情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
此方側も、現在シュビト撤退の準備を進めているところです。
もうまもなく出立出来るでしょう。
合流は、そうですね――――。
デ・モール火山の麓辺りで、いかがでしょう。
此方は一万の軍勢ですので、
そこまで足が速くもありませんし…
距離的には丁度よろしいかと。
あら。共和国のお客様も一緒に来られるのですか。
それは…お会いするのが楽しみですね。
― 五年前・ベルサリス学館 ―
[ユレ教官には、女性徒代表としてキールが渡すことになった。
授業の終わった後。
廊下でちょっと呼び止めて、桃色の包み紙を差し出す]
ユレ教官。これ、――――私たち女学生からです。
日頃の授業のお礼にと思って。
甘いもの、…お嫌いでなければ、いいのですけれど。
[彼に、甘いものというイメージはあまり無くて。
さっぱりしたものを別に選んだ方が良かっただろうか、とちらり考えたりもしつつ**]
[>>=10 静かにその訃報を聞いた。
>>174 それは、書簡でも報告された事であったが、巫女姫の声を聴き。
嗚呼、嘘ではなかったのだな、と。
冷静に分析する一方で、頭を横から殴られたような気分になる。]
………。
シロウも、ですか。
[>>250 非常勤講師として学館に赴いていたシロウとも、また何度か顔を合わせる事もあった。
戦術の勉学は、巫女姫に身を捧げると誓った日から、彼に何度も教わった事もあったか。
その優秀な彼もまた、]
相討ち、………
[かつて共に働き、笑い合った仲間が。
血を流し、命を落とした。
凛とした緑の声に、暫くアレクシスは答える事が出来なかっただろう。
沈黙。或いは、黙祷か。]
[>>=12 何かを吹っ切ったかのように、はたまた、悲しみを乗り越えようと。
事務的な会話は続く。]
……―――――デ・モールですか。
そうですね………
申し訳ありませんが、あまり気乗りしません。
巫女姫も長旅でお疲れでしょう。
軍としても、親征軍に加え、オプティモにも兵を割いており、かなり兵力が消耗しています。
一度、ブラバンドに戻り態勢を立て直しましょう。
[そして一呼吸置いて、]
―――――戦争が始まるのですから。
ですから、合流するならばブラバンドに近いところで。
それか、いっそブラバンド軍に戻りましょう。
― 五年前・ベルサリス学館 ―
[特に何という事は無い一日であった。
然しキール、否、巫女姫と出会ってからのアレクシスは、少し窶れているように見えたか。
教師という身でありながら、生徒よりも勉強熱心だった為だ。
昼間は教壇に付き、放課後から閉館までの間、図書館で勉強に耽っていた。時にはマーティンに武術を学んだり、シロウから戦術の教えも受けたか。
食事もままならず、不健康な生活を送っていた。]
――――……え?
[>>=14 軽く廊下で寝ていたせいか、その声に気が付くのに、暫し遅れた。顔を上げれば、流れる金糸に、はっとするほど澄んだ深宵藍。]
あっ、これは……… みこ、……
――――……キール君。どうしましたか?
[平静を装いながらも。
その宵藍をただ、どこか惚けたような表情で見つめたか。
そして手渡される、何か小さな包み。]
…………へっ?!
え、ぁ、えっと……… どうしてですか?
あ、えぇと。実験か何かで使うんです?
でも、生物実験なら先生以外で試して……
[自分でも何を言っているのか分からない。
この真面目な男では、今日が何の日かなんてわからないし。
仮に分かったところで、まさか自分のような男に縁があるとも思っていない。なので、]
あ、あの………
―――――え、っと、い、頂きます。
[本当は甘いものは苦手である。けれども、]
…………
あ、有難うございますッ。
[大げさ過ぎる位に、アレクシスは喜んでいた。
もしこの姿を、他の生徒や教師が見ていたならば、軽く誤解されてしまう程度には。
そんな、淡くて、懐かしい思い出。*]
[唇の端を弧に描きながらも、口調はあくまで平静に。
巫女姫の勘違いに柔らかく、応対する。]
…………言葉が足りなくて申し訳ございません。
合流するのは先遣隊のみです。
では、先遣隊にはデ・モール火山の麓で会えるように手筈を整えておきます。
――――また、ブラバンドにてお逢い致しましょう。
こちらの方が距離は近いですが、いかんせん、不安定な海路です。
巫女姫の方が早く到着する可能性もありますが。
ご心配なく、ブラバンドでの準備はしっかり整えてきましたゆえ。
安全に城内に入れる事でしょう。
[そして、暫しの間のあと。軽く笑って、]
ふふっ、
―――――……迎えに来て欲しかったですか?
[意地悪く、問う。]
そう言えば、お土産をひとつ預かっています。
貴女のお口にも、きっと合うでしょう。
甘いのが苦手な私でも食べられたのですから。
[シメオンからの手土産の事を伝え。
同時に、甘いものが苦手な事も、遅ればせがら告白した。]
[穏やかな談笑の一方で、]
そうですか。
白銀の乙女なら、安心して後陣を任せられますかね。
[>>=30 一度フィオンとも話しておいたいのだけれども。
なかなかそれは叶わなさそうだ。その報告に、ひとつ頷いた。]
って、え。……苦手…、 だったのですか?
[こそり、と問い返す。
五年前に女学生全員で贈ったハート羊羹が、
ふっと脳裏を過ぎって――――
(やっぱりハート煎餅にするべきでした。醤油味…。)
なんて今更ながら後悔したとか*]
そうですね。
当然の感想だと思いますよ。
[>>=38 弱音を自分にだけ零してくれる事が、嬉しくもあり。
柔らかな口調で、そう答えた。]
-少し前:>>=36-
………食べ飽きているんですよね。
[>>=36 少し残念そうな声音を孕む巫女姫に、肩を竦めて。
貧しい者だと、砂糖菓子なんて口にした事無い者だって多いと言うのに。我ながら、庶民の分際で生意気なものである。
然し、]
でもあの羊羹は――――……
今まで食べたどのお菓子よりも、
凄く、凄く美味しかったですよ。
[そっと付け足して。勿論、アレクシスのなかではそれが真実だ。]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新