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― 応接室 ―
[こちらが資料に目を通し、その後見解を述べるまで、兄はじっと待つ様子をみせた。>>2:=16
それはどこか、父と対していた時と来た空気を思わせて、そのような時ではないにも関わらず懐かしさをふと覚える。
けれども一度、"彼"の名を出した時にその空気は変わった。>>2:=17]
いえ。兄上、それは、 ───…
[鋭くかかる言葉、それにパッと顔を上げ反射的に反論を口にしようとする。けど、その音が途中で止まった。
ウェルシュの顔が僅か、難し気に曇る。
これまでは。第二王子という立場であり、いかにウェルシュが施策を練ろうとも、その上には父王がいた。だからこそ、シュナウザーがウェルシュと親しく相談役のようなことをしていても、その彼の役職が監査局長であっても許されていたのだろう。
けれどもし、この先もそれが続くなら。
それは、兄の危惧も当たるだろうと───少なくとも、シュナウザー自身にその意思がなかったとしても、周囲はそうは見まいとも理解する。してしまうのだ。
だから言葉は途切れた。ふ…、と、息が落ちる。]
───…、はい。
これからは、そのまま…とはいかぬでしょうね。
……。分かりました、兄上。
ご忠告、留意致します。
[忠言を入れた証に、一度、頭を下げた。]
ええ。私もそう考えます。
内にも外にも……、…です、か?
そうか…、そうですね。
[それから。兄の言葉>>2:=19を聞いていた瞳がやや大きく見開かれた。付け加えられた一言に。]
──── 申し訳ありません、兄上。
確かに、今の状況を思えば内にも外にも思惑は絡み合っているのでしょう。各々が、ただ各々の為に動いているのかも知れない。
けれど兄上のお言葉を聞き、私は今、外にばかり気を取られていたことに気が付きました。
…信じていたいというばかりでは、現実は動かないと学んだはずですのに。
[ふわりと苦笑見せれば、兄はどう返すか。やはり頼りないと思われてしまうのかも知れないが、実際、ここはウェルシュ自身の若さであった。
そうして心の裡に思う。やはり素晴らしい人なのだ、と。]
分かりました。後に資料をお渡しします。
視察ですか……、兄上。どうぞお気をつけて。
[そう声を掛ければ、どう響くか。
どちらにせよ、ウェルシュ自身はこればかりは以前と変わらぬ心を込めたつもりで。]
…──── 、え ?
[兄の去り際、ぽつと落とされた言葉。>>=2:20
問いを返す間もなく、兄の姿は扉の向こうへ消えていく。
一人きりに戻った部屋で、ウェルシュは一度静かに瞳を*伏せた*]
― 回想:弟と応接間で語って ―
[静かに弟の話に耳を傾け、彼の意見を待つ。
咎めの意を示せば、途中で言葉を詰まらせている様子が確りと見受けられる>>=1。
その反応を見抜く様に翠の瞳は弟の姿を捉えて離さない。
真摯な態度を示している様子には何処かしら冷たさを孕む眼差しを向けるが、その真意を語ろうとはしない>>=2>>=3>>=4。
静かに目を閉じ、一言だけ漏らした後部屋を立ち去れば弟は何を思うのか。
――――此方はそれを知る術は持ちようが無かった*]
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