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玄武神 リエヴル は、天星仙花 を支配した。
玄武神 リエヴルは、玄武神 リエヴル を投票先に選びました。
カスパル、急ぎ、戻れ。
レト、お前は無理をせず、必要なら身を隠せ。
[ レトの言葉を遮るように、八角鏡から玄武神の声が届く ]
冬花、お前はカスパルが戻るのを待ち、回復の手助けを。
[ クリフの声が届くと同時に、七星剣を手に洞窟の外へと歩み出しながら、眷属にはそう声をかけ、続いて天の武官に視線を向ける ]
ウルズ、其方とクリフの気を借り受ける、共に参れ。
[ 空の見える場所まで出ると、玄武神は七星剣を頭上に掲げ一閃する。すでに黄昏近い茜色の空に、白い霧の塊で象られた蛇の姿が浮かびあがった ]
土生金…金生水…相生重畳…
[ 低く唱えられた呪言と共に、付き従ったはずのウルズと、魑魅を発見したクリフへと、順番に霧の蛇が近づき、その身を通り抜けていく ]
[ 土気に克されるはずの水気の蛇は、金気の主に気を流す事によって、相生の力と成し、高められた力を受けて、霧から実体を持つ白蛇の姿へと代わり、竜の如く天へと昇る ]
浄!
[ 更なる剣の一閃により放たれた剣風が、白蛇の後押しとなり、空ゆく魑魅の群れに躍り掛かった蛇は、忽ち、妖魔の群れを飲み込んで噛み砕いた* ]
― 拠点前 ―
残らず散ったな。
[ 七星剣を手に空を睨んでいた玄武神は、妖魔の気配が散り果てると、剣を下ろす。
同時に、空を駆けた白蛇は溶けるように姿を崩して漂う霧と代わり、やがては風に流れて消えた ]
すでに日暮れ、仙花の気配も追えまい。
[ カスパルに急ぎ帰還を促したのは、魑魅の他に仙花を狙う妖魔が現れる可能性を懸念してのことだったが、どうやらその様子もない。
おそらく魑魅の群れは、純粋に天の気に引き寄せられただけのものだったのだろう ]
陽が戻れば、仙花も陽光を求めて動き出そう。探索の見当もおよそついた。
暫し、皆も休め。
[ 夜が明ければ、東の森を中心に探索をすることになる筈だ** ]
― 洞窟 ―
[ 一通りの治療や、回復のための術の行使が一段落すると、玄武神は、辺りの水気を抑え、自らは洞の奥の泉の側に座を移す。
洞窟の入り口付近で火を焚けば、陽気を嫌う妖魔避けともなり、糧食として用意された滋養の強い干し果実や米菓の類を温かい飲み物と共に味わうこともできるだろう ]
蒼龍、変わりはないか?
[ 引き連れた者達に休息を促しながら、水鏡を通して朋友へと問うのは、天に異変は無いかとの確認。
あちらから何も連絡が無い以上、大きな異変は起きてはいない筈だったが ]
仙花は、やはり何者かに「落とされた」ようだ。そちらも気をつけてくれ。
[ 半分は、地上で判じた事実の報告も兼ねての事だった* ]
そうか。
[ 地の泉の水面にも友の姿が映し出され、涼やかな風の如き声が聞こえてくる。茶会を催す余裕があるのなら、天に異変無き事は確実だろうと、返した短い言の葉の内に滲む安堵の色は伝わったか ]
こちらも、どうやら仙花の手がかりは掴めたが、今は皆を休ませている。
ああ…
[ 苗床への護りは怠らずあるという言葉と共に、空の備えも、と、伝えられると、僅かに目を細める。
指先を伸ばし、静かに水面に触れると、蒼龍の木気の近くに鮮やかな火気の気配も感じ取られた ]
皆、今の所、大きな怪我もない。
…レトは、丁度先刻、カスパルに助けられたようだ。意外に相性が良いのかもしれないな。
[ 引き連れた者達の無事と同時に、揶揄うような声音で問われた己と対極の眷属の事を伝える声は、どこか楽しげに響く ]
[ そうして、ひととおり、互いの様子を伝えあった後 ]
ローズマリー。
[ 蒼龍との会話の間は、恐らく控えていただろう妻の名を呼ぶ声は柔らかい。先にその変化を当代応龍に微笑ましいなどと評されていたのは知らぬことだったが ]
今ひと時は、皆をゆっくり休ませたい。其方の歌を所望できるか?
[ かつては歌わずの姫などと呼ばれた事もある先代孔雀の歌姫たる妻の歌声は、新年の寿ぎの折に貝に封じて天帝へと献上したきり、直接に聞いた者は神仙の内にも少ない筈だ。
良い機会だろうと、口にした望みは、無論、その声が、何より己の力の源となるとも、知るからこそのものだった* ]
/*
余計かもしれませんが>>+26の意訳をば。
上から下へと流れる水の様に
貴方の元へこの祈りを届けましょう
貴方が平穏であるならば 私が不安に捕まることも無い
風景に目を奪われて 先を見失う事も無く
戻ってこられる貴方のことを 私は此処でお待ちしています
ああ、頼む。
[ 己が望みに、屈託無く承知と返す妻の笑顔に、歌より先に癒されるのを感じながら、やがて泉から涌き出でる優しい歌声に耳と心を傾ける。
その旋律は、洞窟の表までも柔らかに響き渡り、休息を取る者達の回復を助けただろう* ]
― 翌朝/洞窟前 ―
[ 神妃の歌声に安らぎと力を得て、夜の間も、玄武神のみは、その力を周囲へと巡らせ、妖魔の気配を探っていた。
しかし、結局、大きな動きは無く、やがて再び陽光が辺りを照らし出す ]
皆十分に休めたか?
[ 夜明けの空の下、再び洞窟の外まで出ていた玄武神は、打ち揃った探索隊の面々の顔を見渡し、皆気力十分であることを確認して、小さく頷く ]
夜の間は妖魔の動きもなかった。即ち、仙花も大きく動いてはいまい。今日は、東の森のクリフが仙花らしき姿を見た場所を中心に捜索の輪を広げる。
…が、先にも言ったように、あの森には妖魔の影が濃い。言うまでもないが、常に仲間との連絡を取り合い、一人で遠く離れることのないように気をつけろ。
[ くれぐれも慎重に、と、念を押して、出立する者達を見送った* ]
………そこに皆揃っているな?
[ 神将の報告を半ばまで聞いた玄武神は、全員に向けて声を送る ]
八角鏡を通して気を流す、暫し、待て。
[ 言葉と共に、七星剣を地に突き立てると、低く呪言を唱える ]
『…水養天樹
…風佑光焔
…火還大地
…土得霊鉱
…金結神流』
[ 八角鏡から流れる玄武神の神気は、相生の流れに沿って治癒の術を全員の気に乗せて、傷を癒し、瘴気を浄化し、更には気力を補う力となって巡った* ]
其方達が、存分に働けるよう力を尽くすが天帝より賜りし我が役目、遠慮に思う必要はない。
[ 伝わる感謝の言葉には、常と変わらず、淡々とした声音が返る ]
其方達も、それぞれに力を尽くすは肝要だが…天に与えられた命…気儘に捨てて良いものではない、と、忘れるな。
[ けれど、かける言葉が常より長い、その意味は、すでに誰もが気づいていたか* ]
分かった。私が向かおう。
[ 神将の報告を受ければ、玄武神は、洞窟の外へと歩み出る ]
人里に近づく妖魔があれば、残らず滅する。
其方達は、仙花を探し出す事に専念しろ。
[ 淡々と、告げる声は揺らぎない** ]
― 拠点前 ―
[ 山の中腹から見渡す空には薄雲がかかっている。風は冷たく、今は飛ぶ鳥の姿さえ見えなかったが、遠く、怯えるような鳴き声が木霊した ]
水霊招来…
[ 七星剣の切っ先を、地に向けて印を切れば、洞窟の奥の泉から湧き出た水が溢れて、一筋の細い川となり、玄武神の足元に引き寄せられるように流れ来る。
次の瞬間、その場から漆黒の武神の姿は消え、流れる水だけが、蛇のようにうねりながら、山肌を流れ落ち、やがて西の人里に流れつく川と合流する ]
[ 川が流れつく先は、里の人々が山の入り口として山神を祀る祠の辺り。
霊的な境界でもあるその場所には、既に気を逸らせたらしい小鬼の姿の小怪が、祠を壊そうと群がっている ]
浄…
[ ふいに川面が蛇が鎌首もたげるかのように盛り上がり、水流が意思をもって祠の周りの小鬼達を、一気に押し流す。
流された小鬼は、その水流の内に込められた浄化の気に耐えられず、次々に灰となって崩れ去った ]
弱いものほど、影響が早い、か。
[ 川面の水をまるでそれが硬い床でもあるかのように踏んで立った漆黒の男が、手にした剣を振れば、その刃から散った水滴が白い霧となって辺りを覆い尽くした ]
封…
[ それは並の妖魔なら触れただけで身を滅ぼす浄化の力を持つ霧であり、この先、この場で起こる筈の人の世の理を外れた討伐の様を、万一にも里人の目に触れさせぬための封印でもあった* ]
ああ......無論、饕餮ではない。
[ レトの声に、返す玄武神の声音には、不思議な程に驚きの色はなかった ]
だが、力の一部は、アレのものだ。お前たちに倒せぬ相手ではないはずだが......油断はするな。
[ 唐突に齎された『饕餮』の名に、玄武神が驚かなかったのには理由がある ]
...実に、節操のない影だな。アレの影とあれば、不思議でもないが。
[ 同じモノが目の前に居る、つまりはそういうことだった ]
二つに分かれたか、一つのものか...試してみるか。
[ 呟いて、玄武神は『影』に向かって、七星剣を構えた。
かつての転生の折、『饕餮』本体に向けたと同じ、不敵な笑みを浮かべて** ]
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