情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
― 巨大海蛇近辺 ―
[紫雷と剣による一撃離脱を繰り返す間にも、海蛇には様々な攻撃が仕掛けられる。
が海中に没する、という回避を駆使する相手には砲撃は今一つ効果が薄いよう。
それでも、精霊術による攻撃は効果があるようで]
精霊術はさすがに効いてる、か。
……あー、くそ、アルとモーントがいりゃあなあ。
[つい口をつくのは無いものねだり。
光の術を得意とする相方がいれば効率よく戦えるのに、なんて思考は、弱気の表れと切り捨てて]
上手い事、急所でも突ければいいんだろうが……っと!
[じゃあそれはどこか、と。
そんな思案を遮るように海蛇が海中から尾を跳ね上げてきたため、雷竜を急上昇させて一撃を避けた。*]
― 海蛇近辺 ―
[『八幡』から再び、光の矢が届く。>>111
吹きあがる白炎は確実に、海蛇の力を削り落としているようだった]
あれでもまだ動くって、こいつ、体力底なしか……!
[吐き捨てた直後に、雷竜が紫雷を放つ。
直後に旋回して距離を取り――それに気づいた]
……は?
なんだ?
[『八幡』の方から何か飛んでくる。
砲弾……では、ない。
じゃあなんだ、との疑問は、それが海蛇の頭上にたどり着いた時に解消された]
……ひと?
[なんで、という素朴な疑問は一瞬]
……オルヒデーエ!
[とっさの判断で海蛇の正面、下方に急降下し、気を引くように紫雷を叩き込む。
そこまでせずとも覚られぬだけの力がある……とは知らぬ身、ただ、何事かなさんとする彼の一助となれ、との思いから。
そうして、煌く刃が海蛇の眼を刺し貫く>>116のを見届けて]
……今が好機だ、全力ぶち込め!
[剣士が海へと飛び込む姿を見て取るや、両軍に届けと大声を張り上げる。
視界を失ったならば、動きも大幅に制限されるはず。
応ずるように雷竜が吼え、紫雷が叩き込まれた。*]
[叩き込まれる一斉攻撃により、海蛇は海へと沈んでいく。
それを見届け、念のため海面近くを旋回して完全に姿も気配も消えている事を確かめて。
それから高度を上げ、『八幡』へ向けて敬礼を送った。
それが、先の剣士への礼である、というのは伝わるか。
それから、翼を返して『ヴィルベルヴィント』へと戻り]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
『お見事でしたわぁ……あの大物を鎮めてしまうなんて……これなら、『澱み』の本体相手でも大丈夫そうですわねぇ』
[ふわり、『ヴィルベルヴィント』の甲板に舞い降りるなり出迎えたのは水霊のどこかのんびりした声]
……実力を認めてもらえたのはありがたいんだが、あんなものが出るなら出るって、先に言ってくれん……?
[その響きに何となく脱力しつつ訴えるものの、水霊はどこ吹く風、と言わんばかりにころころと笑うのみ]
『それはそれとして、皆様、お疲れでしょうから。
わたくしから、せめてもの贈り物をさせていただきますわね』
[笑顔のまま、水霊はゆるりと優美に腕を振る。
碧の光がふわりと灯り、それは風に乗ってゆるりと広がり両国の艦に降り注ぐ。
光に触れれば感じるのは疲れと傷を癒す水の力]
あー……ありがとう、だいぶ楽になった。
[告げる礼に合わせて雷竜もぐぁう、と唸りを上げる]
『いえいえ。
ああ、でも、わたくし生命は癒せても、船は直せませんので。
そちらは、皆様で何とかしてくださいませ?
修繕が終わりましたら参りましょう……『澱み』の集う場所へ』
[告げる水霊の言葉、その最後の部分は少しだけ、真面目な響きを帯びていた。*]
― 水軍旗艦・『ヴィルベルヴィント』甲板 ―
そういうもの……ですか。
[当然だろ、と言いたげなコリドラスの言葉>>172に、へにゃりと眉が下がる。
雷精の加護は宿しているが精霊自体との接点はあまり無い身、今一つぴんとこないのだが。
精霊を人間の識で量ろうとしても無駄、とは相方にもよく言われていたからそれ以上は突っ込まず]
あー……うん。
素人が手出ししても邪魔にしかならんだろうし。
オルヒデーエと一緒におとなしくしとくよ。
[ダーフィトの言葉>>152にも素直に頷いて休息を優先していた]
……そう、か。
[通信具越し、届くのは風龍峡の方は恙無く解決した、という報告。
こちらはどうかと問われて、最初は言葉を濁したものの]
……こっちにも、『虚無』の影響がかなり出てる。
一族の仕事、せにゃならんようだ。
[ぼやくような口調で告げた言葉に、返るのは沈黙と。
無理はせずに、という短い言葉だった]
[通信具を使っての相方と短いやり取りを終えた所に駆けて来たのはキアラと水霊]
ん……どうか、したか?
[問えば伝えられるのはシンシャ側からの言伝。
それに、数度瞬いて]
フィオン・カムナ殿……というのか、あの剣士殿。
ん……伝言ありがとう、余裕があったら、後で挨拶返しに行ってくるよ。
[伝えられた感謝はとかと受け取って。
その後は目的地へたどり着くまで休息しつつ、あれこれと物思いを巡らせていた。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
……ぉー……これはまた。
[水霊の導きでたどり着いた場所。
そこにあるもの>>138を見た瞬間、眉が寄った]
現物を見るのはさすがに初めて、だが。
……なるほど、ねぇ。
[小さな呟きに雷竜がぐる、と短く鳴く。
それに、心配すんな、と小さく呟いて]
何はともあれ、まずは海産物モドキ退治、と。
[今なすべきはそれ、と雷竜に跨る。
そこに降り注ぐのは、水霊の蒼き護りの煌き。>>139]
上位精霊の護り、か。
これなら楽に動けそうだな。
[青の煌きが与えたものに微か、口の端が上がる]
まさかこんな形で一族のお役目と向き合う羽目になるとは思わんかったが……『始まりの騎竜師』の裔たる者の務め、真面目にやらんわけにもいかんしな……。
てーわーけーで。
……行くぜ、オルヒデーエ!
[宣に応じて雷竜が吼える。
飛び立った薄紫の翼は一度上昇し、直後に海面へ向けて急降下した]
いよっ、と!
[掛け声だけは軽く、繰り出した切っ先が海蛇を捉え、貫く。
上昇の勢いで剣を引き、高度をとった所で雷竜がぐるるる、と唸りを上げた]
[紫雷が焦がしたのは、海面に浮かび上がってきた海老と巨大蟹。
蟹の方は甲羅で凌いだのか、さほど手傷を負ってはいないらしい]
……ってー、あー、そーいえば。
[次の攻撃を繰り出す前に、ふと思い出して高度を上げて]
いや、さすがにわかると思うけど、こいつら、喰えんからなっ!?
[なんかわかってそうな所(=水霊)が言ってなかった気がする部分を突っ込んでおいた。
『虚無』の『澱み』が形を成したもの、それ即ち『虚無』の欠片なわけで。
食べたらとんでもない事になるのは言うまでもない……はず。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[今更な突っ込みから始まった漫才めいたやり取りなど知る由もなく。
視線が見据えるのは、海上の巨大蟹]
……とにかく、真っ向から行くのは愚の骨頂、と……。
[小さく呟き、深呼吸、ひとつして]
……オルヒデーエ!
[降下での接近の後、相棒を呼ぶ。
雷竜は心得た、とばかりに吼え、蟹の下に後足を突っ込むようにして蹴り上げた。
突然の事に対処が追い付かなかったか、蟹は見事にひっくり返り]
[繰り出した一撃は上手い所に当たったようで、剣を引き抜くと巨大蟹はそのま沈んでいく]
さて、と……だいぶ減ったとは思うが……。
[呟きながら高度を上げ、前方を見やる。
鈍色の卵はうごうごと蠢きながら、その形を変えつつあった。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
……なんだ?
[うごうごと、形を変えていく鈍色の卵。
不意に、その動きが止まった。
ぴしり、という音が響き、その表面にひびが入っていく。
その様子は、まるで]
……孵る、とかいうなよ?
[思わず入れた突っ込みは、しかし。
冗談では済まなかった。
ひびが入る速度がどんどん上がって行き、やがて、ぱきん、と大きな音と共に卵が割れ、そして]
……っ! こいつは……!
[ぐるぉぉぉぉぉ、という咆哮が響く。
割れた卵から現れたのは、鈍色の龍。
それも、海龍と呼ばれる類のもの]
『……あー。この海域で、一番強い存在を模したようですわねぇ』
[いつの間にか傍らにやってきていた水霊が呟く]
いや待て、それってつまりアレ、東海龍王の姿写してんのか!?
『さすがに、それはありませんわぁ。
……まあ、近しい眷属ではありますけれど』
いや、十分でかいぞその存在。
[きっぱり言いきりながら、改めて鈍色の海龍を見やる。
現れたそれは明らかに不機嫌とわかる様子で両水軍を睨みつけていた]
で、あれ、どうすればいいんだ?
『力を削ぎ落して、その上で……そうですわねぇ。
逆鱗を砕けば、形を失わせる事はできるかと思いますわあ。
……あとは……』
……あー。
その先のやり方は知ってる。
知識の上ではあるけれどな。
……人間がアレやる機会が巡ってくるなんて、思ってもみなかったが。
[はあ、と零れ落ちるのは大げさなため息]
『仕方ないのではないかしら。
貴方様の血脈は、そういうもの、でしょう?』
[直後、耳元に落ちるのはからかうような響きの囁き。
それにこちらが何か言うよりも早く、水霊はふわりと身を翻す]
『あの子に伝えてまいりますわぁ。
そうすれば、他の方々にも伝わるでしょう?』
[軽い口調で告げた後、水霊は身を翻し]
……いや、気楽に言わんでほしいんだがな!?
[突っ込みは、届くことなく風に散った。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[あまり表には出されない話、なのだが。
ラヴェンデル家は、ナハティガルの建国王――『始まりの騎竜師』の血を継いでいる。
騎竜師としての才を多く受け継いだ建国王の末子が王族から離れて興した一族であり、建国王からある『願い』を引き継いで今に至っている]
…………まあ、これも血の務めっていやあ、そうなんだが。
それ以前に……あれはちょっと、見苦しいな。
[姿かたちは完全に模しているらしき、鈍色の海龍。
けれどそこには龍という存在が持つもの――特有の輝きともいうべきものが全く感じられない]
せっかく来れた海を、あんなモノにいつまでも汚されてちゃ興ざめもいい所だよなぁ……。
[低い呟きに同意するように、雷竜がぐる、と小さく唸る。
それに、微か口の端を上げて]
……それじゃあ、まあ。
掃除と行くか、オルヒデーエ!
[宣に咆哮が返り、薄紫が大きく羽ばたく。
キアラのかけた水と風の護り>>231を受け、その速度は増した。
空を翔けた雷竜は海龍との距離を詰めると、その身に紫雷を叩きつけた。
反撃とばかりに振るわれた爪をするりと抜けて、鈍色の上へと舞い上がった。**]
― 『澱み』の集う場所 ―
っと、これは……。
[一撃離脱を繰り返す最中、手にした剣に白炎が宿る。
何がそれをもたらしたかは、すぐに察しがついた]
大盤振る舞い、だな。
ま、そのくらいやらんと追いつかんか!
[どこか楽し気に呟きつつ、接近からの一閃。
海面から仕掛ける面々に攻撃が向かぬよう、意識を空へ向ける事に専念する]
翼があるからこそできる事は、最大限に、ってな!
[軽い口調で紡ぐのは、連綿と伝わる騎竜師の理念のひとつ。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[逆鱗を砕く事で存在の拡散を狙う、という方針はあるものの。
肝心の逆鱗は狙い難い場所にあるはず。
それを見出し、狙い撃つための策はあるか確かめるために舞い降りた時、願う声>>262が届いた]
……上、か。
そちらに引き寄せるなら、俺の領分になるかな……了解した。
[もちろん、一人で作れる隙には限界があるのはわかっているから]
タイミングを合わせて、頭を狙いに行く。
そのまま上に釣り上げればいいって事だろ?
[雷竜の秘めたる力の一つに、超高速移動というものがある。
文字通り一瞬で距離を詰め、相手の意表を突くというもの。
対人戦よりも、こう言った大型の存在に対するのに特化した能力は、何気にあんまり知られていないもの。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[求めに応じた各自が動き出す中、雷竜と呼吸合わせて機を計る。
速すぎても遅すぎても機を逸する、と思えば慎重にはなるが、慎重になりすぎても、とも思いつつ]
…………跳ぶぞ!
[フィオンとダーフィトが動く>>268 >>269。
それに合わせて、短く号をかけた。
雷竜の姿が掻き消え、直後、それは海龍の鼻先に現れた。
振るわれる剣一閃、直後、更に高度を上げる。
与えた一撃は挑発目的、それによって海龍が上へと顔を上げる事を狙ったもの。*]
― 『澱み』の集う場所 ―
[ミヒャエルが水面を翔ける姿>>272は、上からよく見えた。
龍の爪が掠めた様子には僅かに眉を寄せるものの、それの程度では折れぬとの信もあるから動く事はなく。
飛ばせ、の声と共に宙を翔け、逆鱗へと迫る姿を。
気合と共に鉤を打ち付ける様子を。
上から確りと見届けて]
……お見事!
[向けたのは短い賞賛]
[逆鱗を砕かれた海龍ははっきりそれとわかる怒りを込めた咆哮を上げる。
爪や尾が無軌道に振るわれるが、それは場にいる者を捉えるより先に、鈍色の粒子となって崩れてゆく。
そうして、後に残ったのは――ぽかりと宙に浮かぶ、蠢く鈍色の塊がひとつ]
残滓にまでなったか……あとは、これをどうにか抑え込んで……!
[抑え込んで、浄化する。
さてそのためにどうするか、と思考を巡らせた直後に、碧い光がふわり、とその場に舞い降りた。*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新