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機雷水域を抜けて殴りかかれば、
[無論、その間砲撃を行う余裕はない。
他艦から砲撃を受けようとも殴りかかられようとも、避けて向かうだけだ。ただひたすらに追うより他に、彼に追いつく手段はないだろう]
───あの皇帝陛下も、ちょっとは驚くだろうさ。
[驚かせてやる必要がある、と。
先の言葉を引いて、ゲオルグは声に微かな笑みの響きを乗せた*]
どうせなら、その前に足を一瞬でも止められりゃ良かったんですが、さすがに難しかったですね。
提督...
[ 笑み含んだままで、男は言う ]
無茶は大目に見ます、皇帝陛下と殴り合おうが、投げ合おうが、自由にしてください。
それでこそ、あんただ。
[ 力と心の限りを尽くして、背負う全てを守ろうとする、男に、ただ自由であれ、と、そう告げて ]
ですが、骨は拾いませんよ?
必ず、「生きて」戻ってください。
[ かつて、男に「生きろ」と告げた、その人に、同じ言葉を返した* ]
なんだ、
…─── バレてたか。
[軽い笑い声。
それに返ったのは、悪戯を見抜かれたかの声だった。
続く肯定>>=7、それに僅か目を見開いて、参ったなあと小さく落ちた音は、さて聞こえてしまったか]
ああ、
[ただ。最後告げられた言葉には、笑みの種類も少し変わる。
懐かしむよう穏やかに、決意をその胸の内に確かめて]
無論だ。
…まだ、”宴会”もしてないからな?
[開戦の最初。交わした言葉>>1:132を引いて笑ってみせた*]
何年、あんたの傍にいると思ってるんです?
バレバレですよ。
[ 悪戯を見つけられたかの声には、同じように笑う気配を返す ]
[ 小さく落ちた声は拾ったが、ただ僅か目を伏せただけで ]
[ そして、穏やかに響く約束、に、頷いた ]
待ってます。
[ 宴会をか、戦の終わりをか、 それともゲオルグ自身をか...言葉の宛先は判然とせず、けれどきっと、それで良かった**]
...扶翼官殿が、そちらに向かってます。
止められませんでした。
[ 止める事が出来なかったのか、止めようという気持ちがなかったのか、どこか判然としないまま、事実を伝え ]
追いつかれる前に、追いついて下さい。
[ 無茶振った* ]
― 猫の話 ―
[ゲオルグの住まいには、いつ頃からか猫がいる。
最初は門の前に捨てられて鳴いていた子猫を、何の気なしに拾っただけだった。当時ゲオルグは既に一人で、屋敷には通常、屋敷番の老夫婦があるだけだったが、この子猫を殊のほか喜び可愛がったのは、実のところこの老夫婦であった。
猫といえば、意外にも拾い主を認識したやらどうなのやら、そこそこゲオルグにも懐いてみせたものだから、何となく、そのまま屋敷で猫が飼われることになってしまった。
実は、この数はたまに変動する。
主人が猫好きと勘違いした老夫婦が、引き取り手のない猫を連れてき始めたのだ。長い航海ののちに邸に戻り、増えた猫を目の当たりにしたゲオルグは少し沈黙をしてからこう言った。
「……、猫屋敷には、するなよ。」
それからというものの、猫の数は大体2〜3匹に収まっている。]
[タクマの顔を引っかいたのは、そのうちの一匹。
古株の、ゲオルグが門の前で拾った最初の猫だった。
古株らしく、この家のことを良く知っている。良く訪ねてくる知人の顔も同様で、どうやら、この日はとんでもない騒音を撒き散らす特技のある家の主人の悪友が来ていたようだった。
分かっていれば避けたものを、昼寝で気付かなかったとは大失態だ。即座に木の上に駆け上がり、威嚇してやったものだが───…]
お前、
[無茶振りにはごく短い絶句が返った。
振り切られたのか突破されたのか、そうであれば、ただ無事であるとも思い難いが]
………年寄りをなんだと思って、
[しかし、呻くように返されたのは別の音。
微かに口元に笑みに似たもの刷くだけの間を置いて]
年寄り程、働かされるのが軍隊てとこです。知らなかったんですか?
[ 声に、痛みの色は乗らない。意識はまだ明瞭だ、ささえ、られる ]
タクマ。…お前さんの歌でも聞きたい気分だ。
[音が伝わった、わけではあるまい。
けれど何が伝わったか。……この心か。
衝撃から立ち直り、片腕たるの呼ぶ声に、僅か笑みに似た気配が乗った]
そうだなあ、
[ごく楽しげな響きは、明確に笑みの響きを乗せ]
皇帝陛下か。
構わんが…、…酔って聞かせるのはさすがに勘弁してくれ。
[怒られちゃかなわん。と、どこか暢気に本気の軽口を叩いた。]
楽しそうで何よりですが...
ちったあ年を考えて下さいよ?
[ ゲオルグが戦斧を手にしている事は先刻承知だ、きっと今、彼は提督ではなく、ただの男として、あの太陽と対峙している ]
あの皇帝陛下には、丁度いい刺激じゃないですかね?
[ ちなみに酔って聞かせる気は満々だ ]
年寄りが珍しく働く気になってるってのになあ。
[ぶつぶつと零す調子は、しかし本気のものではない。
張り詰めるほどの緊張の中、宙に張り渡した糸渡るように慎重に空気をかき混ぜていく。
余裕を失ったら終わってしまう。今はそういう時であった。]
ふむ。まあ…、誘ってみるか。
慣れればお前さんの歌も、悪くないしな。
[最後、これはあまり意識した言葉ではない。
それは意識のうちに、”酔ってない”彼の歌が響いているが為でもあったであろうが、やはり、ゲオルグはタクマの歌を”あまり嫌いでは”ないのであった>>1:=10
まあ、それと酔っ払った彼を殴り倒す倒さないはまた別ではあるけど]
[ 離れた場所で、男も今や綱渡りの真っ最中だ。だが、それは、まだ声には乗せず ]
珍しく?むしろ働き過ぎですよ、あんたは。
自重って言葉知ってますか?
[ まるで、詰るような言葉はけれど、明るい響きで届けられる ]
皇帝陛下は意外と乗ってくれそうですしね。
でも扶翼官殿はきっと...
[ 青くなって止めるような気がする、と、男は笑い ]
[ 慣れれば悪く無いという言葉を聞くと ]
何か悪いもんでも食いましたか?
[ 思い切り、素で聞き返した// ]
やだねえ。俺は、そもそも怠け者なんだ。
出来りゃ昼寝でもして過ごしていたい。
[しみじみとした音が落ちる。
誰だ、軍隊では年寄りの方が働かされるなんて言った奴は。
だらけたいと口にする、その真逆に事態は進みつつあるわけなのだが]
扶翼官殿が?
なんだ、お前さん、あの坊ちゃんに歌を聞かせたことなんてあったのか。
[初耳だと、少し驚いた声が返った。]
………、…。タクマ、
[続く素の問いかけには、珍しく少し間が空いて。]
嫌なら、お前さん相手に酒を呑んでるわけがないだろ。
[少し呆れたような声が返った*]
昼寝なら、これが終わったらいくらでも。
俺もいいかげんに、休暇が欲しい。
[ 男は請け負った。それが成るように、シロウやヴィクトリアを昇進させようという目論見は、極めて真剣に検討されている ]
...西側の戦闘は、一時止めてくれてます。
[ ふ、と息を抜くようにして伝える。止めたではなく、止めてくれた、と。
少なくとも、今、これ以上の命が、この場所でこぼれ落ちる事は無い、と ]
急がないでください、提督。
[ 嫌ならば、共に呑むはずがない、と伝わった言葉と、想いに、笑みが深くなる ]
...待ってます。
[ もう一度、そう告げた** ]
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