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オズか…、シロウ…
どちらかが吸血鬼なのか…?
それとも…シロウは信仰者なのか…?
ツィスカ…ツィスカにあんなことをしたやつを…私は許さない…
吸血鬼なんて…皆殺しだ…
ああ…ツィスカ…
私は君を…殺してしまいたくなかった…
君だけだったんだ…階級の関係なしに私に分け隔てなく接してくれたのは…
すまない…守ってやれなくて…、君は、私の事を守ってくれたのにな…
今日は、襲うなら、ソマリだな。
ナイフの行き先には事欠かない。
マーティンもそうだし、ゾフィーでもいい。
オズでも構わない。
落ち着いた。
くよくよと悩んでいても仕方がないよな…
ツィスカはもういないんだ…。
……マーティンが気になるな。
吸血鬼は銀を嫌うと聞いた覚えがある。
夜が明けたら聞いてみよう…。
[しばらくの沈黙のあと、ベッドの端から黒い小さな猫が飛び出してドアの隙間から外へと抜け出した。
鎧戸の降りた廊下はランプ無しでは真っ暗で、黒い猫の姿は闇に溶け込むように見えなくなった。]
なぁお。
[首輪に付いたピアスの赤い石をかちゃりと鳴らして、暗闇の中で赤い目だけが光っている。
猫は静かに目的の部屋の中に潜り込んだ]
私の血の親は、体を別のものに変化させる事が出来る能力が強く出ている血を持っていたんだ。
だから、私も多少の変化くらいは出来る…
マスターのように色々な動物の姿を取ることは出来ないがね。
私が姿を変えることが出来るのは猫だけなんだ…
暫く戻らないと人間の姿に戻れなくなってしまうからな…
あまり長い間猫でいるのはやめておこう…
[猫は部屋の隅にぺたりと座り込んで部屋の持ち主の顔を暫し眺めると、ぱたり。と尻尾を振った。
ソファに寝転がって寝息を立てているカークの顔は青白い。
少しだけ首をかしげるような素振りを見せた黒猫は唐突に自らの舌に小さな牙を突き立てた。
ぷつりと丸く浮かび上がった液体の色は黒に近い、赤。
溢れそうになる液体を止めようともせずに、猫はカークの唇に軽く口付けて身を翻した。]
[部屋を抜け出そうとした猫の体から唐突に力が抜けて、そのまま、ぱたんと気を失った。
銀色の首輪がぼんやりと光を放っていた。]
首輪はツィスカの腕輪だな。
銀で出来ていたのか…
あれは…私たちには毒だ…
力を奪うし体に打ち込まれれば死ぬこともある…
どこかの吸血鬼は銀の致死量を測る為の実験台として死ぬまで銀を投与し続けられたんだとか。恐ろしい話だ…
[猫は声には反応せずに立ち上がると、ぱたりと尻尾を振って、カークに一瞥もくれないまま閉まったドアをかりかりと引っ掻いた]
にゃあん
[その挙動は完全に猫のそれだった]
なんだかふわふわしてなにもかんがえられなくなりそうだ…
わたし、なにをしたんだっけ
…かーくにちをあげたのか
きみのいしもかくにんせずにすまないな
わたしはきみをまりーにとられたくなかった
[猫は撫でられて目を細めた。
開いたドアから半身を出しかけて赤い瞳でカークをちらりと見遣る。
少しだけ名残惜しそうに鳴くとそのままするりと扉の外に出ていった]
[廊下の端で猫は猫らしからぬため息を吐いた。
そのまま闇の中で人の姿に戻る。
疲れたように壁にもたれたユーリエの顔色は悪かった。]
…バカーク。
私の血がカークを侵し始めてる…
吸血鬼同士といえど、強い方の血が勝つのは変わらない。
…まあ、極微少量だったし時間がかかるだろうが…
君が悪いんだ…
全身の血液を飲み干して私の血を入れてやったほうが早いのかもしれないが…、それはしたくない…
ああ…。こんなに「欲しい」と思っていても私の中の何かが拒絶する…
君の血が欲しい…
自分で飲まないと誓ったのに、な…
部屋で色々と考えていた。
私はツィスカを殺した奴を許さないしツィスカに票を入れてしまった自分も許せない。
私はこの中にいるという吸血鬼を探し出してその胸に銀の刃を突き立ててやる。絶対にだ。
その為に必要なら私は君たちを疑うことを躊躇しない。
早速だが。【エクソシストの能力の行使対象は各候補が自分の意思で決める方法】を提案したい。
採択するかどうかは君たち次第だがね。
私はこれ以上無辜の隊員の誰かを処刑したくない。
処刑するのは、吸血鬼だけで、十分だ…
さて、と。
今日の襲撃をどうするかだが。
バランスを考えるなら、ほぼ確実にボディーガードはゲルトに張り付いているだろうな。
そこで、問題になるのが。
ボディーガードは誰なのか、だ。
襲撃の邪魔はされたくない。
ソマリは違うと思うぞ。
人間が確定した時の落胆の様子がない。
ボディーガードは自分が弁当になるのを何より嫌がるだろうしな。
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