた]
《こちらザーヴェラー隊、プリンシパルが動き始めた!救援を求む!》
『聞いたなお前ら、早速俺たちの出番だ』
[前線からの救援要請と共にフェンリス隊全12機のギアが出撃態勢を取る。]
『いくぞ!』
『おう!』
[掛け声とともに飛び出していく各機、しかし……]

[リエヴルの機体、XA923オーディンだけが動きだそうとしなかった。]
くそ!なぜだ!
[スロットルを引き絞ってもVCSを使ってもギアはその足も手も一向に動かそうとしない。
機体の調子がわるい?いやセルフチェックはではオールクリアの判定が出ている。これで機体の不調ならばシステムそのものに異常をきたしている]
システム……?
フレイヤ!出て来い!
《何かしら?》
機体の状態がおかしい、何かしらのトラブルが発生している。調べられるか?
《……いいえ、機体はどこもおかしくないわ。システムも全て万全ね》
馬鹿な、ならなぜ機体が動かない。
[AIであるフレイヤがパイロットに嘘をついている?それこそありえない。大体そんなことをする理由がないはずだ。機体を勝手に止めるBMIなどそれこそ存在として矛盾している。]

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んーどうすっかなエルサレムなんてやりすぎなんだけどなー
若干進み具合的にも一足飛びにって感じじゃないし

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俺の設定では連合の中枢は大英帝国に侵されています。
つまり、この場合ウルズの主張のほうが本質的には正しい。
だが、AIU王族のプロバガンダであることもまた正しく、そしてカシムはカシムで連合=大英帝国のプロバガンダに侵されてしまっていると言える。
悲劇だね。

そんなはずはない!
俺はストーンズのエース"アンデッド"だぞ!
ギアを動かすのが俺の役目だ、その俺がこいつを止めているだと?
馬鹿なことを言うな。
《そうね……貴方がそういうのならきっとシステムにエラーがあるのね。少し調べてみるわ》
[フレイヤはそういうとシステムのチェックに入ったのか黙ったままになった。
結局基地に戻って機体をメンテナンスに掛けた結果、BMIに僅かなエラーが見つかった。
しかしその原因は掴めず、その後三日間で2度の出撃の機会を俺はただハンガーの中で過ごした]

─ 少し前、グローセンハンク ─
[フリューゲルがプリンシパルを撃破したあと"妹から"通信が入った。]
《<オリジナル>が死んじゃったよ》
[そんな声が聞こえてくる。だけど私は声を発しない。そんな必要はないからだ。
声など使わなくても私たちはデータ通信んだけで済むのだから。
必要なのは"人"に伝える時だけ。
でも"彼女"は違う、きっとはそう作られたのだろう。データにある私の親の一人、つい先ほど亡くなったと伝えられたシュテラ・ディーツゲン、彼女に似せて人の振りをするようにと。
それは私には必要のないこと。
必要なのは"彼"の為にどうあるべきかということだけ。
"彼"とこのオーディンがその力を発揮するために私はここにいる]

─ 数日後 ─
フレイヤ、またシステムのチェックか?
《ええ、そうよ》
嘘が下手だな……本当なのか?
《ええ、そうよ》
そうか……俺は……戦えなくなったのか。
[フレイヤからの返答は無かった]
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