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――朝:中佐の部屋→食堂――
[中佐は昨夜はお楽しみだったらしい。
彼はカスパルの報告を聞き流しながら、自身の身の潔白を強調し、己を護れと主張しだす。
生憎とカスパル自身も容疑者でありそれに添えない旨を伝えれば、今度は一刻も早い犯人探しを要求されたので、そちらには是と答え部屋を辞した。
相変わらず血の臭いは錆びた鉄で、飛び散った肉片は気分が良くなるものではない。連想で思い出すのが悪夢ではなくなっただけだ。
鼻に皺を寄せ、一度思考を止める。
まずは食事だ。
レーズンパンに卵にサラダ。肉製品を避けたのは無意識だった。
封鎖命令はそろそろ行き渡っただろう、食堂は普段より混雑しており、ひそひそ囁きあう声も聞こえる。
一角に座っているフィオンの姿を見つけ>>25、近づいて声をかけたのは、ここ数日で習慣になってきているからだった。]
おはよう。
……朝からしっかり食べるな。良い事だ。
[彼が目撃していたとは>>21、想像すらしていない。
ただの平時の挨拶を行い、座っても?と尋ね許可を得れれば隣へと、そうでなければ近くに腰掛けた。]
箝口令が敷かれているが、封鎖命令が出ている。
…気分の良い話ではないからな。
あまり首を突っ込まない方が良い。
[フィオンの専門が察している通りならば、彼はこの不可解な状況を調べようとしてしまうかもしれない。
その行動は、ドロシーに行き着く可能性も、夜間に彼女に出くわす可能性もあげるだろう。
出来るなら、フィオンは知らないでいて欲しい。
――彼はあの時、カスパルの理不尽な追求に抵抗せず、処刑に連れて行かれる時には恨みや悲しみなどの感情は感じさせなかった。
あの視線の、想いの理由を、カスパルはまだわからない。
だが、同じ感情が彼の顔に浮かぶのはもう見たくない。*]
――調査中――
[朝食を終えフィオンと別れた後、手早くアリバイ検証を進めていく。
時間帯も時間帯、相部屋でも寝ていればお互いの行動はわからないから、明らかなアリバイが成り立つ者は数少なかった。
早朝、外にいたものは――あるいは、耳聡いものはもう知ってる。
これが「狼化病の発症者」によるものだということを。
今も素知らぬ顔をして、仲間の中に紛れていることを。]
……なに、女性?
待て。誰だ。どんな姿だった。
[夜にふらりと歩いている兵がいたとの目撃証言があり、聞いてみれば濃い髪の色をする女性が一人で歩いていたというものだった。
間違いなく、ドロシーではない。]
[まさか女性があれほど残虐なことはできますまい、という目撃者である兵の言葉に、カスパルは目を細める。
穏やかな駐屯地は今、疑心を持ち出している。
人が人を疑うのは容易い。
カスパルはそれをよく知っていた、知っている。]
一度発症すれば人外の力を得る。
男女や体格など関係ない。
女性のほうが少将は油断されたかもしれないぞ。
特に、新米ならば、な。
[雑談のように落とす言葉は、意図的に選ばれたもの。
カスパルの周囲にいた兵士たちは期待通りにざわめいた。
夜分に出歩いていた女性が誰かは知らないが、疑心を持っている人に対しては、疑うきっかけを与えてやればいい。
「新米の」「女性」――ただの雑談、ただの想像だ。
それでも投げられた小石は思考に小波をたて影響を残すだろう。*]
/*
武術:57
拳銃:97
スナイパー:73
作戦立案:83
指揮官:48
説得:54
説得(物理):39
機械:58
操縦:95
ゲリラ:17
/*
ちょっと死体を見たSANチェック忘れてたけど
58>14 しかし0/1(3x1)ぐらいかなあ
ぶっちゃけ耐性ありそうで死体でSAN減る気しない…
――記録保管庫――
[赴任日から避けていた記録保管庫へ足を踏み入れる。
もうここを忌避する理由はなく、扉を閉めれば密室にもできるこの空間は便利なものであった。
ドロシーは、今日もそこにいただろう。
見張りが外にいるようならさりげなく扉を閉め、隣に付いているようならば、席を外すように頼む。去ってくれないようならば、それ以上の交渉はあきらめた。
何の用かとドロシーが切り出す前に、こちらから口を開く。]
気持ちはわかったか?
それとも、足りないか。
[飢えと渇きはまた襲ってくるだろうが、今は足りているだろう。
だがドロシーの知りたいこと>>14に足りたのかはわからない。
誰が聞いているかもわからないため、直接的な言葉は出さずにつかつかと近づき昨日より近いほどに距離を詰めて、小声で続ける。]
身辺に気を付けろ。
……全てからは守ってやれない。
[目撃情報をカスパル一人で網羅するのは不可能だ。
多くのものが周囲を疑い囁き合う。疑心は誰にでも向くから、誰かが正解にたどり着く可能性もある。]
[ドロシーが証言した内容については聞いている。>>40
隠し通すよりは表に出してしまったほうが良いだろう。
だが、やはり誰かに疑われる可能性は上げるのだ。
今夜も獲物を狙いたいなら、動きは慎重にしたほうが良い。
今宵は――誰かと共に過ごすひとも増えるだろうし警備も強化されている。
それでも狩りへ出るのならば、手助けが必要になるかもしれない。]
今日は、一人で夜を過ごさない者も多いだろうから、
あなたも気を付けてくれ。
俺が必要なら、呼べ。都合をつける。
[ドロシーの返答はなんであったろうか。
誰かに聞き耳をたてられている場合に備え、話している内容が明らかにならぬようぼやかしつつ、彼女に近づいてさらに低く小さく抑えた声で耳元で囁いた。]
……わかっているだろうが。
さすがに処刑されれば死ぬ。
[それだけを告げて体を離した。**]
――回想:朝食時――
[落ちたフォークを拾い、近くにあった代わりのものをフィオンに渡し、食事を続ける。
初対面時と異なり不審な言動が気にならなくなっているのは、多少距離が縮まった証なのかと首をかしげる。
事件について言及されれば、小さく顎を引いて頷いた。>>61]
死体が出た。最初に検死を行ったのは俺だ。
……だから、気分のいい話ではないぞ。
スパイという話ではない。人の仕業ではない。
[彼が探らずに済めばと思い情報を付け加える。
理論上は犯人が「スパイ」の可能性がないわけではないが、どちらにせよ人の力でどうこうできるものではないだろう。
血なまぐさい現場については、食事中であることもあり「獣に喰いちらかされた」ようだとだけ伝えよう。
この駐屯地付近にそのような大型の肉食獣などいないから、自然に存在する「獣」ではいことはすぐにわかるだろう。]
[食事の合間に問われた質問に、カスパルはパンをちぎる手を止める。>>61
一度視線を伏せてから、フィオンを見つめ首を横に振った。]
自分のものは変えられよう。
人の運命に手を出すのは、やめておけ。
[あの時、カスパルは弟妹を屠る道もあった。
素直に狼として捕らわれる道もあった。
それを選ばなかったのはカスパル自身だ。
ドロシーを告発することはできる。
昨日の間に彼女を撃つこともできた。
それを選んでいないのは自分自身だ。]
愚かとは、思わない。
……だが可能かは別の話だ。
だから――俺も、君には忠告をするだけだ。
[関わらないほうがいい、と。口にできたのはそれまでだった。]
――回想:朝食時――>>64
[関わらないでいて欲しいというカスパルの願いは、逆にフィオンの決意を固めてしまったのか、苦笑する顔に忠告が届いた様子はない。]
縁起でもないことを、言うな。
[戯言と言いながら、遺言にしか聞こえぬ言葉を告げるフィオンを止めようとしたが、彼は穏やかに言いたい事を言いきってしまう。
包みは彼の大事なものなのだろうか。
護ってやろうとは言えなかった。
カスパルの手はただ一人のためにある。
それ以上のものは持てないのだと、前世で十分知っている。]
君がそれを望むのなら、約束しよう。
フィオン、君は君の望むがままにすればいい。
[人の運命など変えられない。
ならばせめて、望むがままのことをして欲しい。
――カスパルが、身勝手な理由でドロシーの手を握ったように。]
[彼から感じるのは、相変わらず憎しみでも戸惑いでもなく。
もう少し温かいような何かだ。
あの時、彼は満足すらしていたように見えた。
己が死ぬのに。なぜだ。どうして。]
……君はまた、そんな顔をする。
俺が君に何ができたって言うんだ。
[記憶と今が混戦し、フィオンがこちらを見る視線に耐えられず、苦い顔をしてコーヒーを口に含んだ。]
尉官 カスパルは、兵卒 サシャ を投票先に選びました。
――調査室――
[僅かなやり取りの中、ドロシーは「まだ」と言った。>>50
ならば今夜か明日か――近々、第二の事件が起きる。
彼女には念を押したし、愚かでもないだろうから、怪しまれない立ち振る舞いはするだろう。
だが命の恐怖にさらされた人間の第六感は馬鹿にならない。
最もたやすいのは生贄を捧げることだ。
それが他の誰かを傷つけることになろうとも。]
噂になっているのは……。
サシャ=マリア・コーエン、か。
[サシャが白であることをカスパルは知っている。
彼女は狼化病に罹患すらしていない。
入隊の時に調べられているはずだが、未感染者に逐一詳しい説明などしないし、興味がなければ知らぬことだろう。>>55
無実であろう彼女をかばわぬことに罪悪感はあるが――同じようなことを、以前した気がしている。]
[兵たちに命令を下し調査を進めさせながら、カスパルは時折「病気」についての情報をつぶやく。
人格は変わらないらしい
ただ「食い殺す」本能がすべてに勝るだけ
理性なんて期待できない
それは嘘ではなく真実だ。
"カスパル"がそうであったから。
探している犯人は血走った眼をした化け物ではなく、長い間共に並んで戦い、今も笑みを浮かべ隣に立っている古なじみかもしれない。
言葉の端々にそう零しながら、互いの一挙一同を気にさせる。]
……見張りは、複数人で行え。
敷地外の見回りは危険だ、一時的に中止する。
それから、休養はきちんととるように通達を。
[解散させようとして、中佐からの命令が飛び込んでくる。
容疑者の一刻も早い無力化を、というものだった。
抵抗や逃げるようなら犯人とみなし、殺害も許可する、と。]
……全員見回り時は武器の携帯を。
相手に容赦は、するな。己の身を優先しろ。
[固い声で命じて、窓の外を見る。
数日前はあれほど穏やかだったこの場所の空気はまるで変ってしまったが、日の光だけはまだ同じに降り注いでいる。]
――廊下――
[訓練場へ行く途中だったのか帰り道か。
気落ちしているようにも見えるカシムを見かけ、部下に待つように告げて、声をかけ近づいた。
彼は、話題になっているサシャと同室だったはずだ。]
カシム。……サシャのことだが。
昨晩彼女は部屋の外へ出かけていたと聞いた。
どんな様子だったか教えてもらえないか。
[サシャの名を出したときのカシムの反応は、どんなものだっただろうか。
彼が話にくそうにしていれば、部下と目配せをして穏やかな声で話しかける。]
それとも寝ていて、覚えていないだろうか。
それならばわからない、で構わない。
[言いたくないなら言わずに済むように先回りをして、カシムが正直に話してくれれば部下がその内容をメモし、新しい情報がなければ礼を述べて別れるだろう。
問いかけがあれば足を止め、答えられる内容ならば返事を返した。]
――廊下――
[何も知らぬ、とカシムは言う。>>86
彼の表情からそれが嘘だろうとは察したが、カシムがそう主張したいのならば、カスパルにとっても好都合なのでこれ以上問い詰めるつもりはなかった。]
時間をとらせて悪かった。協力感謝する。
戸締りには気を付けるように。
[そう述べて立ち去ろうとしたところで、サシャについて問われる。>>87
どう答えるかしばし考えてから、苦く笑いカシムの頭を撫でる。]
……君が気にすることではない。
寝ていたのなら――関係のないことなのだから。
[関わりたくないのなら、そのまま関わらないで欲しい。
サシャが犯人であった場合、同室者であるカシムが共犯や意図的に見逃していた可能性も指摘されており、彼自身への尋問の必要性も問われていたが、「寝ていた」ならそれ以上は不要だ。
カシムのもとから立ち去りつつ、隣を歩く部下へ目配せをすれば、心得たといわんばかりに頷いてくる。
彼の証言は、正式なものとして記されることだろう。*]
/*
明日カシムを吊る準備は一応するけど
たぶん俺??なの??ドロシーなの??
俺がつられるのでもいいけどどうなるんだ…w
――見張りと共に――
[だれがどの情報を確定的だと判断したかは不明だが、サシャが最重要容疑者として通達されたのは、まだ夜が来る前だった。>>85
新しくここに配属されたサシャは親しい人もさほどおらず、まさか彼女が、と強く主張してくる者はいないようだった。
同室者も「寝ていて知らない」という証言であったし>>86、彼女の潔白を証明するような証言はない。
殺さず済むならば殺さないように、とはおおむねの共通理解でもあったが、僅かな油断が命取りになることは全員承知しており、武器の再点検が行われていた。]
……そうだ、逃げたんだったな。
[今さらながらに、過去を思い出す。>>0:7
あの時も同じ顔の少女をカスパルは糾弾した。
彼女を信じている人に疑いを投げかけ、少しずつ疑心を広げさせ、彼女が何も弁明できないのを良いことに犯人だと主張した。
これが運命ならば哀れなことだ。
だが謝罪をするつもりは毛頭ない。]
――見張りと共に――
[誰がどの情報を確定的だと判断したかは不明だが、サシャが最重要容疑者として通達されたのは、まだ夜が来る前だった。>>85
新しくここに配属されたサシャには親しい人もさほどおらず、再捜査を強く主張してくる者はいないようだった。
同室者も「寝ていて知らない」という証言であったし>>86、彼女の潔白を証明するような証言はない。
殺さず済むならば殺さないように、とはおおむねの共通理解でもあったが、僅かな油断が命取りになることは全員承知しており、武器の再点検が行われていた。]
……そうだ、逃げたんだったな。
[今さら過去を思い出す。>>0:7
あの時も同じ顔の少女をカスパルは糾弾した。
彼女を信じている人に疑いを投げかけ、少しずつ疑心を広げさせ、彼女が何も弁明できないのを良いことに犯人だと主張した。
これが運命ならば哀れなことだ。
だが、謝罪をするつもりは毛頭ない。]
――駐屯地外縁――
[手には銃を持つサシャを視認し、やや離れた距離で立ち止まる。
カスパルはまだ拳銃を抜かない。]
サシャ=マリア・コーエン。
君の拘束命令が出ている。
……武器を離し、投降せよ。
今ならまだ、俺しかいない。
[銃声を聞きつけ走って来る者も多いだろう。
今ならばまだ穏便に取り押さえることも、できる、かもしれない。
その後の彼女は――どうなるかわからぬが。]
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