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[ ベリアンから届いた声に耳をそばだてる。
いつもと変わらぬ能吏ぶりを示す端的な事務報告。
けれど、その声はいささか弱いものだった。]
よくやってくれた。
君の活躍で、王国側の士気はあがるだろう。
[ 労いながらも、気持ちが落ち着かない。
ベリアンが負傷していることは確実だと感じられた。どれほどの傷か。]
騎馬兵派遣の手配、感謝する。
自分は拠点へ向かう。
君も、いったん戻れ。
そこで正式に指揮権を返納してもらうぞ。
[ 合流を命じておく。
そうでもしないと、ベリアンは治療を受けるためだけに拠点に戻ったりはしないだろう。
何よりも、その顔を見せてほしい。*]
そうだな。
少なくとも、ザール将軍に泣かせる程の将を討てたんだ。
流石のゼファーも、プラメージ王国に武力で押し進めるが易いとはもう思えまい。
[>>=0友に返す声は、バルタが此方に合流したと告げるもの。
焦りの色を乗せないことで、今は戦う意志も無いと伝わろう]
あぁ。
あちらも一度退くつもりだろうし、じきに夜も明ける。
この決着をつけるには、月明かりよりも、日の下こそ相応しい。
[>>=1拠点に戻るのにも異論は無いこと、何より次の一戦が一番の勝負になるだろうという予想を声にした*]
[ バルタがベリアンの前にいるという報告に呻いた。
間違いなく不眠不休で駆けたのであろう。
同じようにしていれば、自分も今、ベリアンと会えていたのだと思うと悔しくもあるし、
戦にかける意気込みの差を見せられたようで、自戒もする。
今にして思えば、ここまで行軍の無駄も随所にあって、自分は名将には程遠いようだ。]
少なくとも、将軍が恋のライバルでなくて良かったと思っておこう。
[ 「ゼファーも、プラメージ王国に武力で押し進めるが易いとはもう思えまい」とベリアンの見解を聞いて、陸戦方面の頑張りに感謝する。]
そうか、君が討ったのは、将軍の強縁者か。
名は? 聞いているか。
[ ベリアンが敵としてつけ狙われないといいが、とは危惧していた。]
速やかに野営地に戻ってくれ。
自分もできるだけ急いで戻る。
手当てをして欲しかったら、言えよ?
[ 神殿で暮らしていた頃、ギデオンはしばしば怪我した動物を持ち帰った。
手当てをし、養生させてやるのだが、飼うつもりはないから、動物は勝手に出ていき、続き部屋のベリアンのところへ潜り込むこともあった。
そんな過去を少しだけ思い出す。*]
[>>=3こちらが返す声はあくまで軽い。
伝わる呻きを思えばギィの胸の内には悔しさもあるのだろうが、バルタにはバルタの、彼には彼の考えがあるのだ。
それを比べるものではきっと無い]
フェリクスと名乗っていた。
ケファラス隊の長と言っていたが…
もしかしたら兵の指南なども務めていたかもしれんな。
[バルタを見るに、隊の長というだけにしては随分と慕っている様子だった。
この予想が正しければ、己が受けた彼の技を使うものはどれ程居るか。
恐ろしいことだなと内心のみで呟いて]
あまり焦る必要は無いと思うぞ。
少なくとも、ザール将軍は俺を背から討つ気はあるまい。
[案じられているとは分かるものの、こちらが返す声はやはり軽く]
そうだな。
包帯の交換くらいは頼もうか。
[ミヒャエルの傷を受けた時は縫い付けて塞いだが、流石に貫通した腕は上からきつく縛り付けておく位しか出来はしまい。
腕に布を縛り付け止血を施しながら、今はここまでとは悟らせまいとするように簡素に応じた*]
フェリクス…、
[ ベリアンが教えてくれた名を繰り返してみるが、心当たりはなかった。]
少なくとも、新元首の宴席にはいなかったと思う。
指南役らしいというからには、年長者か。
ああ、将軍が得意とする初手は、「跳躍しながらの胴払い」だ。
恐ろしく速いうえにリーチが長い。
覚えておいて損はないだろう。
[ 言ってから、は、と気づく。
バルタをどうやって足止めしたかは、ベリアンにはまだ知らせていないんだった。]
…包帯だな、よし。
迎えを早く遣すといい。
[ とりあえず、話をそらしておこう。*]
宴席に上がる程の地位では無かったかもしれんな。
俺達よりも一世代は上そうだったぞ。
[>>=8知らぬ名と聞けば、思う所を口にして。
バルタの戦法、初手を聞けばふむ、と頷いた後]
手合わせでもしたか。
[>>=9何かはしでかしたことだろうと思っていたが、初手を知るような事をしたとギィの言葉で察し。
続けた言葉は、責める意を込めた訳ではないが、ギィがどう受け取るかまでは関与しない]
お前からも歩いてこい。
迎えが来ねば動けぬような玉では無いだろう。
[そんな言葉を返しながら、そろそろゼファーの兵から離れて迎えを送らねばという算段を頭の中で立てていた*]
神事だ。
[ どのみち目撃者は多勢いるのだから、いずれバレる話であった。開き直ろう。]
こちらはどこも怪我はしていないぞ。
そういえば、将軍は右膝下を斬られているが、かすり傷みたいなものだな。
ああ、実はもう1秒ごとに君に近づいている。
歩くのは嫌いじゃない。
神殿にいた頃を思い出すよ。
[ ベリアンとともに巡礼の護衛をしたり、薬草を取りに山を登ったりした。]
ついでに血止めの薬草を摘んでゆく。
新鮮な方がいいんだ。
そうか。
[>>=12明かされた事に返すのは短い答え。
怪我についてはこちらも人の事は言えないので、それ以上突くのは避けておく。
>>=13続いて、ギィも合流に向けて動いていると聞けば、こちらもそろそろ動くべきだなと察し]
悪いが多めに採ってきてくれないか。
少し、血を流し過ぎていてな。
[薬草については、そんな事も頼んでおいた*]
騎馬隊と合流できた。
薬草も調達したぞ。
君が野営地につくのとどっちが早いだろうな。
ところで、会ってみて将軍をどう思った?
いい面構えの男だろう。
元首も、あれに劣らずだ。
印象はだいぶ違うがな。
[それはどれ程進んだ頃合いか。
ギィの下に送った騎馬兵が合流したとの声に、そうか、と声を返して]
見目以上に真面目な男だな。
それと、俺達が思っている以上にゼファーは不自由だ。
個人が国を語る自由すら無いらしい。
元首であっても、縛られているかもしれないな。
[バルタと交わした言葉で、おもった事を告げた後]
野営地か。 わかった。
[臨時拠点へと向かうつもりだったが、まだ方向転換は利く。
隊に指示を出して、マチス隊が護衛している本拠へと向かった*]
[ ベリアンのバルタ評にうなずく。]
兵が強力なだけに、勝手に国政に口を出させていたらすぐに内戦に発展するからな。
風刺文化もないようだし、自分には生きづらいところだ。
元首は──ああ、
彼もまた縛られているのは事実だろうが、縛られたままでいる男ではなさそうだ。
最終的には、彼をうなずかせるしかないのだけれど、
君の活躍もあって、少しは、王国兵にも骨があると感じてくれているだろうか。
それとも、まだ制圧一択だろうか。
[ しばし、思案の気配。*]
ティノス。
[出立の時。
ふと、神殿に居た頃の名で友に呼びかける]
俺は、今でも俺の主は俺だけだ。
そして、それは俺だけではなく、皆もそうだと思っている。
だがなティノス。
皆が皆、己の心のみに従って生きればそれはただの身勝手だ。
だからこそ、指針となる者は要る。
王というものはそういう存在であって欲しいし、あるべきだと俺は思う。
[訥々と語るのは、己の思い。
初めて会ったあの時から、己が抱いている信念]
俺の主は、俺だけだ。
だがな、ティノス。
俺の翼と認めたあの時から、俺の王はお前だ。
だからこそ、俺はお前を信じている。
俺の心の淀みを吹き飛ばしたように、その翼でゼファーに新たな風を吹かせてくれる事を。
そしてこの戦いを、希望の第一歩と為してくれ。
その為の戦いに我が身を捧げることを、俺は誓おう。
[心の中ずっと秘めていた思いと、今もっとも強く求む願いを友へと明かし告げた*]
ありがとう、ベリアン──メラン。
[ 秘めたる思いを打ち明けてくれた彼に、そっと言葉を返す。]
自分は、君と出会ってから、ようやく「人間」として目覚めた。
君を頼りに、世界を知った。
君が育てたと言っても過言ではないよ。
君は、あの日、己のことを手足だと言った。
自分は、君と手を伸ばし、君と共に歩み、世界に希望を届ける。
──人生が豊穣であるように。
礼を言われると、なんだか面映ゆいな。
[>>=20友から返された声に、柔く微笑う。
続けて伝えられた友の思いに、笑みは湛えたまま頷いて]
あぁ。
往こう。
[持たぬ者である己と、持つ者である友。
何から何まで表裏であり、けれど同一でもあるからこそ]
[ 微笑む気配が伝わる。
怒りと涙で始まった出会いは、豊かなみのりをもたらした。]
───ゆえに我あり。
[ 誓いのように、共鳴のように言葉を重ねる。*]
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