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───分かった。
急げよ。このままだと皇帝陛下との殴りあいになりかねん。
[敵艦隊に向かう合う現状を、軽口に似た口ぶりでこう伝えて]
南方に動く艦影がある。
恐らく帝国の別機動艦隊だろう。
巡洋艦隊は良くやっている、が。
……働かせすぎて、あとで怒鳴られそうだなあ。
[激戦を苦笑じみた響きで表現した。]
おや、俺はその皇帝陛下を殴りに行こうかと思ってるんですが。
[ 返る声、そこに乗せられた言葉からも情報拾いつつ、男は低く笑う ]
先に殴り倒さないでくださいよ。
[ 殴り倒される方は、考慮していない調子で言った ]
別働隊...扶翼官殿でしょうかね。
[ 根拠は無いが、そんな気がした。恐らくは、援護が来る事を見越し、それを阻むための布陣 ]
壁があるなら、貫きます。
[ そして届かせる、あの花にそう告げたように ]
提督...ファミル殿は最期まで、孤高の花のようでしたよ。
[ 今告げるべき事なのか、と、人は言うか...けれど、負うべき命の果てであるからこそ、男は告げる。
全てを共に負う、最期まで、その覚悟と共に ]
なんだ。…それじゃ、競争だな。
どちらの腕が長いか競ってみるか?
[ついそこに相手がいるといった調子で交わされる冗談は、深刻な色を乗せぬまま返されて]
だろうな。
他に将があればその限りでは──…、いや。
他にはないだろう。
[低く笑み含め、思い返すのは先日の邂逅だ>>1:161
秀麗な面に過ぎった怒気、その裂たる気の鋭さを思う。
彼が余人にその場を任せるとは、思い難い。]
…───、
[ふ、と。息を吸うだけの間、音が途切れた。
最後まで、と。告げられたものの名に、呼吸を少しの間飲み込む。
やがて音なく吐き出された息、その合間に]
…、 そうか。ご苦労だった。
[恐らくはその手で、花を沈めたのだろう男を労う。]
戻らなかったか……。…、らしいな。
[そうして沈黙の後に落ちるのは僅かなる笑み。
戻らなければと、命じたあの時半分以上この覚悟は決めていた。]
ええ、彼女らしい...
[ ふ、と小さく笑う気配 ]
巡洋艦三隻の横合いを、全速で擦り抜けようとしたんです、あれは...俺でもちょっと真似出来ませんね。
巡洋艦三隻の横合いを、か。
[船の性能を頼みに勝算をありと踏んだか。
どちらにせよ、その思い切りの良さ、それを支え続けた思いの強さまでが遠く、透けて見えるようで]
…。今頃は、恋人と再会してるかも知れんな。
[過去の欠片を悼むように、ひとつ、置いた*]
恋人?
[ ゲオルグの落とした呟きに、男は遂に知ることのなかった、ファミルとゲオルグの間にあった心の刺の一端を感じ取る ]
......そうだと、いいですね。
[ 彼女を殺した自分が願うことではないのかもしれない。けれど、ゲオルグにだけは、それを告げてもいい気がして、静かにそう返した** ]
やはり、扶翼官殿は一筋縄ではいきませんね、腕比べにはまだ少し時間がかかりそうですが、新造巡洋艦ヴァイスメーヴェとヴァイが、先に、そちらに向かってます。
ヴァイスメーベは、トーリア...スキュレステノ中尉に操舵を任せてますが...
[ そこで、ふ、と言葉が切れた ]
ウェルシュ殿も乗艦してます。
[ ある意味、これも砲撃に近い ]
ウェルシュを、……、どこに乗せたって?
こちらに向かっている新造巡洋艦ヴァイスメーヴェとヴァイ?
それに乗っているのか?何のためだ?
[静かな声。それが一度途切れて、]
[ 予想通りの雷が落ちた。ああ随分久しぶりな気がするなあ、などと、懐かしむ暇もなく ]
お叱りは、後でたっぷり受けます。
[ 溜め息混じりに、そう言って、僅かに声を和らげ ]
ウェルシュ殿も、もう子供ではありませんよ。ここが戦場だということは、ちゃんと理解されてます。
押し切られた俺が悪いのは確かですが...俺を押し切るだけの強さを持ってる。
[ だから、出来れば彼の事は叱らないでやってくれ、と、そう告げた ]
…〜〜 、分かった。話はあとで聞こう。
[こちらも息を落とす調子で低く返した。
分かっているのだ、タクマが何の考えもなしに彼を戦場に送り込んだはずのないことくらいは。それでもまさか、よりによって最前線とは流石に予想を超えすぎている。]
……………、善処する。
[和らげられた声、それに返ったのは押し出すような厳しい声だった。対処は話を聞いてからだと、声が端的に告げている。とはいえいきなり怒鳴りつける羽目にはならずに済みそうだった。その後の保障はないが。]
ところで、タクマ。
[予想が出来ない相手は目の前にもいる。
ちかちかとカンテラの明かりの瞬く光を目に映しながら、息をついた。まったく、ここはいつからピクニック会場になったのだ。]
皇帝から、──…会見の申し入れが来た。
[そのままを、どこか呆れたような響きで告げた*]
会見って...
[ ここ以外ないだろう、と、内心思いつつ、問い返さずに居られないのは、仕方が無い。肯定が返れば、戸惑ったように息を吐く ]
今、扶翼官殿と交戦中なんですが...
[ どうしましょう? と、滅多に迷わぬこの男が、心底迷った様子で、そう尋ねた ]
ここで、だな。
もっとも、皇帝陛下がヴァンダーファルケでは嫌だと仰せになれば成らん話だが。
[恐らくは成るだろう。
でなくば、あのような手を打ってはこないだろうと思えた。]
───、タクマ。停戦は成っていない。
扶翼官がお前に応じているならば、停戦は帝国の総意ではない。
だが──…、
[僅か、考える間が落ちる。]
撃ちあって離脱出来るなら試みろ。
難しいようならば手を休めるな。
[迷いは戦場では人を殺す。
もう幾度も繰り返し口にしていること、彼自身とて良く知っているはずのことだ。けれど今再びそれを思い]
…───まだ、戦いは終わってはいない。
[これより皇帝との会見に臨む自身も、と。
響きにこめて口を結んだ*]
了解、まあ、あの扶翼官殿が逃がしてくれるかどうかは疑問ですがね。
[ 多分無理だろう、と、男は笑って ]
ただ皇帝陛下に今直接向かうのは無理なようですし、策は建て直します。
提督も無茶せんでくださいよ?
[ 迷いは振り払える。そう証明するように軽い調子で声が届いた* ]
無茶はせんが、
[軽く返る調子に、音にならぬ程の息が零れる。
安堵にも似た思いに、先に同じ言葉を、これは音として伝えた彼の養い子の面影も、瞬時脳裏を過ぎるが]
……ありゃあ、下は苦労すんだろうなあ。
[しみじみと皇帝評を*落とした*]
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