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[相棒はひょいと小型の機械を拾い上げる。
それは片耳に掛けるフックが付いた黒に碧のラインの入ったヘッドセット。
イヤホンとマイクが一体化したような形をしていた。]
…んんー?
カルドさん。
これ、何だろ。
『さぁな、通信機のようだが。』
…!!
[試しに耳に当ててみようとしていた相棒が機械を落としそうになる。
うっかり壊したらどうするんだ、粗忽者め。]
な。
なぁなぁ、カルドさん。
こっちからカルドさんの声が聞こえてくるんだけど!
[そう言われて意識を研ぎ澄ませてみると、確かに魔力が反響する気配がある。]
『ふむ。これは己と相性がいいようだな。
これを通して声を出す事が可能なようだ。』
じゃあ、これ使えば他の人でもカルドさんと話せるって事?
『そういう事になるのか。試してみないと分からないが。』
それ、面白そう!
折角だし、この懇親会の間だけ借りとこう?
『おい、お前は仮にも警察官』
ちゃんと後で返すから!
それにカルドさんも他の人とも話したくない?
[そう言って笑う相棒への答えは――]
『――仕方ないな。この懇親会の間だけだぞ。
反響の感じからすると、これと同じものを拾った相手が会場にいるらしい。』
やったー!
カルドさんには誰だか分かんないの。
『まだ分からんな。電源が入っていないのか、それ以外の要因なのか…。』
ふーん、でもいっか。
誰か分かるのを楽しみにしてよう。
『あまりはしゃぐな。』
[たまにはこいつ以外とも話をしてみたくなった。
――理由はそれだけだ。*]
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