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兵らには交代をと言っておきながら、君を働き詰めにしているようでは、自分はまだまだ配慮がたりない。
[ 状況説明もなく、そんな声を送ったが、
ベリアンのことだ、さっきの報告もあわせて、敵船が最低でも1隻は沈黙し、こちらの戦闘が一段落ついて、兵を交代させる余裕があることを読み取るだろうと信用している。]
天幕に、自分が調合したハーブティがある。
せめてそれを。
− 過去 − 1:=30
[ そんな邂逅の後、ギデオンの世話係にベリアンが指名された。
ギデオンはベリアンのいうことなら、よく耳を傾けたのだ。
報告を受けた王家からグラウコス家へも、よしなに、という働きかけがあったとか。
はじめの一月ほどは、幼児にも等しかったギデオンだが、ベリアンにつきまとって、しつこく「あれはなに?」を繰り返すうち、瞬く間に知識を得、一年もたつ頃には「男子、三日会わざれば刮目して相対すべし」などと古典を自在に引用し、楽器も剣も自在に操って、神童と噂されるようになっていた。
しかし、どれだけ洗練されようと、どこか無邪気な奔放さは残っていた。
それが特権階級ゆえか、生まれ持ったものなのかはわからない。
数年のうちに、"女神の子"という二つ名は、以前とはまったく別の意味を帯びるようになる。 ]
次の奉納試合、君はどの武器を使う?
[ 成長を遂げてからも、ギデオンがベリアンと連みたがるのはいつものことで。
その日も、一緒に回廊を歩きながら、そんな話をしていた。*]
現在、半島の東側を北上中だ。
北回りの2隻と合流して、夜の闇に紛れて上陸しようと思う。
どちらに向かうかは、そちらの状況にもよるが、いずれにせよ移動手段があると助かるので、替え馬つきで騎兵を50ばかり、東の方へ寄越してくれるか?
確か、地図上では、あの辺りに森があったろう。
そこで落ち合うのが良さそうだ。
ああ、だけど、さすがに土地勘のない騎兵に夜道を走らせるのは酷か。
依頼は忘れてくれ、自力で調達を考える。
[ ゼファーの拠点とか、そんなことは言わないでおくけども。]
[>>=3陸の状況、懸念が陰を生む思考を友の声が塗り替える。
意識はすぐに現状へと切り替えられて、応じ]
あぁ、確かに。
南下するにも待機するにも、お誂え向きではあるか。
鞍の好みは問わなかったな?
[そんな風に返し、手持ちからか、もしくは交代のために待機してる面から回すかとかんがえたのだが]
[友が前言を覆すのは珍しいことだ。
伝えずとも陸の苦境は、友にも読めていて不思議でもないけれど]
…女神の加護を、当てにしすぎるなよ。
いつ軍神に靡かれんとも限らんのだからな。
[自力で調達する先なんて一つしかないだろう、と眉をひそめた*]
─ 過去 ─
[>>=1春雷のような出会いの後。
ティノスと名付けた相手が尊い身分であることを教えられて。
その世話係を任された理由は、はっきりとは言われた事は無かったが。
彼に対して物怖じしていないこと、仮に何かあったとしても捨て子の自分なら切り捨てやすいことが大きかったのだろう。
最もティノス──ギィは、世話が必要だったのは最初だけ。
一月を過ぎてからは、むしろ己の方が彼に教示を賜ることもあった位で。
それでもギィは変わらず、己を側に置き、共に在った]
長剣を使うつもりだ。
折角の奉納だからな、舞もついでに納めたら得だろう?
[>>=2その日も、回廊を歩く己の隣、当然のように共に居るギィへとそんな答えを返した**]
─ 過去 ─ =7
長剣か!
君はまた背が伸びたからな。
どれほど見栄えのする舞になることか。
神々も喜ぶ。
[ その清々しい姿を、ありありと思い描くことができた。
彼の浅黒い肌も、長い手足も、演舞に艶を添えてくれるはずだ。
ベリアンは自分を示す名として、メランを選んだ。
今ならその語源も知っている。
原初の、深い、包み込む、癒しを思う。]
[ もっとも、エキゾチックな彼の外見をあげつらう者は神殿にもいた。
「悪鬼と契約したのだ」とか「いっそ闇の神の生贄にすれば」と言ったやっかみが囁かれる。
一度はギデオンも、「嫉妬は醜いものだ。反省するといい」と言ってやるのだが、二度目になれば、するだけ無駄と割り切った。
ベリアンを外見で侮蔑した輩の唇は翌日には芋虫のように腫れ上がり、水を飲むのも辛いと泣いていたが、刺激的なハーブの入った菓子でも拾い食いしたのだろう。]
[ 閑話休題。]
練習ならつきあうぞ。
[ 青銅の横笛を指先で器用に回しながら申し出る。
自分の奏でる音でベリアンが舞うのは、心浮き立つものだ。*]
─ 過去 ─
まぁ、俺は良く目立つからな。
たまには更に人目を集めるも一興だろう。
[>>=8ギィの言葉に笑い返す言葉に含む意は、己の立場を自覚したもの。
好奇の視線は慣れたもの、こちらが応じれば面白がらせるだけだと無視していたからその中に侮蔑以外の色があることなど気付きもしなかったけれど。
>>=9揶揄してきた者達が軒並み顔を歪めている様を見れば、傍らの友が報復したのだろうとは流石に気付けた。
それに対して問うたとして、この友のことだ。
はぐらかされるだけだろうと、明確な礼や制止など言わないのはいつものことだけど]
そうだな。
無味な練習より、お前の音がある方が華やぐというものだし。
何よりお前の笛の音は、剣の奏でる音に合う。
[>>=10友からの申し出に、素直に応じることもまた、いつもの事だった*]
─ 過去 ─ =12
君にそう言われる以上に、自分を喜ばせてくれる賛辞は思いつかないな。
[ ベリアンと並んで歩きながら、柔和に微笑む。]
いつか君と対になって舞いたいものだ。
[ 背中あわせで、相手の動きを見なくても、ぴたりと息のあった旋舞ができることを確信している。
その手にあるのが武器であろうと、花であろうと、たとえ世界を敵に回して舞うのだとしても、
二人は何ものにも乱されることなく、全うするであろう。*]
現在、半島の東側を北上中だ。
ゼファーの船が1隻、ついてきている。
追われているんじゃない、誘い出した。
おそらく、銀髪の将軍が乗っているはず。
できるだけ、拠点から引き離しておこうと思っている。
君に、欲をかくなと忠告されていたのは覚えているよ。
これはまだ、許容範囲内だろう?
― 過去 ―
賛辞ではないぞ、ただの事実だ。
[喜ぶ言葉に、内心安上がりなやつだなと思いはするが、声にはしない。
友の奏でる楽の音が美しいのは事実だし、己が好むのもまた事実だ。
出会いの場で歌われたあの時も、冷静であったならきっと聞き惚れていたことだろう。
あの激昂は、今はもうギィに向くことはない]
お前と舞うか。
…楽しいだろうな。
[こんな言葉が出る程に、近しく思っているのだから*]
[マチスと拠点の防衛について意見を交わす中。
届いた声に、微か眉をしかめたのは許される所業と信じたい。
表に溜め息を吐き出さなかっただけ上々だ]
…既に成り立っている状況に、口を挟む愚はしないと分かってて言ってるだろう。
良い。
本分を忘れぬ程度の逢い引きで収めてくれるならな。
― 過去 ―
[ 嬉しくならないわけがあろうか。
ギデオンにとって、ベリアンは目覚めを導いた者、
世界でただひとり、魂が共鳴する相手だ。
ベリアンを通じて世界を知り、自分の中に取り込んでゆく。
どれほど知識と経験を増やしても、ベリアンに対しては無防備でいた。*]
=16
[ 時を経て、一周回った懐きっぷりは堂に入ったもの。]
認めてくれて感謝するよ。
参謀などという肩書は、いつでも取り替えられるけれど、
君の本性のさらけ出し先という役得は、誰にも譲らないとも。
[ 本分とは。]
[ そんな応酬の後、乗る笑みのいろは、いくらか強くなる。]
そろそろ、我々も攻勢に出ていくべきだ。
よく守ってくれた。
──風を吹かせるぞ、ベリアン。
[ ベリアンが動き出していることを、予期しているかのように、告げた。*]
お前以外に見せる気も無い。
[>>=18感謝の言葉に返したのは、短い言の葉。
それを本分というのはどうかなんてツッコミは、今更だ]
[こんな時であっても余裕の乗った応酬は、ある意味落ち着きを取り戻すもの。
続いて告げられた>>=19それに、微かな瞬きを見せたのは一度きり]
分かった。
[こちらもまた、短い声で応じ答えた**]
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