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ーーっ。
[汚されていたあの時。その姿を見ていた、見られていたのかと知らされればカッと頬に赤みがさす。
しかし続けられる言葉。
お前だけだ、と求められる言葉に止まっていた涙が溢れてくるのがわかる。
しかし、それならば]
……私との契約は、生涯のものになるでしょう。
貴方の命が尽きるまで護ると、そう誓います。
だから。
……貴方の最も近しい場所にいるのは私であると。そう、誓って……ください?
[硬く目を閉ざす相手に顔を近づける。
叶うならばそのまま、そっと唇を重ねようとーー]
[人間と魔族は、契約しないと共に居られないのだろうか、それを、少女は知らない。
契約せずとも、最も近しい場所に居られるならばそれで良いではないか。
いつか
別れの時は来る。
その時に老いた相手と共に逝っても悔いは無い。
ただ、共にいてくれるなら。最も近しい場所にいさせてくれるなら。
それ以上を望まない、と。
ーーきっと、誓えるだろう]
…?!……ああ、誓おう。
この命つきるまで、お前と共にあると。
そして、生涯愛するのはシュテラ…お前だけだ
[目を閉じていたところに相手の息遣いを感じ。そのまま、柔らかなものが唇に押し当てられると、思わず目を開いていた!
柔らかなそれが相手の唇であることに気づけば再び目を閉じ、そして唇がやがて離れたなら一抹の名残惜しさと共に誓っていた。
契約。それは、今の男にとって婚姻と同義だった。
相手が契約にこだわらないといったなら、自分とは契約したくないのかと少々拗ねた口調で告げることだろう。
それでも、一番重要なのは側にいることだったから強要はしないだろうが。]
……………………えっ。
[少し長めの口付けの後に交わされた誓いの言葉。
その、まさか願っても手に入れる事が出来ないと諦めていた言葉に、自分の言葉を失っていた。
数秒の後、ボッと燃えるように頬が熱くなり]
えええええっと、シェットラントさま?
…そのっ、嬉しい、です、その、………。
[しかし今までの相手との違いっぷりに、思わず熱を疑い相手の額に手を置いた。その時]
[さあ、と空気が風が変わった。
いつの間にか、ここは禍々しい湯が溜まる場所ではなく、最初に訪れた渓谷の姿になっている。目を見開きあたりを見渡しては]
ーーシェットラント様!
[助かった、それは何故かは分からない。
だが、そのまま相手に抱きついていた事だろう]
[口付けは、ゆったりと行われた。唇を合わせるだけの行為が、こんなにも自分を癒し、また鼓動を速めるものだとは知らなかった。
口付けが解かれ告げた言葉に、少女は湯気が立ち上りそうなほどに赤くなる。
その様子を微笑ましげに見つめていたのだが。]
……………どうして額に手を当てる。
熱にうなされて出たざれ言だとでも思ってるのか?
[前言撤回してやろうか、等といいながら相手の両頬を両手て引き伸ばした。せっかくの甘い気分を台無しにされた少々怒っているようだ。]
ん…?これは……助かった、のか……
……うわっ!?
[辺りの空気が一変し、空を見上げる。どこか重苦しい感じがした空も、村を出たとき同様の綺麗なものに戻っていた。
どこか呆然と呟いて、少女こら意識が完全に離れていたとき。
急に抱きつかれ、未だ回復しきっていない男は、少女と共に後ろに倒れた、かもしれない。倒れたといっても座り込んでいるため、上体が倒れるだけだけれど。]
う、うううー!
……だ、だって、そんな事を望んじゃいけないって、思ってまひたから……。
[頬を伸ばされれば抗議の意味を込めて見つめた。だが、ヒリヒリと痛む頬。夢ではないらしい、と気付かされ]
……できるだけ長生きしてくださいね。私が護りますから。
[倒れこんだ相手の上でしがみ付いたまま笑う。しかし、体を起こし相手の上に馬乗りの姿勢になり、絶句する姿がある。
半ば自分のせいなのだが、白骨温泉の湯が服に散ったせいで互いの衣服はボロボロだ。かろうじてボロ布を纏っているだけの状態に過ぎない。
相手からばっと離れ、両腕で自分を庇うように抱きしめて]
う、ううっ、このまま村に帰……っ!
[そんな時だ。遠くから救援隊の駆けてくる気配が届いたのは。
相手にも、誰かしらの声が届いたかもしれない。
びくりと身を竦ませ、相手の手を取り起こそうとしつつ]
シェットラント様、ど、どうしましょう…、救援隊、です、けど!
[助けてほしいような見られたくないような。相変わらず彼以外の男性がダメなもので、少々パニックに陥りかけていた]
だからって、熱を疑うことはないだろう。
これでも精一杯甘い言葉を考えたのに。
[怒るというよりはすねるようなその口調は、思いが通じたからこそだろうか。早々に相手の頬から手を離し、片手を地についていたのだが。
やはり、それだけでは二人分の体重は支えきれなかった。倒れ混みながらも笑う相手に毒気を抜かれ、男もまた微笑み返す。]
ああ、当然だ。天寿以外で死ぬ気はない。
途中で僕に飽きたと言っても離さないからな。
[と、和やかに話せたのはほんの僅かな時間だった。互いの服がボロボロであることを今さらのように思いだし頬を赤く染める。
体を離す相手から視線を外し、漂わせ。]
ど、うするか…このままではさすがに…シュテラ…!
[助け起こされ、立ち上がったと同時。思わず相手の名前を読んで抱きしめた。少しでもその肌が隠れるように、と。そう、男もまた救助が来たことに気づき、その声を耳にしていた。
端からみたら、半裸の女性を抱き締めている半裸の男。
こんな非常時に何をしていると二人共に怒られるか、どさくさに紛れて女性を襲うとはと男のみが怒られるのか。
そんな可能性があることは、男の頭にはまったくなかった。]
だって、普段は…優しかったですけど、一言だってそんな事を。
でも嬉しかったですよ?
[拗ねるような口調の相手に精一杯それを告げる。
パニックになりそうだったものの、抱き寄せられれば少しは落ち着き、そのまま救援隊を迎える事となる。
何事か何があった何をしているのか。
身を寄せ合う二人に掛け布を渡しては叱らないまでも矢継ぎ早に救援隊は問いを向けてくる。
そんな時、誰かが気付いた。
そして少女も気がついた。
その右目が闇の色に変化していること。
少女自身は、右目が見えなくなっている事に。
それに気付いたとほぼ時を同じくして、シェットラントに身を凭れかかるようにしてーー少女は気を失っていた]**
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