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― 回想 ―
[タックルをかまして来た彼女は、崩れた体勢のままで、満足げに笑っていた。
その様子に顔をしかめている所で、テオドールの登場である。
「挨拶も兼ねてぶつかってみた」と、揚々と語る彼女には、呆れたような表情で]
いや、、それってボクにとっては事故みたいなものだし…
・・・・・。
君の教官が何と言おうと、挨拶は普通で良いの!
突然ひとに技かけるの禁止…!
[間違った概念のまま横行させてはいけないという意識が働き、彼女の肩をがっと掴んで、言い聞かせておいた。]
― 回想・終 ―
[テオドールはこの回覧の内容を先に把握していたらしい。
彼が話す言葉に、うんうんと頷きつつ。]
新任が来るっていうのも滅多に無い事だしね。
っと、ああ――
[会話が続いたところで、知らない顔の彼女の素性に気がついた。
アイリが名乗ったのを聞いて、やっぱりかと思う。]
アイリ…アイリ、ね。覚えたっ。
これほど印象に残るファーストコンタクトは忘れようがないなぁ。
[先程の事件を思い出して苦笑い。]
[こちらも名乗ろうとしたら、アイリから聞いて来てくれた。それには首を縦にして肯定してみせる。
今更ながらにこちらの身体を心配して来た彼女には笑いながら]
あはは。
君こそ大丈夫?っていう言葉は必要無さそうだね。
まぁ、床に手をついた時に、手のひらがちょっと擦れた程度だし、問題ないない。
[騒々しくパティオを去ろうとするアイリの背に向かって]
おーい、そっち行き止まりだけどー?
[足早に行ってしまったので、声が届いたかどうか。
やれやれと思いながら、まだ近くにいたテオドールに話しかけてみる。]
ねえねえテオさん。
ここに来るまでにセルウィンの姿って見かけた?
これ渡しておかなきゃならないんだよねー
[と、回覧版を示しつつ。
知らないと言われたなら、第二閲覧室に戻ろうかと考え中**]
― 回想 ―
[アイリに向けた言葉は届いた様で、くるりと方向を変える様子にほっとする。]
・・・・・。
道案内してあげた方がいいかなぁ…
[なんだかこのままだと、館内放送で迷子の呼び出しをかけることになってしまいそうだ。なんて思ってしまい、ぽそりと呟く。
そんな彼女が近くを通り過ぎた際、照れたように小さな声でお礼を言うのを、聞き逃しはしなかった。
どういたしまして、の意味を込め、彼女に向かってはにかんだように笑ってみせた。]
― 回想・終 ―
― パティオ ―
[テオドールにセルウィンの事を尋ねたらば、代わりに持って行こうかと提案された。
それには頭をゆるく左右に振ってみる。]
いやいや、わざわざ人に頼むようなモノでもないから、いーよ。
閲覧室に行って、もし居ないようならその辺に置いとけば、セルなら見つけてくれるだろうし。
んじゃテオさん、まったねー。
[アデルは、年長者だからと敬語を使う事は無かったので、おそらくは自分よりも相当長くここに勤めているであろう彼に対しても、気軽な受け答えしかしない。
口調について周囲に注意された事はあったけど、変える気は無いらしい。
そんな態度が、テオドールにどう思われているのやら。
本と回覧板を持ち直すと、笑顔でテオドールに手を振ってから中庭を後にした。]
― 第二閲覧室 ―
[辿り着くと、休憩時間になってから時間が経っているというのに、まだ仕事してる様子のセルウィンをすぐに発見出来た。
彼の周囲には他の人もいたので、回覧板を持ってきた身としては好都合。]
セルってば、まーだ仕事してたの?
[大変そうだねぇと、周りの何人かも共に片付けている様子に苦笑しながら声を掛ける。]
回覧板持って来たんだ。オズから回って来たの。
ついでだから皆もコレ確認しといてー。
廃棄処分の事と、新任さんについてのお知らせがあったよ。
[セルウィンがそれをすぐに受け取れない状態ならば、手近な台の上に回覧板を置いておく**]
/*
そういや、なぜか「回覧版」って誤字ってたよね。てへ
回覧板ですよー。いたね、板。(と、PCに覚え込ませる作業)
[セルウィンは、仕事熱心な人を欲してるようだが、先ほどのアイリの様子から推察するに、彼の仕事が余分に増えそうな予感しかしない。
近い未来で、苦労しそうな彼を不憫に思い、複雑な気持ちになってしまう。
気の毒に…という視線を送っておいた。]
新任の子にはさっき会ったけど、あれは、ううん…
ニュータイプって言ったらいいかなぁ…
[とりあえず、セルウィンの肩をポンと叩き、声にはせずに、がんばれとエールを送った**]
/*
めもめも
司書 セルウィン
司書 オズワルド
司書 テオドール
司書 アプサラス
司書 ゾフィヤ
司書 アイリ
翻訳者 ドロシー
翻訳者 ソマリ
翻訳者 ウェルシュ
翻訳者 カーク
翻訳者 アデル
書記 エレオノーレ
書記 マリエッタ
書記 オクタヴィアス
[第二閲覧室には結構人が集まっていて、自分のデスク付近には翻訳官の皆がすでに揃っていた。
ソマリに声をかけられ、返事をしながら近くへと。]
んー、今はあんまりお腹空いてないんだ。
午前中、仕事しながらお菓子食べちゃってさ。
…って、ソマリまだ休憩取ってなかったの?
[アデルの隣席のソマリなら、しきりの向こうで、菓子袋をがさがさしていた事に気付いているかもしれない。]
ドロシーに伝言、ね。りょーかい。
ええと、棚の上2(3x1)段目、右から4(4x1)冊目…
[聞き間違えていたならもう一度ソマリから聞き直し、それを用紙にメモしておいた。]
― 回想 ―
[隣席の彼は、割と雑なタイプの自分とは正反対なのは把握している。
が、特に粗雑さについて目くじらを立てるわけではなく、こちらの性格を認めてくれているような対応が、とても心地よいものだった。
アデルはそんな彼の事を、結構信頼していたりする。
だから、掛けられた言葉に対しても、不快感を持つ事は無く。]
だいじょーぶ、だいじょーぶっ。
ソマリは心配性なんだからー
[注意された事については冗談半分な感じで、へらりと笑いながら答えたのだった。]
― 第二閲覧室 ―
あ、そだ。休憩終わる前にこの本戻しておかなきゃ。
[手にしたままだった本の存在を思い出し、第二閲覧室内の書棚に足を向ける。
奥の方へと歩いて行き、所定の場所に辿り着いた先でエレオノーレの姿を見かけたので、声をかけて呼び止める。
彼女はすでに目的の書籍を手にして、作業に戻る頃だったかもしれない。]
エレ、さっきは気付いてくれてありがとー!
[さっきとは、パティオに居る時、カフェテリアの中に居た彼女に手を振った時の事である。
それに気付いて振り返してくれた事が嬉しかったのだ。]
あの、もし良かったらだけど、
明日の休憩時間は一緒にご飯行かない?
他の用事があるなら、また今度でいいんだけどさ。
[書記官のエレには、翻訳をするうえで必要な書類を集めてもらったりなど、手伝ってもらう事が数多くあった。
しっかりと仕事をこなす彼女に、惹かれていったのはいつ頃だっただろう。
休憩時間に、互いの好きな本について話せる時間が幸せだった。
返事を聞いたなら、エレの背を見送った後、書棚の更に奥へと向かうつもり。次に借りる本を探すために**]
― 回想 ―
[エレオノーレをご飯に誘うと、快い返事が聞けたので、自然と顔が綻んだ。]
うん!じゃあカフェテリアで待ってるね!
早く明日にならないかな〜
[この浮かれた様子だと、また休憩時間の鐘が鳴る前に、席を離れる事は間違いないだろう。
その後、アイリの事について聞かれたので、軽く説明…のつもりが、軽い愚痴っぽくなってしまったかもしれない。
エレと話せる時間が楽しくて、ついつい話し過ぎてしまったようだ。それでも最後まで聞いてくれた事に感謝しながら、閲覧室を去ってゆく彼女に手を振って見送ったのだった。]
― 回想・終 ―
― 第二閲覧室 ―
[エレと別れてから、新たに読む本を探すため、皆から見えない位置にある奥の書棚に向かって行く。
閲覧室の奥に進むほど、古くにまとめられた本が陳列されているのだが、あまり頻繁に貸出されない書棚ではあっても、きちんと整理されているようで、司書官達の仕事に感服しつつ。
適当に背表紙のタイトルを眺めていたら、懐かしいものを発見した。]
わわっ、この本ってここにあったんだ…!
ボクが最初に手がけた歴史書じゃん。
古代語を翻訳するの、大変だったなぁ…。
[もう何年も前の当時の事を思い出しながら、その本を手にする。ぱらぱらと頁をめくっていき――
――その本の異変に気がついた。]
…え…?そんな、はずは…っ。
本の世界の歴史が、変わってる…!
[自身が訳した内容と、完全に異なっていたのだ。なぜ、どうしてそんな事が起こっているのか。]
[図書館内で働く者達は、他の世界を「観測」し、ありのままを記録しなければならないという、絶対の掟がある。
それに違反し、事実を捻じ曲げてしまう事は大罪だった。
司書らが本の世界に「干渉」しないよう、感情のコントロールの為に取りつけられているのが、左手の甲にある「制御端末」。
これのお陰で、私情を挟んで干渉しようなどという思考回路は、発生しないはずだったのだが――]
……この閲覧室で働く誰かに、バグが発生してる…?
[怖ろしい可能性に行きついてしまい、手が震える。]
[アイリがやって来たのは、そんな時だった。
名を呼ぶ声に反応して振り向く。
しゃんとしなければと自分に言い聞かせ、震える手先を、密かにぎゅっと握りしめる。]
アイリか…
起きたばかりの君に理解出来るかどうか分かんないけど、バグの仕業で、本が…
君も確認してもらっていい?
…って、やっぱ無理かっ。古い本の記述を知ってる訳ないしなぁ…。
[おそらく、この場所に来たのは初めてであろうこの子自身が、バグを発症しているとは思えなかった。
手伝ってもらおうにも、本の内容を知る筈が無い事に思い到り、仕方なく自分で確認する事にした。
近くにあった他の本を、手当たり次第に読み漁ってみたが、自身の知る本の内容とは違うものが、いくつもある事に気付いてしまった。
これはいけないと思い、制御装置に内蔵されている、緊急システムにリンクを試みた。]
[アナウンスが流れたのを聞き届けてから、周囲をせわしなくうろうろしているアイリに視線を向けて]
…よし、ボクらも戻ろっか。
大丈夫だよ。きっと…。
[「大丈夫」という言葉は自分自身にも言い聞かせたかったものかもしれない。
無理に作る笑顔が、こんなに苦しいものだと言うのを初めて知った。]
[戻ろうとした際、床に広げられた本達の中に、手紙のようなものが隠されているのを見つけて不審に思い、それを拾い上げる。
内容を読み進めていくと、バグの存在に気付いた誰かが書き残したものらしい事が分かった。
これはバグ発生者を探す手がかりになるはずだ。
大変なものを見つけてしまったと思いながら、それを手に皆の居る所へ駆けだそうとしたその時。
頭部への鈍い痛みを感じた。]
…っ!?
[それは物理的な打撃ではなく、制御端末の回路に混入された、ウィルスによる攻撃だった。
脳内の神経が破壊されてしまう事は、防ぎようが無く。アデルの身体は、糸の切れたマリオネットの様に、閲覧室の床に*沈んだ*]
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