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何故か声が聞こえるとか、何故かトランシーバー拾ったとか、そんなとこでいっちゃいましょーか?
― 自警団に着替えを頼みに行く直前 ―
あら?
何かしら、これ。
[広間を出て少し歩いたところ。観葉植物の植木鉢のかげに、なにやら携帯電話のような……でもそれにしてはずいぶんとゴツイ機械が落ちていた]
誰かの落し物かしら。
持っていれば、そのうち持ち主さんかそのお友達の方から連絡くるだろうし、それまで預かっていれば良いかな。
[そういえば、荷物を置きに行った部屋に、見慣れないものがあったのを思い出す。]
[見たところ、おそらくは通信機?とみられるもので。]
・・・ええっと。
どなたか、聞こえ、ますか?
[何気なく、呼びかけてみた。]
ふえ?
[旧式の携帯電話なのかなー、と思って持っていたその機械。
けれど、呼び出し音も何もなく、そこから急に女性の声が聞こえて驚いた]
は、はい。聞こえますー。
ええっと、さっきこの…電話? を拾ったんですが。
持ち主の方ですか?
あ、違ったんですか。
すいません。
………うーん。じゃあ、誰かがもし探してたら返すということで。
そちらで落とし主がわかったら、私も返しますから、教えていただけますか?
[電話とは違うようだし、これはよく昔のスパイ映画なんかに出ていた通信機の類なんだろうか。
でも映画で見たよりずっと大きくて、かくして持ち歩くのは難しそうだなー…などと思いながら。
通信機の向こうで悩んでいる様子の声に、そう伝える。
……どこかで聞いた声のような気もするけど、気のせいだろうか]
あ。私、フレデリカ・ケティといいます。
ああ、ローズさんだったんですね。
聞き覚えのある声だと思った。
じゃあ、通信機の持ち主のひとがわかるまで、よろしくおねがいします。
それは……確かに怖い、ですね。
私も、ローズさんでよかったです。
[予想だにしなかった――というより、無意識にその可能性を頭の中で排除していたので、ローズマリーの言葉にひくりと顔がひきつった]
あっ・・・ごめんなさい。
[ふと、声のトーンが落ちたのを聞いて、例の人のことを思い出させてしまったのだと思い至り、謝罪する。]
すみません、どうしても思考が悪い方に進んでしまうのも悪い癖の1つでして・・・。
[正直、通信機も、あの人関連か、自警団か・・・と、思い描いた可能性はあまり良くない物ばかり。ふつうなら呼びかけることすらしなかったかもしれない。]
あ、いえいえ。大丈夫ですよ。
私が悪い方向の事を考えないように考えないようにしてただけですから。
[ごめんなさい、と謝られてわたわたした。
おちつけわたし、と自分に言い聞かせるのは、今日この会場にやってきてからだけで、いったい何度目だろう]
・・・うーん、「例のあの人」の嫁にならないためには、恋人を作らなくちゃいけなくて、今からだと、この中にいる人たちじゃないと無理で、でもまだほとんど話したことの無い人たちばかりで・・・。
・・・はぁ、どうしよ。
[さすがに温泉内には通信機は持ち込まなかったが、上がってもぶつぶつはまだ続いていた。通じていることを忘れて独り言を続けているあたり、早くも心が折れかけている気がしなくもない。]
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