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[自室での囁きに驚いたように眸を瞬かせる。]
あなたを妬き尽す事など出来ない。
麗しきその御身を見られぬようになるのは哀しいし
甘美に響きその声を聴けなくなるのも淋しいから。
[野茨公を慕い敬う限り、彼を害す事はないだろう。
何処かで厭われる事を恐れていた。]
あなたの命、と思ってくれるのなら
この命も粗略には扱えない。
[糧を断ち潰えるを考えていた男は小さな吐息を零した。]
お慕いする我が主にそのように言われては
断ることなど出来ません。
この身を案じて下さるとは身に余る栄光。
――…、わかりました。
滋養をとるよう努力します。
[気遣いを受け入れるように、こくと頷く。
命令であれば、その場でグラスの血を飲み欲し
人としての未練も断ち切れただろうか。
心は声にせぬまま、ひとときの逢瀬に幕をひく。]
― 悠久のかなたへ ―
[数多を愛でる兄は、血のみで生きるにあらざる。
人の夜を訪れて新しい花を見つけ、時に移り香さえも漂わせて戻るギィに文句を言わず、ただいつもより冷淡に距離を置くのがヴィンセントの処世だった。
拒絶ではない、
妬心もまた、愛撫の最中に爪を立てられて身を強張らせる痛みのようなもの。
疼きに変わる快感は、狂おしく、熱い。
苦しみさえも、甘い。]
[それを知ればこそ、閨のギィがしなやかな鞭の打擲や革の枷による酷愛を求める気持ちも理解できる。
実際あれは、そそられる。]
でも―――さきほどの言葉が単なる戯れだとは思わないでおくれ。
今宵の君は、とても素敵だよ。
[笑いの余韻を残して、シンプルな言葉を口にする。
父君のことなどなくとも、彼女は可愛い妹のようなものだ。]
[談笑となれば、ソファーにゆったりと腰かけ、
折々に話に加わりながら、全体を見ていた。
アレクシスが我が子をからかう―――というよりは
もう少し棘を引き出されたらしきを面白そうに眺める。]
私のようにふるまいでもしたら、
ジークはすぐに燃え尽きてしまうよ。
この子は私と違って純情だから。
[我が子の視線を受ければ、アレクシスの言葉を引きながらそんな風に言う。]
私の"父"などは私よりよっぽど奔放な方だが、
あの方がいまだに翅燃え落ちていないところを見ると、
私などまだまだだよ。
[年若い"息子"にさっさと城と領地を任せて旅立ち、
帰ってきたかと思えば"弟"を置いてまたどこかへ。
そんな自らの"血の親"のことなど話の種に提供する。]
……ふん、
[幼い頃から怨嗟の的として危険の最中で生きてきたというのに、この城に居ついて、随分と平和ボケしていたらしい。
野茨公の反応がなければ気づくことすらできなかったことに、苛立ち交じりに鼻を鳴らした。
心乱れることを是としない男の微かな変化は、顔を向けている彼にしか届かない。]
―――ああ。
出ていったときは南の方に行くと仰っていたが、
30年も昔の話だからね。
[アレクシスへと答える言葉は、表面は取り繕っていたが、
視線はどこか宙へと向けられていた。]
[気配を乱したアレクシスに、一瞬視線を向ける。
ふ、と息を吐いたのは、自身の緊張を逃がすため。
常の調子を取り戻し、ちらと笑みを浮かべた。]
[いまだ何食わぬ顔で会話を続けながら、指先で野茨の蔦を玩ぶ。
招いた覚えのない気配がいくつか城に近づいていた。
ただの狩人ならば、今宵の晩餐にするのもよし、だが―――]
ヴァンス。
客が来る。
―――どうやら、我らに用があるようだ。
[音ならざる声で弟に囁く言葉には、隠しきれない歓喜が潜む。]
どうやら誰か来たようだ。
見に行ってくるけれども―――
……そうだな。興味があれば、一緒に。
[場にいるみなへと告げて、足を二階のバルコニーへと向けた。]
[向けられた笑みは、今や己が日常を紡ぐもの。
更に舌打ちしそうになる気持ちを抑え、ふてぶてしく笑い返す。]
どうぞ死ぬなら、私が気づけるようにしてくださいね。
[冗談に見せかけた本音を零し、暗い色の瞳が瞬く。]
馬鹿馬鹿しい最期を迎えたなどと知れたら恥ずかしいですから。
多少は手を貸すことにいたしましょう。
[吐かれた息の意味を察し、遠回しに援護を約束する。
恩を返さず死なれては堪らない。理由はただそれだけだ。
心の中で囁けば、乱れは凪いで、笑みだけが残った。]
あなたは、招いていない者まで"客"と?
いずれにせよ、お迎えせねば。
[こちらは歓喜ではなく、冷徹な色を帯びる。]
ジーク。お客様のことは頼むよ。
[我が子へ、言外に安全なところへいるようにと言って、
弟とは軽く視線を見かわすだけ。
もっとも、ついてくるものは誰であれ、追い返すつもりはない。
嬉々としてサロンから出ようとした足を止めて、
アプサラスの方を振り返った。]
すぐに戻ってくるつもりだ―――けれども、
城内騒がしくなったら、許しておくれ。
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