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[周囲の連中といっしょになって祭の準備をするつもりだったが、部下に『邪魔なので座っていて下さい』と椅子を差し出された。
いつもの流れだ。]
おう。このリンゴも美味いな。
その包み焼きの魚も、こっち回してくれ。
そういやピザはねぇのか?
あいつどこ行ってんだ?部隊のところ?
後で持って来いって …言わねぇでも来るか。
[次々運ばれる料理を端から片付けているうちに、周囲では歌い踊り飲み騒ぎと、祭らしくなってくる。
やがて城下のあちらこちらから鐘や太鼓の音が響いてきた。]
おい、ヴォルフ。
帰ったんなら、顔くらい出せよ。
[声を出して満足したところで、もうひとつの声を投げる。]
もちろん、メシ全部作ってからでいいぞ。
[おまえのメシは美味いからなと付け加える。
美味い飯と飯の作り手はきっちり覚えていた。*]
[出てくる料理をせっせと片付けている最中、お祭り騒ぎとは違う声が聞こえてきた気がした。
声が聞こえてくる方向には、例の妙な幻しかない。
ひょいと覗いてみれば、先ほどとは様子が変わっていた。]
なんだこいつ。
[穴?が4つに分裂していて、それぞれから違う風景が見える。
しかも、人間の姿もあった。]
ひょっとして、向こうからも見えてんのか?
おーい。
そっち、聞こえるかー?
[声を掛けて、手を振ってみる。
うっかり骨付き肉を握ったままだったが、些細なことだ。*]
…って、はらぺこぐー??
そっち、なんか食うもんないのか?
はらぺこは辛いなぁ。
匂いが届くんだったら物も届きゃあいいんだけどな。
こうして、ほら。
[心底辛い顔で言ってから、骨付き肉を双子のところにぐいっと突っ込んでみる。
残念ながら肉は幻を突き抜けてしまうのだけれども。*]
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