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――…神子であるアデルがいるのだ。
聖女に近い存在が居てもおかしくはないか。
[独り言ちるように呟いて
目の前の者には知れぬようそっと溜息を吐く。]
兄さん…
[無力感と脱力感に押しつぶされて、兄のような存在を探す。]
ジーク兄さん……
[どうしたらいいのか、わからない]
どこ…――
[野茨公に庇護を受けた彼もまた、吸血鬼だったが。
迷いに何も答えを見つけられぬ今、直接彼に会って話を聞いて欲しかった。]
[呼ぶ声が聞こえる。]
アデル。
――何かあったか?
[声音から伝うものに心配そうに言葉を返し]
今、聖女――…ユーリエと地下に居る。
アデルは、今、何処にいるか、分かるか?
[何かあったのだと思い探す為の情報を得ようとした。]
わからない…、多分、2階か3階…
階段の踊り場――…!
[目眩の中、なんとかそれだけを伝えた直後。
野茨公の意思を持った蔓に絡め取られ、天井高く止め置かれる。]
――階段の踊り場、か。
分かった。
迎えにいこう。
……けれど、出来れば安全と思える場所に。
そう遠くにいかぬ限り、分かる、から。
[地下から少し距離があるのを認識すれば
アデルの安全を思いそんな囁きを返す。
野茨公の近くにあるとまでは、知れない。]
――――。
[アデルの言葉に息をのむ。
逃げろ、と言い掛けたくちびる。]
野茨公が、アデルの、父親――…?
[一瞬、何を言われているのか分からず
けれど自分以上にアデルは衝撃を受けているだろうと思う。]
――それでも、アデルはアデルだ。
私の、可愛い弟に、変わりはない。
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