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わたくしも お前にまた会えて 嬉しい──…
[愛しき子、と。囁くように呼び掛け、心寄り添わせた。]
天使の………、刻は長い。
”死”は、人の子の死と同じには非ず。
…… なれど。
戻らぬ者、自ら滅する者もまた … 多い。
去りゆく者を、
…… 幾人も見送った。
[いつか>>4:=11と同じ色で、静かに響く心。
それは幾許かの寂寥と諦めに似た色を滲ませて落ちる。
ほろりと、音なく雪の欠片の降るようにして。]
… もっとも簡易で、 もっとも親しい、
術の 在りようなのだよ。
[だから特別なことは要らない、と。
音にならぬ囁きに、
共に呼んで欲しいと、微笑みと共に願い伝えて。]
[心の裡にて語られるは、天使の理。
静かに心触れる寂しさは、いつかも感じた透明ないろ。
降り積もる時の中に埋めてきたものを、遠く思うような、
胸の中に抱いて、誰にも見せぬ小箱に入れてあるような、
─── そんな、沈黙の中に消えゆく鍵を、
求め伸ばされる指を、見た。]
名を ……
呼んでくださる方がいるのは、
幸せなこと、ですね。
[微笑み、心交わす。
願いが優しく響き合う。]
ああ、そうだな。
───── 幸せで …嬉しい、ことだ。
[名を呼ぶこと。想い伝えること。>>=22
ありふれていて簡単で、…───時に、とても難しいこと。]
…… … 行って、しまわれるのですか …?
[ずいぶんとためらった末に、ぽつ、と尋ねた。*]
……? マレンマ?
[ふと。愛しき子の様子がおかしいことに気付いて、目を向ける。
密やかに呼ぶ声に>>=24、僅か目を見開いた。]
お前は………、…来ないつもりか?
[当然来ると思っていたというほどの、穏やかな口調で。
問い>>=25に問い返して、僅か首を傾いだ。*]
あなたのお側にいることは、
他の何にも代えがたい喜びです。
私と、絆繋いでくださった御方──
───けれども、
あなたの傍にいると、
私はいつまでも、あなたに甘えてしまいます。
もっと大きくなって、
いつか、”もう子供ではない”と認められたい。
─── そんな願いを抱くのは、不遜なことでしょうか…。
[心の奥を明かす声も、不安のままに揺れた*]
───── 無論。
[大天使は、天使であるがゆえに、
いとし子の思いに気付いてなかった。=28
共に行けぬと思っていたとは予想の外で、
僅か驚いたような響きの後に、笑み含んだ心が返る。]
当然だろう、マレンマ。
マレンマ・リヴィエル。我が愛しき子よ。
そなたを置き去りになどせぬと、言ったであろう?
無論、お前を連れて行けるとも。
かつてこの手に抱いてきたように、
再び共に、天へ還ろう───…
…… マレンマ?
[常の如く慈しみ深く紡ぐ響きが──…、ふと、途切れた。]
───── いいや。
[今はまだ細く揺らぎながらも、紡ぎ出される心の色。
躊躇いがちに、それでも踏み出さんとする柔らかな心。
不遜だろうかと、不安に揺れる問い>>=33には短い応え一つ。]
マレンマ、マレンマ。 愛しい子。
[そして歌うように、あやすように名を呼べば、
響きはいつの日に似た。
あの日、愛しき子が項垂れて戻った日と同じに。
名を呼ぶに続いて間近に微笑み交わせば、
くすりと小さな笑い声が響いた。]
言ったであろう?
人の子は”成長する”ものなのだ、と。
…… ふ、ふ。
何が不遜であるものか。
…───そうだ、もう一つ教えてやろう。
人の子が成長をするものなら、
師は──…師父とはな。
[絆繋ぐ声にて語られるは、優しく温かい言葉。
包み込むような声に、いくつもの思いが溶けていく。
不安、怯え、怖れ。
そういったものが流れだしていく。
完全に消えるわけではないけれど、
受け入れられた分だけ、それは強さに変わっていく。]
[そして教えられた秘密に、背を押す言葉に、笑みが開く。]
これからもっと、たくさん、
あなたを喜ばせてみせます───…!
[行動原理の根底は、やはりそこにあるのだった。]
だから、どうか、心配なさらずに待っていてください。
師父も─── 壮健でいらっしゃいますよう…
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