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[思わぬ緊急事態に、アデルが恐怖を感じ、動揺しているのがオレにもわかった。]
大丈夫、お前は、1人じゃない。オレがいつだってついてるだろ。
[こんなところから声をかけるくらいしかできない今の自分が、とにかくもどかしかった。
もし、この船に乗る運命が、オレのせいだったのなら……
……いや、オレがそんな暗いこと考えてちゃ、ダメだ。何かあったら助けてやる。だから、頑張るんだ……!]
おい!どうした!
[ドロイドが突進してくるというのに、身体は動こうとしない。声をかけても反応がない。完全に硬直しているのだろう。
くっ、お前はいつも優しすぎるんだよ!
……あまり人に見られるのは好ましくない。しかし、今は出るしかないか。心の中で、フッーっと一息ついて]
アデルを虐める奴は絶対に許さない!
[そう、人狼。
オレの命を奪った狂気。
あの日、オレは人狼に感染して、魂だけの存在になってしまった。以来、オレはその記憶すら忘れ、アデルの体の中に移り住み人狼とは無縁だった。
ーーしかし、今、現実として、この船の中に人狼がいるのだ。
ーーどうすればアデルを人狼から守ることができる?
……或いは、どんな事をしてでもーー
[人狼の恐さを、誰よりもわかっているオレだからこそ言える。1人ずつ隔離だなんて甘ったるいことしてりゃ人狼の手から逃れられない。……優しい性格のお前なんて、一番最初に狙われるのわかってるじゃないか。
ーーこんなことを言うのも、一番
[でも、オレの死因は難病なんかじゃなかった。ガルーが原因だった。ガルーに寄生されたのがオレだったからこそ、原因がわからず、被害が広がることがなかったのだろう。
本来、ガルーに寄生されても、宿主は人狼として生きることは可能である。しかし、天性的な精神力を持っていたオレは、寄生したガルーに抗い、自我を守ろうとした。だが、ガルーの繁殖力も相当なもので、どんどんとその脳は侵食されていった。宿主とガルーの2つの人格が対抗する中で、オレの身体は限界を迎えていた。そして、オレの魂を追い出したーー
これがあの日の真実。だが、その時の衝撃からか寄生したガルーはオレの身体とともに死に、オレの人狼に関わる記憶は消滅した。アデルの身体に取り憑いた今も、アデルは人狼について何も知らないだろう。]
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