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またこのひとらはうちの城壊してるー。
あれ。ひょっとしてうちの子ピンチになるんじゃ??
いや、むしろここで友情をはぐくむチャンスか!(
[騎士が纏う気に、目を細める。
そうして、知らず唇を舌で湿らせていた。
純粋で剛直な感情の発露。
それは、ほとんど官能的なまでに心をざわめかせる。]
初めて会ったときより、ずいぶん良い。
―――たまらないな。
[腕に巻いた茨は既に血を吸っている。
手加減や遊びの余裕がない相手なのは、よくわかっていた。]
[血塗れの姿は鬼気迫るものであったが、
吸血鬼の知覚は別のものを感じる。
熱く滾り、冷たく凝った血の香気。
さきほどアデルの血から得た酩酊が、より深くなる。
――― 欲しい。
は、と蕩けた息を吐いた。]
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ところでばるたんが動くのを待っていて、
待ちきれなくなってついログを落としちゃうんだけど、
きっとそれあんまりよくない。
(自重せよ)
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いかんね。更新ボタンを連打しそうだ。
そちらから仕掛けてくれていいんですよ?と落とそうか。
それとも、また藪蛇になっちゃうかなぁ。
そわっ。
[アデルを受け止めた蔓は、そのまま数を増やし、
彼を包んで持ち上げる。
踊り場の高い天井から吊られたそれは、
まるで茨の鳥籠だった。]
返るならば、愛の裡にでありたい。
[騎士が告げた言葉に、声を返す。
相手が動くに合わせて自らも位置を微妙に位置を変えた。
彼が流した血の量を見るに、さほど長くは戦えまいと思う。
超常の治癒力がどれほど効果を発揮しているかはわからないが。
こちらも、アデルの血を奪ったとはいえ、万全の状態には程遠い。
彼が仕掛けてきたとき―――その一撃に注ぐべく、力を溜めた。]
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ばるたんの一撃、くるのかなぁ。
(そわっ)
こっちから行った方がいいのかなぁ。
(そわっ)
とりあえず、箱がんばれ…!
ふふ。悪魔だよ、そう。
教会が、そう呼ぶのだからね。
[騎士と視線が交わる。
こちらの意図を知って、なお正面から来る。
その意思が、まっすぐに突き刺さる。
ごく自然な立ち姿に構えながら、その一撃を待った。
全ての神経を集中させ、彼の刃をかいくぐって―――]
――――……っ!?
[待ち望んだそれは、予想をはるかに超えるものだった。
飛んでくる刃を見据え、躱そうと体を動かす。
その目の前に、刃があった。]
が………… ぁ…っ
[体の中心を刃が貫き通す。
自分の体を抜けて、切っ先が壁に当たるのさえ、感じた。]
[これは、だめだ。
沸騰する痛覚の中で、冷めた思考が自身の状況を把握する。
同時、戦うものとしての本能が、好機をつかむべく動いた。
右手に絡ませた蔦を、相手の体深くへと貫き通す。
互いに、互いを串刺しにしたことで、動きが止まる。
そこへ、さらに蔓に魔力を注ぎ込んだ。]
[膨大な力を注がれた蔓は、爆発的な勢いで成長する。
―――貫いた、騎士の体内で。]
…… このまま、私の養分に
……と言いたいところだけれども。
[ぐい、と蔓ごと相手の体を引き寄せる。
さらに、剣が自らを引き裂くのも構わずに。]
―――私は、おまえが欲しいのだ。
[間近に顔を寄せて、囁く。]
私に下れ。
そして、名乗るがいい。
[宣言と共に、蔓を通じて自らの血を注ぎ込んだ。]
[騎士に血を注ぎこむと同時、己に残る血の力を振り絞って、自分と同じ血を持つものを震わせる。]
――― … わがままを許せ。
[血の共鳴に乗せて、ひとことを]
[体を維持するための血をも注ぎ込みながら、
片手を伸ばし、修道騎士の顔を掴む。
目を覗き、心の奥底までも覗こうとするように。]
すぐに、私の血はおまえを内から作り替えるだろう。
だが、案ずることはない。
おまえに
私が「もう良い」と言うまで、おまえは自ら死ぬことができなくなる。
命の危機には、全力で抗うことになろう。
私たちの生を生き、身をもって魂の意味を知るがいい。
[声とともに唇から零れた血は、床に着く前に灰となって散る。]
――― それともう一つ。
私の形見をジークに、私の子に渡しておくれ。
それくらいの願いは、聞いてくれてもいいだろう?
[言いながら手を動かし、自らの胸に茨の棘をあてがった。
鋭く大きな棘で肌を裂き、胸の上に模様を刻みつける。
もはや流れるもののない体は、傷ついてもわずかに赤が滲むのみ。]
親としてあの子にできるのは、もう、これくらいだから。
血を厭うているあの子の、力 に …
[声が掠れた。
喉を震わせ、幾度か喘ぐ。]
[言葉紡ぐ間にも、手足の先から崩れ始めていた。
席を切ったように、死への変化はとめどなく続き、
見る間に灰へと変わっていく。
腕が落ち、腰が砕け、胸が崩れ、
最後に残った顔が、ちらとアデルを見て微笑んで
―――その笑みごと、流れ落ちた。]
[城主の体が灰へ帰したその時、
野茨城そのものが時を止めた。
風に揺れる野茨の葉が動くのをやめ、
突如、時の重みに耐えかねたように萎れしぼんでいく。
色褪せた茨は先端からさらさらと崩れていき、
白い細かい灰が風に舞い上がり、 やがて静かに降り積もる。
城を覆うすべての野茨が塵となって崩れ落ち、
庭も、壁も、床も、灰に覆い尽くされる。]
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