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然し、……?
[途切れた続きに首を傾げ、沈黙が行き着く先を窺う。
航海中あちらは、おそらく海原に四方を囲まれていて。
寄せる波の音に彩られ、磯の香りに満たされているだろうけれど。
こちらに届くのは“声”だけだから、
波の音も磯の香も沈黙を埋める術にはなってくれない。
だから足りない空白を想像で埋めながら、
そっとアレクシスの言葉を待つ]
私一人で出来ることなど、
被害が最小であるよう祈ることくらい…―――
最初から、全部を解決しようなどとは、
解決できるだなんて、
…、うぬぼれては、いません。
知っています、……っ
今回だって、貴方のフォローがなければ
首都に残られた王府の皆様方に、
なんと誹謗されていたかも分からないと。
もとより、此処で戦をする気はありません…。
戻ります、から、
[拗ねたように呟く。
同じシュビトの地に居ても
今の自分は、身軽を装った五年前の“キール”ではない。
軽率な行動が赦されない、ナミュールを守護する“巫女姫”。
身に纏っている巫女装束の重みが、
ほんの少し、ほろ苦かった]
―――――………それでよろしい。
貴女の死が、国民全員を絶望に貶める事を。
ゆめゆめお忘れなく。
[>>=5 拗ねたような声に、痛まないと言ったら嘘になる。
――――けれども、私は、貴女を喪う訳にはいかない。]
[はあ。と嘆息。
ただし今度は苦笑に近いものだった]
そうですね、……其れは望まぬ未来ですから、
危険に陥る前に戻るといたしましょう。
[>>=7 苦しげな声はやはり巫女姫とは言えど、まだ二十歳の女性。
なんとなくそんな事を気付かされて、静かに微笑む。
そして、>>=9 続く報告には、]
クロード・ジェフロイですか。
お勧めしませんね。
[クロード君。かつてのようには呼ばない。
もう、そんな間柄ではなくなってしまったのだから。
アレクシスは、もう一度事務的に、然し念を押す様に、告げた。]
先程の言葉を忘れたのですか。
…………殺されに行く気ですか?
貴女は巫女姫であり、そして、
――――――……ひとりの女性だ。
まだ若い。その貴女が―――
ひとりで行く事さえ、私は、………!!
[思わず言葉が荒くなる。アレクシスは瞬きし、一息つく。
今、何を言おうとした?自分は。
まさか巫女姫を。いいや、まさか。]
………失礼致しました。
とにかく、私は会うのを反対します。
…、殺されませんよ。
あちらも、そこまで愚かではありませんでしょう。
[殺されに…という危惧を、あっさりと否定する]
それに騎士団の皆様が守ってくださいますし。
――そうそう。
学館で御一緒していたフィオン殿がおりましたよ。
あの優秀だった…
フィオン・ヴァイサネン。覚えていますか?
[互いにとって既知の名を投げ掛けて]
[少しの間、落ちる沈黙]
……――――、これは形式ですよ。
どうせ、話し合ったところで主張は相容れない。
けれど私が此の地を退く為にも、
巫女姫として出来る限りの心を砕いた…という姿勢は必要です。
ただ回れ右をする訳にもいきませんでしょう?
此処には一万の兵も、シュビトの民も、居るのですよ。
賢い貴方なら、一番よくお分かりでしょうに。
会見の後は首都に引き上げます。
手筈は整えておきますから。
[それに、許可はもう出してしまった。
口から零れた言葉は、そうそう取り消しなど効かない*]
― 会見の前>>=13 ―
―――――……大変……
失礼致しました。
[凛とした声に反する事は出来ない。
今自分が紡ごうとした事は、大変な無礼な言葉だったから。
まさか、そんな。
自分でも動揺しているそれと分かるくらいの震える声で、ひとつ、謝る。]
[>>=14 そして静かに鈴のような声を聴き。
よく知っている名を聞けば、
フィオン君ですね。
勿論覚えていますよ。
今も軍でよく顔を合わせます。
[学館で会った時よりも彼女はずっと逞しく。
そして美しくなった。
そんな風に褒めたら、怒られた事もあっただろうか。
けれども、そのフィオンが今は巫女姫の傍に居る。
それは心強くもあり、同時に、]
彼女が居れば――――……安心ですね。
[嫉妬に近い感情を覚える。
本音を言うならば、フィオン自身が巫女姫を連れて帰ってくれたら好いのに。
彼女の性格から、巫女姫の意向に逆らう事はないのだろう。]
[>>=15>>=16 沈黙には沈黙で応える。]
――――……。
形式だけの会見ならば、
それこそ私がやりますのに。
わざわざ貴女の御顔をお見せする必要もありません。
[けれども、国民に威光を示すという彼女の主張も理解できるものであり。
深くは糾弾しなかっただろう。
全く、下手に頭が良過ぎるというのも困る。
だからこそ貴女の事を敬愛するし。
同時に、恐ろしくなる。
貴女は人形のように居るだけでも良いのに。
その方がずっと、ずっと楽だ。]
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