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[左半身に走る灼熱。
右手に感じる重い衝撃。
どれもこれもが心地よく、精神を昂ぶらせた。
確かな手ごたえに唇を歪め、
茨の輪を短剣に変えて、喉元へ突き上げようとする。
しかしその目論見は、放たれた蹴りに阻まれた。]
[やや前のめりになっていた体を立て直し、蹴りを避けようとする。
結果、バランスを崩したまま足に蹴りを受け、
幾度か後ろに転がりながら衝撃を殺さざるを得なかった。]
たいした闘争心だ。
[左半身を朱に染めて、ゆらりと立ち上がる。]
―――君たち教会の者は、我々に魂がないと言うけれども。
[息を整えながら、言葉を紡いだ。
それは目の前の騎士に向けたものでありながら、
その実、我が子へと教え諭すもの。]
私は現に、ここにいる。
意思を持ち、思考し、感情の高まりに震えもする。
それ以外に、なにが必要だというんだい?
魂などという概念は、教会が人間を喪失の恐怖で縛ろうと考え出した、ただの道具に過ぎないのだよ。
私はここに"生きて"いる。
それが唯一、確かな事実だ。
[ちらりと傍らに立つ我が子へと視線を投げ、
その秀麗な顔へと笑いかける。]
ジーク。おまえも、やってみるかい?
[キャッチボールに誘うほどの気軽さで、我が子に戦いを勧めてみた。
苦痛の色は見せないが、自身の傷は決して浅くない。
暫し、回復の時間を取りたいところ。**]
/*
ばるたん、噛み対象だし、なにか振っておこうかな。
↓
名乗ってくれない(´・ω・`)
↓
やっぱり名乗ってくれない(´・ω・`)
↓
やだ。あなたのことばっかり考えてる。これって恋?
↓
戦闘超楽しい!がちがち聖騎士様最高!(イマココ)
― バルコニー ―
[修道騎士に対峙する我が子の姿を、目を細めて眺める。
剣を構えて立つ姿は、まさに冴え渡る
期待しているよ。
[背を押す言葉を掛け、茨を編んだ椅子に腰かける。
足を組んで、すっかり観戦の体。]
[神の御恵を語る騎士の言葉には、小さく笑みを浮かべるのみ。
もとより、言葉で彼を説き伏せられるとも思っていない。
神の使徒は、いつだって頑なだ。
ふと、足元に落ちたダーツを見つけて拾い上げる。
己の胸に刺さったものと同じもの。
鋭く尖った先で指先をつつけば、身を焦がす痛みが立ち昇った。
唇が、弓形に引きあげられる。]
[二人が剣を打ち合わせる。
ぶつかり合う気迫が、余波となって吹き抜けた。
期待していると語り、慈しみを注ぐ柘榴石の視線は、
同時に、冷静に二人の力量を量ってもいた。
無論、我が子のことは信じている。
だが同時に、厳しい戦いとなろうことも予想している。
愛し子は、吸血鬼としてはまだ雛だ。]
[だから、楽隊を指揮するように、指先を持ち上げた。
バルコニーに絡みつく蔓のいくつかが首を持ち上げ、
先を騎士へ向けながら、ゆらりゆらりと揺れる。
これだけでも気を散じさせる程度の役には立とう。
ただの脅しと無視するならば、生きた槍に貫かれもしよう。
このくらいのハンデでちょうどいい、と満足の顔。]
[そこは、踏み入れてはならない世界のように思えた。
自分が足を踏み入れれば、壊れてしまうような。]
――― 私は、薔薇の精だよ。
[だから、名を問われて咄嗟に小さな嘘をついた。
雪白の髪をした少年についているのと、同じ嘘。]
[過去へ漂っていた思考が引き戻されたのは、
眼前の戦いより聞こえてきた音のせい。]
……アデル。
[その響きを舌に転がして味わう。
なぜ今、あの日の情景が蘇ったのかと不思議だったが、
もしや、と心がざわめきだす。
これはそう。運命かもしれない。]
ヴァンスは素直だな。
[さわり、と意識の手を伸ばす。]
今すぐにも飛んで帰ってきてほしいと言えば、
そうするかもしれないよ?
[触れて、抱きしめる気配。]
「聖女」と「騎士」か。
教会はまた大層なものを準備してきたようだね。
ああ―――。呼んでくれるまでおとなしく待っているよ。
手に負えないなら、その時も呼んでおくれ。
おまえが私の元に泣きついてくるのもそそるけれど。
― 城内 ―
[同じ血の半身と共鳴し、その気配をたどって城主の気が茨を伝う。
ただひとえに「聖女」とやらを見てみたいという興味で、
まさに戦いが始まったばかりの、部屋の片隅に、
そっと自分の欠片を送り込んだ。
"視る"ためだけの力は細い茨を動かし、
小さな体と長い尾を持った動物の姿を編む。
暗がりの中、一匹のリスが3者の戦いを見つめていた。]
― バルコニー ―
「聖女」に「騎士」に「修道騎士」に、
もうひとつ「神子」、か。
あとはなにが出てくるんだろうね。
[バルコニーで行われている戦いに、未だ手を出す心算はない。
ゆらりと揺れ動く蔓は騎士の動きに追随するも、
指揮者の指が振られるのを待っていた。]
― 観戦中 ―
[茨のリスは、ひらと舞う黒蝶に首を傾げて、髭そよがせる。
風纏う騎士が城主の弟に切りかかるのは黙ってみていたけれど、
足元の茨を押しのけて芽吹いた蒲公英には驚いて、
小さく飛び上がり、より濃い暗がりへと逃げ込んだ。]
― バルコニー ―
謝ることはないよ。
おまえはよくやった。
[謝罪を紡ぐ我が子に言葉を掛け、立ちあがる。]
おまえが尽力してくれたおかげで、
私もずいぶんと楽になった。
―――ふふ。あとで一緒に稽古をしよう。
おまえと剣を交えるのも、きっと楽しい。
[神の使徒らを退けた後のことを当然のものとして口にする。]
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