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― 島 草原 ―
[降り立った後、再び距離をとるか否か。
逡巡の時間が、僅かにあった]
……やっぱ、つぇぇ……。
[獅子から感じる力、存在感、威圧感。
それらは、向こうが高位存在である、と本能に伝えてくる。
正直、純粋な妖白狼でもまともに相手できるかどうか、という感は絶えず、それが招いた逡巡は、獅子に態勢を変える猶予を与え]
わ、た、ちょ、ちょっ……!
[と待った、と言ったところでまあ、止まってくれるはずもない。
低く身構えた獅子の突進をまともにくらい、吹っ飛ばされた。
今度は受け身を取る事も出来ず、草の上に落ちて数度、跳ねたが]
……ってぇ、けど。
負けてらんないんだってーの!
[なんとか態勢を整え、吼える。
向けられる獅子の瞳、それを真っ向から見返す瞳に迷いはなく、そこにあるのは引かぬ意志と覇気。
それに、獅子は僅かに目を細めるような仕種を見せるが──それは、ほんの短い刹那の事で。
こちらが低く身構えるのに呼応するように、獅子も低く、身構えた]
……ここで、勝てねぇようじゃ。
絶対、絶対、越せねぇんだよ……。
[小さく、小さく呟く。
自分の中で、超えるべき存在と見なすもの、ふたつ。
今はその足元にも及ばぬ、気高き獣たち。
霞む記憶の中の白と、身近な漆黒が刹那、過って、消えて]
それに、ここで引いたら、先に進めねー、しっ……!
[次に浮かぶのは、今、なすべき事。
やり遂げる、と約束したそれを果たすためには、こんな所で止まっていられない、から]
だから……。
通させて、もらうっ!
[こちらの意地を、とは言葉にせず、地を蹴る。
わずかに遅れ、獅子も地を蹴った。
獅子と白狼の交差。
振るわれた獅子の爪は、真白の狼を捉えてその背を裂くが。
白狼はそれに構わず、獅子の身体の下へと潜り込み]
……取った!
[咆哮の後、その喉元に喰らいついた。
振り払おうと獅子が暴れても牙を離す事はせず、更に爪も食い込ませる。
しばしの攻防の後──地に伏したのは、獅子の方だった]
……どーだ。
ちった、話聞く気に、なった、か。
[獅子が動きを止めた、と認識した所で爪と牙を離して問う。
対する獅子が上げたのは、笑うような唸り声。
一度は下がった小鬼や餓鬼がいきり立って奇声を上げるが、獅子は己一振りと、諌めるような唸りでそれを制した]
『……揺らぎを帯びつつ、揺らぎなきもの。
どうやら、そなたらは災禍を齎すものではないよう……だな』
だから、最初からそうだ、って、言ってんだろ。
[聞けよなー、とぼやけば獅子はまた、笑うような唸りをあげて]
『しかし、何故この地に異邦人が訪れたのか。
まずは、それを聞かせてくれぬか』
[話を聞くという意思を示した後、鷹揚に尻尾を振った。**]
/*
やあ、たのしかった(
いやね、こう、ラスボスさんとか次のランダとは、スタイル的に戦いにくいから。
首取りするならここでやりたい……! っていうのがね。
ずっとあったのよ、うん。
― 島 草原 ―
[獅子の態度にほんの少しだけ呆れながらも、こちらの事情を伝える。
嵐に巻き込まれた事、艦隊との遭遇、巨大海老と烏賊との戦いの後、ここにたどり着いた事。
それらで受けた損害の修繕のための資材を求めている事]
あ、あと、それから……。
[前置きの後、自分とアイリに起きている奇妙な現象と、海中の結界の事も告げて]
とにかく、そーゆー事情なんで、船の修繕をしないと身動き取れないわけ。
だから、森の木わけてもらえないかなあ。
荒らすつもりは全然ないっていうのは、ほんとなんだから。
[こて、と首を傾いで投げかけた訴えに、獅子はしばし思案するような素振りを見せ]
『……なれば、我らが望みを聞いてくれるか』
[その後、こんな言葉を投げかけて来た]
……望み?
[きょと、としながら問い返すと、獅子は鷹揚に頷いて]
『……古より、この地の海原にあるもの……それが、急激に力を増した』
『……由縁は知れぬ。だが、それにより、この地の力の均衡は大きく歪み、それが我が宿敵たる魔女の力を大きくしておる』
『そなたの言う、海の中の島とやらも、恐らくは海原にあるものの力の乱れが生み出したものだろう。
そなたらがそこに接する事ができるのも、恐らくは乱れた力の余波を受けたが故の事』
えーと。
つまり、海にいるでっかいのが急に力をつけて、その影響を俺らが受けてて。
でもって、それが作った空間の歪みがあの海の中の島、って事ね。
[まとめるように復唱すると、獅子はそうだ、と頷いた]
……それって、さぁ。
その、海にいるっていう大物をなんとか鎮めないと、根本的な解決にならない、って事だよねぇ?
[ふと浮かんだ予測に、獅子はあっさりと頷いた。
うわ、あっさりいったよこいつ、なんて思いは飲み込んで]
んで、望みっていうのは、その海のなにかをどーにか、ってこと?
『……それも望み、ではあるが、それよりも重大な事がある』
『海原の者の齎した力の歪みは、我……この地を護りしバロンの宿敵たる魔女ランダの力を大きく高め、その闇に全てを飲み込まんとしておる』
『彼の魔女の力を鎮め、均衡を正してくれるというのであれば、そなたらの望むものはかなう限り供しよう』
……はあ、なるほど、そういう事。
[一通り、告げられた言葉にぱたり、と真白の尾を振って]
……て、わけなんだけど、どーしようか?
[他の面々へと向けて、問いかける。
とはいえ、選択の余地はないよなー、なんて。
そんな思考も、過ってはいるのだが。**]
[ディークからの呼びかけ>>+97の声は聞こえていたが、すぐに答えるには消耗も大きくて。
アイリがざっくり説明する>>*7のを補足するように、こちらの状況を伝えるに止めていた]
ガートルード殿……蛟の代表さん?
んー、無茶してたかどうかまで、はっきりは掴めなかったけど。
先行組だった分、消耗大きかったみたいで、途中から下がってるのは、確認してる。
[もう一つの問い>>+98には、記憶をたどってそう告げて。
他の面々の状況も、今見て取れる範囲で伝えるだけは伝えておいた]
こっちもこっちで、まだまだ色々と厄介ごとあるみたいだけど。
その場所についての情報も入ったし、やれるだけは頑張るよー。
んでも、ほんとに気ぃつけてね!
[直接手出しはできないから、それだけを告げて。
それから、意識を目の前へと切り替えた。*]
― 島 草原 ―
[集まって来た面々の、獅子の問いへの反応に、ぱたり、と尻尾を揺らす。
白狼の姿を解かずにいる理由──受けた傷の負荷をできるだけ軽くしようとしている事は、リュカには隠しようもないから。
痛み止めのためにと伸ばされる手>>200は避ける事無く受け入れた]
んー、あんがと。
後は、休めば塞がるからだいじょーぶ。
[幸いにというか、ここは陸。
地の眷属には馴染み深い力も多いから、回復も早い、とは伝わるか。
まあ、無茶しい、の突っ込みくらいは飛んでくるだろうけど。*]
― 島 草原 ―
[カナンの言葉>>190 >>191 に、獅子が上げるのは笑うような声。
もっとも、そこには負の感情の響きはなく]
『……それでは、我が宿敵の鎮め、受けてもらえるのだな?』
いや、だから、選択の余地ないでしょ。
[確かめるような言葉に突っ込むと、獅子はまた笑う。
鷹揚な態度と、受けた傷をものともせぬ様子。
獅子という生物特有の威風もあるのだろうが、その様子はごく自然に『王』としての存在を感じさせた]
『……それでは、十分に休息したならば、改めて我を呼べ。
彼の魔女の領域へと誘おう』
[そう、告げると獅子は森へとゆるり、引き返していく。
餓鬼と小鬼の群れがそれに付き従うように進み、やがて、その姿は木々の向こうに消え失せた]
……やーれ、やれ。
とりあえず、一段落はしたけどー。
[まだまだ、問題点は多い。
さっきまでは棚に上げていたが──やはりというか、アイリに向けられる視線には、険しいものが多かった]
……これいっそ、この場で本人に話させた方がいいんかも……。
[長く伏せれば、それだけ疑念はかさむ。
なら、すぱっとぶちまけた方がいいんじゃなかろうか。
そんな事を考えつつ、とりあえず、アイリを前脚で手招いてみた]
/*
つかね。
今から俺だけが話聞いて、そこから打ち明けー、ってやると、絶対時間たんねぇよ!
……てわけで、上に人が多い所でやっちまえー、と思う俺であった。
つか、明日は早く出ないとなんないから、ランダ登場、すぐ落とせるように用意しとかな。
― 島 草原 ―
あ、うん。
ちょっとだけ、待ってくれると嬉しい、かも。
[視線を向けるカナン>>218に、こう告げてから。
前脚の招きに応じてやって来たアイリ>>217を、今は金色の瞳でじい、と見上げて]
あの、さ。
ちょっと考えたんだけど、いっそ、ここでみんなに事情打ち明けちゃった方が良くないかな。
[提案する声は、一応ひそめてはいたものの。
近くにいれば、十分に聞こえるもの]
俺はまあ、メル様からの直々っていうのもあるから、落ち着いてられるけど。
船団のみんなはもちろん、シュタイフェの全員がそれ知ってるわけでもないし。
あんまり長く隠してると、アイリ、居場所がなくなっちゃうかもしんない。
俺はそーゆーの嫌だから、なんとかしなきゃ、と思うんだけど、それにはちゃんと話す以外の道はないわけで。
でもって、ここにいるみんなにもその内話す事になるんだから、それなら、一度に話した方がいっかな、って思うんだけど。
[どっかな? と。
問いかけながら、こてり、と首を傾ぐ。
真白の尾が、ゆらりと揺れた]
/*
ところで、黒笑み宰相さん、なんでこんなややこしい事したんでしょね!
……まあ、そこらの説明になる三首脳茶会の様子はちらっと浮かんだんで。
後でひそっとまとめておこう……w
まあ、一言で言っちゃえば、最低ラインの繋ぎを得ておくというのが第一。
群島連合も一枚岩じゃないだろうし、ユウレン自体は国交、険悪寄りの中立だからねー。
んでもって、繋がり自体もアイリという『個』によるものだから。
斬り捨てるのも実は容易い、というのがあるとかないとか。
ん、まあ、一番の理由は、アイリ自身と話して、何か感じるものがあったから、なんだけど。
それをそのまま言わないのが、黒笑み宰相くおりてぃ。
― 島 草原 ―
[風纏う手が触れる感触>>225の心地良さに、ほんの少し、目を細める。
容赦なく抉られた傷の痛みが引いて行くのがわかって、小さく息を吐いた]
あー、わかってるってば。
大丈夫だって……俺が寝るときは絶対寝るのは、お前だって知ってるだろー。
……だから、余計なとこに余計な事いわなーい。
[言われた言葉は、下手に怒られるよりも怖いものだったから。
返す声、特に最後の部分には、妙に真剣な響きもあったりしたが]
― 島 草原 ―
[首肯で答えたカナン>>224に、ありがと、と告げて。
こちらの提案に同意を示したアイリ>>228にうん、と言って頷いた後、語られる事情>>229 >>231は黙って聞いた]
……ぉぅ。
メル様が直々に動くくらいだったし、タダ者じゃない、とは思ってたけど。
[それでも、国王の第三子、というのは想定を超えていたから、零れ落ちるのは、素直な感想で。
全く素の口調から、こちらも初めて知ったというのは伺えるか。
……白狼のままなので、表情からは伺いようもないだろうが]
― 島 草原 ―
[カナンの反応>>235は、こちらはある意味予想の範囲内だった]
……南東とシンシャのあれこれって、ユウレンと海賊団とのあれよりもややこしくて根が深い、っていうもんなぁ。
[比較対象としてどうなのか、というのはさておき。
ユウレンでは、たまにそんな例えもされていた。
それに、アイリがどう対するか。
下手に口を出せば話が拗れるだろうから、と何も言わずに見守っていた──のだが]
って、アイリ!?
……いづっ!
[それに対するアイリの言葉。>>237
ついひっくり返った声を上げるものの、その先はすぐには続かなかった。
まだ塞がっていない傷に大声あげたのが響いて、しばしその場で固まった後]
……実は、俺も、アイリの事情は今初めて聞いたんだよ、ね。
メル様……ウチの宰相様から、出向の直前に、乗船させるように、って指示が来て。
[カナンの問いかけ>>239に、ようやく出せるようになった声で、ゆっくりと答える]
南東群島からの旅人なのと、旅の目的は聞いてたけれど、それ以外は、初めて聞いた事ばっかりで……実のとこ、俺も戸惑ってる、けど。
……ただ、さ。
俺は……願えるなら、『個』を見てほしい、って、思う。
カナン殿は、俺が半妖だって知った時。
妖の血を引くから、とか、人じゃないから、って理由で、拒絶はしなかったよね?
それと同じように。
南東群島連合に所属する国の出だから、ってだけで、拒絶しないでくれたら、俺としては、嬉しい。
[少し落ち着いた声で綴るのは素の、そして、心からの願い]
少なくとも、あの時……私掠艦隊と出くわした時の、アイリの様子は。
艦隊の横暴に対する怒り方は、俺には演技には見えなかった。
だから、俺は、アイリを信じてる。
アイリ、っていう、『個』の存在を……『仲間』として、ね。
そして、おんなじように、カナン殿や、この船団の皆も信頼してる。
同じものを見たいって願うもの同士として。
/*
ここで全力で庇いに行かないのが、白わんこのゆるさ。
しかしなんというか、こういうとこはほんと、ユウレンって国の気質だなあ。
拒絶するより受け入れる、っていう。
カークが前に某執事さんに言った言葉って、なんやかや、根付いてるんだよねぇ。
……うん。
なんつかほんと、次代は大変そうだわ、この国……(
― 島 草原 ―
あー、へーき、へーき。
[案ずる声を上げるアイリ>>245に、手……は振れないから、ぱたぱたと尻尾を振って答えた]
ん、まあ、そういう事情じゃねぇ……。
気軽に話せるものでもないのはわかるから、そこは気にしなくていいよー。
[返す口調は軽いけれど。
そこにあるのは素の思い]
[こちらの言葉をカナンがどう感じるか、どう受け止めるか。
ある種の賭けだが、分の悪いものとは思ってはいなかった。
それは、彼に対する抱く信故に]
……うん。
今すぐ、結論出せる事じゃないのは、俺もわかってる。
[保留、という判断。>>250
それは、今この場で出せる最善だと思った。
斬り捨ててしまうのは簡単だけれど、それで失うものもある。
だから、そうならなかったことに、ほっとして。
知らず、安堵の息を漏らした後]
……ありがと、ね。
それから……ごめん、もっと早く相談しなくて。
[今浮かんだ素の思いと、ずっと抱えて来たものと。
砂浜へと向かう背>>252に投げた言葉は、届いたか。
いずれにせよ、次の瞬間には力が抜けて、その場にへしょり、と伏せる事になるのだが]
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