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[エントランスを抜け、階段を駆け上がり、その先の階層を幾つか抜けた先。
そこは、五芒星形の大広間だった。
銀色の煌きを散らした薄紫の布に飾られたその場所の中央には、巨大な水晶玉が、ひとつ]
「……やれ、きてしまいましたかぁ。
やっぱり、なあ……光の御仁落ちた時点で、闇の御仁にフラグブレイクは無理だったかぁ……。
まあ、しゃあないわなぁ……働くかぁ」
[やって来た一行に向けられたのは、今までとは一転、やる気のない響きの若い男の声。
声の主は広間の奥、五芒星の頂点部分に座す者。
異国風の装いに身を包み、肩にはこれまた、異国風の刀を担いでいる]
「……自分、影のシェイドいいます。
まずは、ここまでの到達お疲れさんですわ。
ま、あんたさんらからすりゃ、自分らの降臨は理不尽ですし……来ないわけには、行かんかったんやろと思いますが」
[語る口調は緩いが、纏う気配は冷たく、鋭い]
「とはいえ……あんたさんらにとっちゃ理不尽でも、『ここ』を見ちまった以上は、避けて通る事はできんのですわ。
自分らの主……『始原の秩序』たる、『秩序の王』にとっちゃ、『混沌の闊歩する世界』は、あっちゃならんモンなんです」
[淡々と言い切った後、影の魔神ははあ、と大げさにため息をつく]
「……ゆーか、しょーじき自分、気ぃのらんのですけどな。
主の対の御方が遊んでるせいで、いらん手間くっとるよーなもんですし」
[ぼやくように吐き捨てる瞬間、影の視線は思いっきり遠くを見ていたが、すぐにそれは来訪者たちへと戻り]
「……それでも。
自分、主の『影』ですんでな。
……主を阻む事はできませんし、他者がそれをやるのを見過ごす事もできませんので、ええ。
……殺らせて、いただきますわ」
[にっこり笑って物騒な事を言い切った後、影の魔神はぱちん、と音を立てて指を鳴らす。
応じるように、異国の妖魔──鬼や妖怪と称されるものによく似た姿が、大広間のあちこちにわき出した。**]
[向けられた問い>>22に、影の魔神は軽く後ろ頭を掻く]
「んー、別に暴走しとるとゆーか、ある意味通常運行なんですけどなぁ」
[最初に落ちたのは、なんか物騒な物言いだった]
「いやいやいや、あかんあかん。
……対の御方を呼び寄せたりしたら、それこそ『全て』が虚無回帰起こします。
本来、自分らは、対の御方が仕事した後に来て、自分らの仕事する……そういう『巡り』ができてましたん。
それがなーんでか、最近対の御方がのーんびりしてる事が多くて、自分らが追いこしてしもた、ってのが今の状況ですねん」
[はあ、と落ちるのは、大げさなためいき]
「……ああ、対の御方が来た場合、まあ、似たような事になるんとちゃいますかねぇ。
ただ、今のこの世界は、恐らくあちらのお好みですから、当分寄ってつきはせん気もしますが」
「……ま、それもあんたさんらが、自分らを退けられたら、の話ですけどなぁ」
[そこを譲る気はない、と言わんばかりに魔神は笑う]
「……さて……おまえらは、もうええよ。
後は、自分が働くよってな」
[静かな言葉が向くのは、未だに残る小鬼や妖魔たち。
この言葉を受け、大広間を賑わしていたものたちはふっ、と溶けるように消えていく]
「さぁて、ほいでは久しぶりに働きましょかー。
自分を抜けんようでは、主には届きゃしませんで?
……あらゆる意味で、なぁ……!」
[低く、鋭い声と共に、影の魔神は抜刀した刀を横に薙ぐ。
応じるように紫色の影がその周囲に湧き上がり、無数の矢に転じて降り注いだ。*]
/*
いやあまいった。
影さん動かしやすすぎてなんだこれ(
まあ、ラスボスほっとんど喋らんからな、ここでいろいろネタばらしおとさんといかんのよな、うん。
「……やぁれやれ、参りましたなぁ。
だーから、自分、働きたくない言うたんに……まあ、しゃあないか」
[その身を深く裂かれつつ、しかし、魔神の口調は軽いまま]
「とはいえ……あんたさんたちの……『この世界に生きる者の意志』、見させていただきました。
まあ、こんだけのモン見せられたら、どーしよーもないわなぁ。
……どーぞ、お行きなさい、『始原の秩序』の所へ」
[静かな口調で告げた後、魔神はまたひとつ、息を吐く]
「……ただ、ま。これだけは言うときます。
あんたさんたちが相手にしようとしとるんは、純粋な力のカタマリですわ。
『世界』を回帰させるために、主、いろいろ切り離しましたんで。
ぶっちゃけ、話とか全然できません。
あるのは、『絶対秩序の維持』のために、『混沌を生じうる全てを滅する』ってー思考だけですわ」
「なんでそんなん必要なのかー、言うんは、まあ、恐らく理解できんでしょけど。
……『始原の秩序』いうんは、そーゆーモンなんですわ。
『完成した世界』と『絶対秩序』、どうあっても相容れんモンを同時に求めるが故の矛盾ってのは、えらい面倒なモンでしてなぁ……。
巡りがブレさえしなきゃ、発生なんぞせんのですけど……まぁ、ここは詮無いですわな」
[言いながら、影はふ、と遠い目をする。
けれど、それは一瞬のこと]
「……さてさて、それじゃあお役御免の影は引っ込むとしましょかねぇ。
あんたさんたちがどーしても、『始原の秩序』を止めたいいうんなら、まずは力を集めて散らすといいですわ。
なぁんせ、力のカタマリですからなぁ……直に突っ込むと、火傷じゃすみませんからなあ」
[くく、と楽し気な口調でそう告げると、影はどこからともなく取り出した鈴の束をしゃらん、と鳴らす。
応じるように、五芒星の広間全体が揺ぎ──その場の事象諸共、溶けるように消え失せた。*]
― 天空城最上階・控えの間 ―
[広間が溶け落ちた直後に働いたのは、空間転移の力。
それは一同を更なる上層へと導く。
たどり着いた先は、小さな六角形の小ホール。
天井はなく、見上げれば青い空が広がっている。
ホールの奥には長い階段があり、その先からは強大な力が感じられた。*]
[小ホールの奥の階段を登れば、たどり着くのは六芒星形の空間。
こちらにも天井はなく、壁は円柱で構築されている。
六芒星の最奥には、黄金に煌めく玉座。
そこに座るのは、黄金の翼を持つ、白一色の装いの女性。
その手には、どこかで見たような槍が握られていた]
「……『混沌』を生み出すもの」
「汝らの存在、そして、その存在を赦す世界を容認はできぬ」
「……虚無への、回帰を」
[抑揚ない声が歌うように紡ぎ、直後、女性によく似た姿の影が幾つも現れる。
玉座に座る女性──『始原の秩序』と同じ力を宿す影。
それが、先に影の魔神が言っていた『力』なのは察しもつくか。
いずれにしろ、剣呑なる秩序の分身たちは、容易く散らされるつもりもなさそうだけれど。**]
[向けられる言葉、そのどれに対しても、玉座に座す者は興味を示す事はなく、ただ淡々と繰り広げられる戦いを見つめていたが。
己が分身たる戦乙女たち、その幾体目かが消えた所で、ゆら、と立ち上がった]
「……『混沌』をやどすもの」
「……滅さなくては]
[静かな宣と共に、手にした槍に光が灯る。
穂先に集まるそれは、強大な力を秘めるもの。
それが解き放たれる事でどうなるか、は──恐らく、容易く想像できるだろう。
そして、その光が、『始原の秩序』の力の大半を込めたものであり、それを打ち砕けば彼の存在の力を大きく削いで放逐する事もできるのでは、と。
気づく事もまた、そうは難しくない……かもしれない。
いずれにしろ、残る戦乙女たちは、己が本尊が一撃放つのを邪魔させぬため、これまで以上の攻勢を仕掛けてくるのだが。*]
天より降りし者 は、天より降りし者 を投票先に選びました。
[抗うものたちの声、そして、振るわれる力。
そこに宿るものは、『始原の混沌』の存在を揺るがすもの。
故に、高まるのは、滅しなくては──という意識、ただそれのみ。
それは黄金の槍に宿る輝きと、阻まんとする戦乙女の攻勢が端的に物語る、が]
「………………」
[幾重もの防壁に阻まれ、強大な力に晒されてなお、やって来た者たちは抗い続ける。
戦乙女の翼を奪う圧、槍を振るうを妨げる炎、色とりどりに煌めく光、根を伸ばす大樹。
そして、銀の煌きが拓いた道を、疾駆する漆黒と──]
[そうして、『始原の秩序』が消え失せた後。
伝わってくるのは、振動。
主にして力の源である存在を失った事で、天空城が空中崩壊を始めている──とは。
多分、簡単に気付ける事。**]
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