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―*******の記憶―
[その時、俺が名乗っていた名は
その他の名前なんかは無かった
俺は普通に村の学校に通い、普通の人生を送るはずだった
俺の元に“契約者”が現れたのは、俺が高校1年生―――15歳のときだった
俺はその時、とりえがなかった
なんでもいい、自分の力がほしい
そんな体で契約を交わした
魔女試練には合格した そこで仲良くなった人達の背を踏みつけ、泥だらけの手で掴んでしまった称号だった
俺は後悔した どうして自分はあんなことをしたんだ
魔女になんてなるんじゃなかった そう思った]
[そんな俺に、一緒に合格した仲間が言葉を掛けた]
「泣いて申し訳ねえって思うくらいなら、涙拭いて、そう思う奴から貰った力を最大限に活かせ そうでもしなきゃ、なんであいつらはお前の踏み台になったんだ?」
[心が、軽くなった 力が、湧いてきた
自分にできることをすればいい
そんな意を孕んだ言葉は、俺にとって何よりの希望だった
その日から俺は、魔女として
人狼とも戦った
俺にもできることがある
そう、思った]
―記憶は、一旦途切れる*―
―*******の記憶―
[気づけば俺は立派な魔女になっていた
誰かを助けられる 自分にできることがある
そんな気持ちでいっぱいだった
しかし、無情にもその時は来てしまう
それは、高校3年の冬休み―――]
[希望の言葉をかけてくれた仲間は、今や現実でも仲のいい友人になっていた
俺はその日、その友人と自宅で勉強をしていた
忙しいながらも魔女として充実していた2年間
最高のものだった
そんな時、友人がふらりと立ち上がり、部屋から出ていく
きっとトイレにでも行ったのだろう そう考えていた
母の悲鳴が聞こえてきたのはそんな時だった]
[急いで部屋を出、階段を駆け下りる
もう古い日本家屋の階段がミシミシと鳴るが、そんなことを考えている暇などなかった
居間へ続く扉を開けると、そこには魔女姿で立ち尽くす友人、真紅に染まって倒れる両親
声が、出なかった
友人は振り返ると、歪んだ笑顔で俺に話しかける]
[すぐに変身し、友人に斬りかかる
抵抗する気の無い友人は、すぐに魔女ではなくなった
彼は何故か消滅し、立ち尽くすのは俺だけ
う ら ぎ ら れ た
膝をつき、項垂れる
すべて、幻想だったのだろうか
誰かの役に立っているというのも、俺に力があるというのも]
[寂れた村で起こった雷堂家の両親惨殺事件は、そう大きくニュースには取り上げられなかった
その家には未だに誰も住んでいない
覚えている人は覚えているだろうが、今回の試練に参加している人の中では、知らない人の方が多いだろう
――何せ、もう20年近く昔の話なのだから]
―記憶は、途絶えた**―
『イツカ、ウラぎられル そんなの、シってる
ゴメンね、ショウ ボクとオナジオモイ、させたくナカッタのに………』
[ふるり、羽を震わす
静かな後悔 シュライもまた、目を伏せた]
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