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[これが引き金を引いてしまった。
手加減して負けられた上に、ばかなことだと……。図星がよけいに堪えた]
[こうして、ぼくらはまた夜に夢を見る。
アランはペンホールズ。
アードはホートン砦。
アードがホートン砦にいる間は、いつだって連絡ができる。
逆にアードがペンホールズにいる時は、連絡は月、水、木、日のみと決まっている。
これもお互いの生活を犯さない為のルールである]
……って感じ。
円卓会議はまだまだ続くけれど期待できない。
[ガリガリに痩せた出会った日の子供のままのソマリアランはばたばたばたばたとベッドの上で暴れていた]
「×××××××」←お聞かせできません
[だがそれ以上に兄が荒れていたので暴れるのをやめた]
「×××××××」←お聞かせできません
[土下座してごめんなさいと兄に謝る]
「×××××××」←お聞かせできません
[ほんと悪かったからと、お育ちのよいぼっちゃんかを抱きしめてよしよしなでなでして宥める]
「兎に角、私も"よい子"を続けて騎士団を中から代えていくから。
……幸い、円卓もそろそろ若者に譲るものも出そうだからね」
シェルティのところはちょっと早いね。
リンドブルム卿の席が返ってくればいいけれど。
「んー、リエヴルはペンホールズの円卓の席に興味はないからね。
彼には最前線と若手の錬度を上げてもらわないと困る。
十年後には大決戦かもしれないからねえ」
ああそうだねえ。んじゃ、ぼくもがんばるよ。
「うん。騎士団領の中がアテにならないという状況は覆したいけれど…
早まるなら、確実に外の手が必要になる」
それに……
ねえ、アード。ぶっちゃけて、ぼくに半島で勝てる相手って何人いるとおもう?
[回答の代わりにアランは殴られた。
つまらないことを聞くな、の合図である]
……ぼかぁ、防戦一方だったんだよね。
自分の身を守るのが精一杯。相手が分けたいっておもっていたから分けられたけれど、万全の状態で戦ったらどうなったかわからない。
突然襲われたのもあるけれど――あれは初めてだった。
[いつか必ず来る。
そういわれてあてのないいろいろをしてきたが――
アランの目には、一つの明確なゴールが見えていたかのように、アードは思えた。
あれは火のついた目だ。
基本、自分の強さなぞに無頓着だったアランが始めて、戦うことに本気になっている]
ぼくは今日は案内人です。
邪魔はしません。好きなだけやってください
[何ばかいっているんですか、という。
これは夢なのだろうか。夢なのだろう]
[そうして連れられていくと、そこは劇場の外だった]
「踊っていただけますか?」
[礼服の男が彼女を誘う。
見覚えはありすぎた。さっき同じ顔を見たところだ。
たくさん伝えたい言葉がありすぎたが、一気にこみ上げるといいたい言葉もいえなくて。ただ、首を縦に振った]
[手を取る彼に合わせて踊りだす。
邪魔をせぬよう、伴奏する吟遊詩人。
知っている、こういうベタなの大好きって知っていた]
― それからだな ―
[ぼくらは、自分達の部屋に帰って、旅の仕度をはじめた。
二人そろって半島を出て遠くに行くのは初めてだ。
夢の中ではそれはしょっちゅうあっていたが、生身で一緒に過ごした時間は、案外少ない]
「私はねー、旅行にいきたかったんだよー」
どうして?
「旅先でアランが困ったことあると、すぐに私に聞いてくるじゃないか。
××国の関所通るのどうすればいい? とか。
○○国で牢屋に入れられたけれどどうすれば出られる? とか
おかげで私も家内もその手のことには詳しくなってしまったけれど、私自身は××や○○に足を踏み入れたことがない、というのが気持ち悪くて」
なるほど。
アードもヴェルもやたらと他国の法律詳しいわけだ。
とっても納得したー。
[ぽかりと兄が弟を殴った]
「できれば大人数でわいわいいきたいなあ」
よし、じゃあ暇そうなのにいろいろ声をかけておこう。
で、どこにいくの?
わりとどこにでもいけるんじゃないかな、ここが出発点だと。
「それはアランが決めて」
え……。
「私はアランがいきたいところについていきたいんだよ」
本当にどこでもいいの?
「うん、男に二言はないからね」
…………ぼく、1回煉獄っていってみたかったんだー
「てっきり天使がいっぱいの楽園かと」
そりゃー、天国のおねえさまたちにも興味はあるさー。
でも、まずはちゃんと煉獄にいって、煉獄の唄が実際のところどうなのかを知りたいんだよね。
「あー、取材」
そういうこと。
というわけで、まずは第一の門からいこうー。
[拝啓。親愛なる皆さん。
気のあう仲間がいればあの世とやらもなかなか愉快なところのようですよ。了]
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