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ん、なっ……! 何を、
[駆け寄るも、手遅れなのは明白だった。
普通の人間が頭部を吹き飛ばせば、まず即死だ。
角度によっては頭蓋骨で弾がすべる可能性もあったが、銃の扱いに手慣れているサシャはその点については全く問題なく、彼女は完全に絶命していた。
血の海に沈む体はまだ温かい。
血に濡れた濃い色の髪を撫で、彼女の眼をそっと閉じさせた。]
……自殺だ。
すまない。止められなかった。
[駆け付けた兵たちに顛末を平易な声で告げる。
張り上げたカスパルの声は聞こえていたようで、彼らの対応は早く、遺体の回収と現場検証が開始されている。
抱き上げた時についた彼女の血で汚れた手にタオルを渡されて、さびた鉄の臭いとずしりとした肉の感触も一緒に拭い去った。
謝罪はしない。
この行動を選んだのはサシャで、こうなるように動いたのはカスパルだ。*]
/*
殺すRPするつもりだったのに、まさかの自殺だった…
そしてフィオンに生きて欲しいと託されたんだけど、俺は生きても食われてもいいんだけどドロシーどうするんだろうな…
あとカシムどうしてほしいかで変わってきそう>展開
[書かれている文字を追いながら、アンプルをもう一度見つめる。
病気の進行を止める薬の存在をカスパルは知らなかったが、軍が最先端の研究を行っているのは明らかであったし、フィオンが嘘をつく理由もない。
手紙は丁寧に書かれており、フィオンの人柄が伺えるようだった。]
……あなたはどうしたいんだ。
[読み終えた手紙を丁寧にたたんで、ドロシーへ差し出す。
カスパルが彼女に代わり決定を出すことはできない。
これはドロシーの選択だ。
彼女が何か言葉を発するのを待ちながら、ぬるま湯を用意して血液を落とす準備を整えた。*]
――翌朝――
[サシャ=マリア・コーエンの死は、早朝の間に広まったことだろう。
カスパルはサシャの直接の上官に謝罪をしに行き、己の不手際と悔やみを述べ、今後の調査協力を依頼した。
容疑者が自害したという知らせは、駐屯地の空気を弛緩させるに十分であった。
それも――第二の犠牲者が発見されるまでだった。>>3
知らせを受け駆け付けたカスパルは、赤にまみれて白さを一際増したフィオンを眼前にして顔をゆがめる。
知っていても衝撃が弱まるわけではない。
武装していたこと、心臓を失っていたこと、牙で食い破られていたこと。
以上から犯人は狼化病の発症者だと断定した。]
現場は書庫、だな。
おそらく、本人が自主的に来たのだろうが……。
[昨日の彼の願いが脳裏をよぎる。>>2:64
検死を担当した軍医からの報告を聞きながら、遺体の再確認を頼めばあっさりと了承され何を思ったのか、席まで外された。]
[思い出したくない記憶に、唇を噛む。
それでもカスパルは声を発した。]
片手落ちで良ければ羊の気持ちはわかるつもりだ。
"ドロシー"を殺してまで護りたかった俺の妹は
結局俺が喰らってしまった。
[口に出す時声は抑揚はないが震えていただろう。
カスパルを探しに来てくれた弟妹に見つかり、逃げなくては行けないのに呼び止める声につい足が遅くなって。
足が速かった妹に追いつかれた時にはもう――渇いた体は止まれなかった。]
やり直しても”カスパル"は同じ道を選ぶだろう。
あの時最も喰らいやすかったのは”ドロシー”だから。
だが、”俺"は後悔している。悔いている。
だから、「俺の後悔をやり直す」ことを選んだ。
……あなたがくれた信頼を、返そうと思った。
[呟いて小さく笑う。]
[ドロシーは何か問うただろうか。
彼女を見下ろしながら、視線を伏せる。]
……あなたは、俺が優しい人に見えるだろうか。
あなたを心配するその手紙を読んで、何を思った。
それが答えだ。――俺は、そう思う。
[彼女は苦しんでいるのだろうか。
哀しんでいるのだろうか。
それとも戸惑っているだけなのだろうか。
カスパルは外から測る事しか出来ないし、彼女の心は、結論は、彼女自身のものだろう。]
/*
カシムを護っている過程で人肉に飢えて、村に戻って来た弟妹を襲ってしまったんだけど、この辺の話は盛り込みそこねたので略。
ドロシーに「返したい」のはこれがあり。
結局無駄にしてしまったのだ。
トールはいいんだ。弟は生きてるから
ってしないとこうな…?(つじつまあわせた結果)
[カスパルは少なくとも「優しく」はないだろう。
己の行動理念に他者は影響しない。己が望むか、どうかだけだ。
だがドロシーにはそう見えたらしい。>>17
彼女が笑顔を浮かべて続けた「お願い」を聞いてぴくりと肩を動かし、じっと彼女を見つめる。>>20
その言葉の意味を理解しようとしたが、きっと完全に知る事はできないのだろうと諦めて、ため息をついた。]
……それが、本当にあなたの望みなら。
[「本心か?」という言外の問いは肯定されただろうか。
否定されなければ是と見なし、顎を引いて頷いた。
元より、そういう約束であったから。>>2:17]
[その後の問いかけに、カスパルは僅かに瞳を揺らす。
フィオンがドロシーに残した、狼化病の進行を止める薬。>>2:99
軍の研究が進んでいるのならば、進行をより強力に抑制する、あるいは発症しても害なす存在にはならない――
そんな薬も、開発される、されているのではないか。
期待を抱いてしまった。
今度こそ家族の元に居れるのではないかと。
そんな夢は、大切だった存在をこの手にかける悪夢を見た日から捨て去ってたはずだったのに。]
俺の命は、いつでもあなたのために捧げる。
それが、あなたの望みに必要ならば。
要らぬというまで、俺の全てはあなたのものだ。
[最優先事項は代わりはしないから、その言葉はきっぱりりと伝える。
死にたいとは言わない。生きたいとも言わない。
彼女の望みを叶えるのに必要ならば、死ぬ事に躊躇いはなかった。]
――……人目に、気をつけて。
[守るなと言われたが忠告ならば良いだろう。
立ち去る彼女へそう告げて、見送った。*]
――朝:廊下――
[フィオンの遺体に別れを告げ、彼から託された「頼み」>>64を遂行するため、私室への立ち入り許可を出す。
カスパルが彼と親しくしていたのは大勢の証言で明らかであったこともあり、逆に私物の整理を行うようにとの命令を貰った。
鍵を渡されて彼の部屋に向かう途中、立ち尽くしているカシムの姿>>21を廊下の先に見つければこちらも足を止めるが、何と声をかければいいかわからず視線だけを送る。
サシャの同室者。弟分。
……彼の心境はカスパルには測りかねる。]
カシム、顔色が悪い。
ちゃんと休め。…それから、そこは通行の邪魔だ。
[どきなさい、と努めて柔らかく声をかけたつもりだったが、彼はどう受け取っただろうか。]
[こちらを振り向いたカシムの目に力は感じられなかった。>>27
サシャについて問われ、カスパルは首を横に振る。
彼女が自害した理由は推察することしかできない。]
身の潔白の証明、と俺は思ったが。
そんな事をしなくとも…よかったのにな。
[サシャがどこかで拘束されている間に、本部からの調査団が到着すれば狼化病の感染の有無や発症者の調べはついただろう。
黙っていても、殺されたかもしれないが。]
最期にサシャはこれが『運命』だと言っていた。
フィオンは『運命』に抗おうとして、死んだ。
君はどうする? カシム。
[答えは期待せず、カスパルは乾いた声で問う。
自問自答のような言葉だったが、カスパル自身の答えはとっくに決まっている。]
/*
尉官 カスパル は 兵卒 サシャ に投票した
尉官 ドロシー は 兵卒 サシャ に投票した
兵卒 サシャ は 尉官 ドロシー に投票した(ランダム投票)
下士官 フィオン は 兵卒 サシャ に投票した
新兵 カシム は 兵卒 サシャ に投票した
兵卒 サシャ は村人の手により処刑された。
地味にこれ怖い。
自殺票ありでもカウントされない?のか??
尉官 カスパルは、尉官 ドロシー を投票先に選びました。
――フィオンの部屋――
[鍵を開け、フィオンの私室へ入る。
ベッドの下。包み。>>2:64
彼に言われた事を思い出しながら、膝をついてベッド下を探れば、確かに指先が何かに触れる。
引っ張りだしたそれは油紙に包まれていて、大きさも重さもたいしたことはない。
片手にもってなんだろうと考えながら、彼に言われた事を思い出す。
『渡すことで、”誰か”が死ぬことはありませんので、ご安心を』
フィオンはドロシーの正体を知っていた。>>11
そして彼女を助けようとしていた。
フィオンの考える「救済」がドロシーの正体を知らせ守ることならば、この包みの中には彼女の正体を記されている可能性もある。]
[包み紙を両手で抱えたまま、床に座り顔を歪める。]
……守るな、か。
君も、あなたも。俺にどうしろというんだ。
[守らないでと告げたドロシー。>>20
運命を変えたいと言ったフィオン。>>2:61
カスパルは”今まで"の自分の選択に後悔はない。
必要ならばドロシーに喰われても良かった。
守るためなら罪をかぶっても良かった。
殺せと言われればきっと殺しただろう。
それでも彼女は「生きて」と言った。>>25]
……何が運命なのか、知らないが。
そんなもの俺は、信じていない。
[唇を噛んで吐き出す。それだけは言っておけば良かった。
これはカスパルが選び続けた顛末だ。
――遠い前世、狼化病を発症し一人を喰らい妹を殺し。
また今も、かつて喰らった人が発症する様を目の当たりにしても。
これはカスパルの意思であり、運命というものではない。]
[フィオンの部屋は目立って整理すべきものも見当たらない。
部屋を立ち去る前に包みにもう一度視線を落とし、中を改めるべきか葛藤したが、油紙は開かない事にした。
包装は痕跡を残さず開くこともできそうだったが、フィオンはカスパルに何も言わずこの包みを託した。隠蔽されるかもしれなかったのに。
彼のその信頼には応えたく、カスパルは見つけた時のままの包みを持ち、静かにフィオンの部屋を辞した。*]
[引き込まれて後ろ手に扉を閉める。>>42
机の周辺の整理をいきなり頼まれ、何を考えているのかわからないドロシーの横顔を時折伺いながら、言われるがままに整理をしていく。
淡々と片付けて行く彼女をじっとみて、ようやく違和感に気がついた。]
…何を隠している?
物理的にだ。
[軍服は厚い生地で出来てはいるが、体にきっちりと沿うようにできている以上、その下に何かを隠すにはあまり向いていない。
慣れている者ならばともかく、慣れぬ者が「それ」を隠しているのは重心も僅かにずれ、故にカスパルは違和感を覚えた。]
まて。その下に何を――
[問いかけかけて、彼女は銃を取り出す。>>43]
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