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― 中庭→厨房 ―
[そのまま厨房に押し込められれば、兄と2人切りになる。
やけに静まりかえった厨房が寒く感じた。]
そりゃ…、もらったよ――?
だけどエリート部隊って書かれて、こんな――こんなの……――っ
[誰が想像出来るだろう。
士官学校を出ではなく、叩き上げでエリートに登りつめた兄がEsの一員になっているなんて。]
俺は……――、よく分からない……
仕事の帰りに…いきなり拉致られたから……
[自分が来た経緯を説明する。
理由は恐らく兄と兄弟だったからではないかと、今なら想像がついた。]
[当たり前だった。こんな場所に放り込まれて、王子にどんな目に遭わされているのか。
そんな事、とても手紙には書けない――。]
兄ちゃ……んッ
[>>0:399 兄の手で頸部の傷痕も暴かれる。確かめようと伸ばされた指先が触れれば、ピリリと走る痛みに微かに肩を振るわせた。]
うん…せめて手紙の1つくらい出せればいいんだけど…。
申請すれば出られるのか? だったらそれを上手く利用して――……。
あの変態王子をぶっ殺せれば、一番簡単なんだろけど…兄ちゃん?
[>>0:401 最後、何かを言いかけたまま黙り込む兄の表情に暗い影を感じて、不安げに見つめる。]
あの…さ――、何考えてたかわかんないけど。
俺は兄ちゃんがケガしたり、痛い思いするの嫌だからな?
2人で一緒に逃げよう。
――2人とも生きて、ここから必ず出よう、な?
[0:403 両手で兄の手を取り、包み込もうと手を伸ばす。]
絶対――……、約束だぞ?
[窓を叩く風の音がうるさい。
果たして兄の耳にちゃんと聞こえているだろうか。**]
― 厨房→中庭へ ―
[兄に連れられ厨房を出て、中庭へと向かう。
そこにはすでに知っている隊員も、初めて見る隊員もいた。]
お騒がせして…申し訳ありませんでした。
よろしく…、お願いします――……。
[兄に頭を撫でられながらも、頭を下げる。]
あ、え……と、――……
[>>0:528ジェフロイの言うとおり、テーブルの上に視線を移せば。
見るからに高級そうなティーセットと、大皿に飾られた綺麗な花々と、美味しそうなスコーンが割とけっこうな数が置かれていただろうか。]
はい……ありがとう…ございます――
[>>0:538
「デューくんって呼んでいいかな?」と言うソマリに頷き、ジェフロイと親切に紅茶を入れてくれたソマリと、
2人に頭を下げてからティーカップを受け取る。
中身のアールグレイが良心の象徴であることも、当然知るはずもなく。
>>0:534 リエヴルに手招きされれば、固く暗い表情も幾分和らぎ。素直に彼の傍へと歩み寄った。]
はい…、なんとか――。
リエヴルさんは、寒くありませんか?
[答えた所でふと見上げれば、一雨来そうな空模様に目を細める。]
なんか雨降りそうですね…。
よろしければ……、中に入りませんか?
[一度ラウンジの方を見てから、リエヴルの意思を確認してみる。]
あ…、はい…。
[ぼーっとギィの消えた森を見つめていたが、リエヴルに名前を呼ばれて我に返る。]
はい…、すいません…よろしくお願いします――。
[「手当ては私がしていいのかな?」 という問いかけに改めて頭を下げると、どうしてか胸の鼓動が早くなる気がした。
謎の鼓動を抱えたまま、リエヴルの車椅子を押し始める。]
(なんでこんなにドキドキしてんだろ…?)
[手押し部分から、微かな振動を感じながら。]
リエヴル先輩の部屋…ですね。
[言葉に出すとなぜか妙に緊張する。
だけど、リエヴルの部屋へと車椅子を押しながら、リエヴルが溜息をつく。後ろからで表情は見えないが、気遣わしげにその背中を見守る。]
ギィ先輩…、なんだか寂しそうでしたね…。
あ、いや…なんとなく…俺がそう思っただけですけど…――。
[部屋に着くまでの間に、他にもいくつか会話しただろうか。
静かな城の廊下を、段差にも気を配りながら進む。]
― 現在・リエヴルの自室 ―
上…ぬ…ぐ…、ぬぐ!?
[手当するのに当たり前の行為なのだ。と言うことくらい普段荒なら分かるのだが。
今のディークにはまったく別の意味に捉えられて、あわあわと慌てふためき、顔はゆでダコ並みに真っ赤になる。]
― リエヴルの自室 ―
ぬぐ…って、あ…ごめんなさい!
[リエヴルの言った意味をちゃんと理解したのは、それからすぐあとで。
恥ずかしい勘違いに、下を向きつつ制服の上着を脱いで行く。
ネクタイも外し、シャツ一枚の状態で両手首と前を開ける。布に擦れた所はいまだに赤く傷痕が見える。]
[首ならば自分で巻けるかも知れないが、さすがに両手となるとかなり厳しい。
もしリエヴルに包帯を巻いてもらえたならば、その手さばきに、やはり元医師なのだと改めて感じ。
大人しく身を任せていただろう。]
リエヴルさんと一緒にいると…なんだかとても……――ほっとします。
[静かな室内に零れたのは、そんな言葉。]
リエヴルさん、さっき『信じられる人がいるのだから近くにいなくてはダメだよ』って、言ったでしょ?
『大切な人というのは失ってからでは遅い』って……。
[消毒液に少し表情を歪ませたものの、リエヴルに包帯を巻いてもらいながら。
その手さばきに、やはり元医師なのだと改めて感じていた。大人しく身を任せる。]
リエヴルさんと一緒にいると…なんだかとても……――ほっとします。
[静かな室内に零れたのは、そんな言葉。]
腰の方は、クレスさんのおかげでだいぶ良くなりました。
『信じられる人がいるのだから近くにいなくてはダメだよ』って、言ったでしょ?
『大切な人というのは失ってからでは遅い』って……。
[上着を着直しながら言うそれは、ごく自然に零れる言葉。]
俺にとっては…兄さんもだけど、リエヴルさんも同じくらい『信じられる人』なんです。
だから…、傍にいるとすごく安心するし……それに――。
[『大切な人』だから傍にいたい。失くしたくない。
そんな事を言いそうになって、思わず口をつぐむ。
リエヴルが隊のみんなに好かれているのも、よく分かるし。リエヴルの優しさはみんなに対して平等に向けられている事も。]
["できるだけ傍にいたい"だなんて言って、困らせたくないし。
我が侭を言って嫌われたくない――]
あ、あの――ありがとうございましたっ
[言いかけた言葉を飲み込んで、最後に深く頭を下げて感謝をのべると。
そのまま部屋を後にした。**]
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