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[エルフの戦士が現れた。
そう耳にしたとき、魔王の怒りは他へ向いていた。]
おまえたち。
エルフどもは、どうしたのだったか?
[問いではない。糾弾でもない。
声が示すのは、冷ややかなる不興だ。]
『えっ、あの……せん せ、』
エルフの森の聖樹は、枯れさせたよ…っ
『だから残ったエルフたちだって、もう長くは…』
[いやちがう。知っている。魔王様が言いたいのはそんなことではない。
自分たちに課されたのは森のエルフたちを片付けること。
なのに――…おそらくしぶといエルフの残党が“邪魔をした”のだ。
双子の完全なる失態である。]
ご、ごめんなさい先生!
『ごめんなさい…っ…』
ちゃんと、ぜんぶ、壊しておけばよかった。
『足りなかった…足りなかったの…』
[ぷるぷると小刻みに震えながら、
聞き届けてもらえるとは思えない謝罪の言葉を繰り返す]
あ、先生っ。
『モーザック砦の前に門が置かれてるけど』
それはトラップだって。
『そうお話ししてるのを聞いたのよ』
[先程の尾を引きずったまま
おずおずと、手にした情報を口にする]
[双子との繋がりを完全に閉ざしていたわけではなかったから、呼びかける声は届いていた。
謝罪などに応える必要はなかったから放置しておいたが、おずおずと差し出された情報には耳を傾ける。]
なるほど。
[感心したような声一つ。]
なにをすれば我を喜ばせられるか、
おまえたちはちゃんと知っているな?
[具体的な指図は無い。
ただ、優し気な声を響かせる。]
我も、おまえたちをもっと褒めてやりたいのだ。
わかるだろう?
先生を失望させてごめんなさい!
『次は、次こそはちゃんとやります…!』
[王国軍の柱となる頭は、あの皇子サマだった。
けれどそれはシメオンが獲った。
ならば……次の頭を狙わなければ。
彼らの様子を見ていれば
次に信頼が集まっている先は赤子でもわかる]
[双子たちの声が聞こえてくる。
それは純粋でいとけなく、愛すべき無垢なる狂信。]
期待していよう。
おまえたちは、本当は良くできる子だからな。
きっと我を喜ばせてくれるだろう?
[約束だ、と囁いて、胸の印に指で触れるような圧を一瞬残した。]
[指先が触れるような感触。
胸の印が…悦びでじんわりと熱い]
『はい、もちろん』
先生の望みのままに。
[早く――… お傍にいきたい。
しばらく“お仕事”で会うことすら出来ていない。
その手で直接、労うように頭を撫でてもらってもいない。
もっと誉めてほしい。
もっと認めてほしい。
もっと…アナタの必要なものでありたい。
それが双子の切なる願い―――――]
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