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―回想:副長への愚痴―
――いまの野戦通信機って、通信兵が背負って運ぶようなものでしょう。
それがね、軽量小型の――ま、といっても電話の受話器サイズで1kgくらいはありますが、技研で試作されてるんですよ。
当然、従来のよりカネがかかるし構造が複雑なんで、大量生産には向きませんがね。
――で、艦内の連絡って、伝令と艦内電話に伝声管でしょ。
伝令は即時性がないし、電話と伝声管は設置されてる場所しか使えない。
なので、自分は提案したんですよ。新型通信機を艦内連絡に採用しちゃどうかと。
あれなら、艦内のどこにいても直ぐ通じる。
せめて、各指揮官クラスとあちこち動く応急修理班用くらいには、ってね。
[が、まだ制式品ではないし予算の関係もあるしで、ダメだったと。そう文句を垂れて]
――でね、まあ。
本艦に乗り組みが決まったあと、艦内で試用してみろってことで。
技研の連中から、一組、預かってるんですよ。
あ、私物としての持込なんで、員数外の装備になってますが。
副長、あとでお届けしますから見てみてくださいよ。艦内で使えたら便利ですよ、ホント。
小型なんで、別の艦までとかなると、出力の関係でまだ難しいんですがね。
[副長くらいの立場の人間に興味を持ってもらえれば、制式採用の目もあるかもしれない。
運用実績が良ければ、提案者の自分の考課にもプラスになるに違いないとも思いつつ――、
――そのあと、こっそり副長に、試作の携帯無線機を届けたのは言うまでもない。
まあ、一組しかないので、自分の手元にある一台としか交信出来ないのだが――*]
―回想:試作通信機と若手将校―
なるほど、大尉の話には聞くべき点が多々あるな。
教練で持たされるが歩兵携行用の通信機はかさばるし重い。
面白いものを試作しはじめてるのだな。
一度使ってみよう。
二つでセットになってて、私と大尉で持っておこう。
後で私の部屋まで届くように手配しておく、有意義な時間だった。
[そういうと議論の輪から外れていった]
――あー、あー。聞こえますか。
電測室より、副長。電測室より、副長。
砲術長より、第二砲塔の準備が出来た――とのこと。
それを伝えれば判る、とのことで。
それから、ですが。
艦長消息不明のため、代わって指揮をとられたしと。
なので、不明目標の調査・回収は他に任せて――まさか、もう艦を離れてたりしませんよね?
――電測室より、副長。
通信長より意見具申。
退艦者のなかでも、信用できる者を選び、監視の必要があるとのこと。
[そう、端境で伝えることしか出来ない]
――関連して。
[これは、カサンドラには命じられていないことだが]
陸戦装備を、通信科に配布願えませんか。
私も、通信長も、体力には自信がないほうですから。
[銃器の装備を許可してもらえるよう、副長に]
なるほど…確かに自衛のために銃器は必要になるな。
先に通信指揮室に寄ってから人手を確保して、電測室へ向かう。
退艦者の中から信用出来るものを…というのは私の現状だと難しいな。
艦内に残っている者の対処でしばらく手がふさがる。
そちらは別の人間に任せられるか検討してみよう。
そういえば通信長に会う用事があるのだが、
今は通信指揮所に行けば会えるのだろうか。
それともそこに居たりするのかな?
もし出会ったのならその場に待機してもらってくれ。
私のほうから会いに行く、と伝えて欲しい。
電測室に―ーですか?
はい、了解しました。
今なら、通信長もいるので、是非に。
[フットワークが軽い上官だなと思いつつも、そう]
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