情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
― 回想・05年/帝国内 科学技術庁 ―
[ >>7:+224
――……なぁ、ノトカー……君の……目………
不意に隣に座っていたヴィンセントが顔を近づけてきて、
じっと左眼を凝視し始める。
魔石光を照射するなどの実験を繰り返して、すっかり
虹彩の色が変化してしまった左眼。
色は変わったが視力は格段に上がっていた。
だが実験自体が機密ゆえに話すわけにもいかない。
黙っているしかなかった。 ]
………
[ あまり間近で見る事のないヴィンセントの顔。
眼を見つめられている関係で、こちらからもついまじまじと
眺める形になる。
眼の色はユーリエと違う、夜明け前の空のような、淡い紫の色。
ユーリエと同じ、紫がかった白銀の前髪。
瞳に薄い影を落とす、儚げな睫毛。
思わず見とれていると、急に頬を両手で包まれて>>7:+226
心臓が一瞬跳ねる。 ]
……ユーリエがいなくなってから、一年か。
うん。わかる。
婚約者がいなくなって、少しでも偲べるものを探したくなるのは、理解できる。
[ ユーリエに似てきた、と言うと、静かにヴィンセントは
視線を逸らして肩をぽむぽむと叩いてくる。>>7:+233 ]
そうか、元々似ているのか…。
全然そんな目で見た事なかったから気付かなかった。
[ そんな目とは一体どんな目なのか。
ヴィンセントが何となく逃げたそうにしている気がしたが、
構わず。 ]
すごく……綺麗だ。
>>7:+234
ユーリエの手刀でぺちんとされるなら、されたいな!むしろ!
[ 逆効果だった。
包帯の頭をくしゃりとされながら、ちょっと待って!と
食い下がっていた ]
あっ、こら、何故逃げる!?
いいじゃないかもうちょっと、あ、っていうか
髪触りたい!!
[ 周りに部下でもいたら誤解されそうな台詞を吐きながら
足早に去っていくヴィンセントをばたばたと追いかけた** ]
― 回想・05年/帝国内 科学技術庁 ―
>>*3
…ユーリエは、幸せ者だったな…
こうして、亡くなってからも…ノトカーにそこまで深く思ってもらえるのだから…
[ノトカーが、妹を深く愛し、その為に色んな事を切り捨てられる
「英雄」へと変貌していった事は知っている。
ある意味、自分はその変化を目の当たりにした目撃者だ。
妹の手刀攻撃を受けても良いという潔さは、感心もしたし、やはり彼に妹を託して正解だったのだと、そんなことを改めて思ったりもする。]
だが、それと現在の状況とは話が別だ。
君は、もし仮にだ。仮に、僕がグレートヒェンの婚約者だったとして、グレートヒェンの死後にこうして一緒に会う機会があって…
赤い顔でこっちを見上げて、「綺麗だ…」>>*2とか囁かれたら、色んな意味で危険を感じたりしないのか!?
こう…だな…詳しくは言いたくないが、なんていうか……だな………
あー、もういい。
どう考えても、今は逃げる状況に違いないだろう!!!
[言い置いて、足早に廊下をすたすたと歩きだす。
追いつかれて根負けして、「まぁ髪の毛をもふるくらいなら…」と、つい折れたりもしたのだが、その時点で横を通過したラムスドルフ隊の隊員が何かぎょっとしたような顔でこちらを見ていたことには気づかなかった。]
[……後に、この目撃談に尾ひれがついた結果「帝国の英雄は両刀」という密かな噂が立ち、ノトカーが服をはだけた部下にテントで迫られたり、上官の個室に呼び出されて迫られたりという>>3:329ある意味アレな体験談にも繋がっていったのだが、それは今、*予想できることではなかった。*]
……こちらドーベルニュ。
[まずは定型を紡ぎ、声が掠れていないことを自分でも確認してから]
大佐。工兵隊に
目標は砲撃準備中の敵戦車。中央奥に控えてる黒鉄の奴です。今ならあの場から動かない。
最初の一発は威嚇射撃です。次を撃たれる前に。急いで。
こちらは今伝令が出せない状況で。
[使うべきは今、と切り札を切るための要請を出した。
本当に威嚇射撃なのか、実は確信ないままであったけれど。
そんな揺らぎは微塵とも声に滲ませず囁き落として通信を切った]
ドーベルニュ少佐、了解した。
工兵隊へ、コード
工兵隊の合図を確認次第、速やかに退避しろ。
[報告に、僅かに声の揺らぎを感じたが、それが何からくるものかは解らず、退避の命を身を案じるかわりに、通信が切れる前にねじこんだ。]
― 蒼い海の中 ―
[ >>11>>12
どこからか声が、聞こえる。
閉じた瞼の向こうに感じる微かな光。エメラルドの輝き。
伸ばされた手はつめたい筈なのに、温かに感じた。
どこかで、聞いたような声。
――――ねぇ、起きようよ、ノトカー……
それは――ずっと、聞きたいと思っていた声。
心地よく耳を撫でる――
――――まだ、眠っていたい……。 ]
[ >>13
突然、大声で話しかけられ、ゆっさゆっさと揺らされる。
あまりの衝撃に、きつく閉じられていた瞼が開いた。
目の前にある、懐かしい顔。
群青の海の底、きらきらと光っている。
流れる銀髪の前髪、燃える夕焼けのような朱い瞳―― ]
……ユ……ーリエ……?
[ 名前を呼ぶと、その名の主は嬉しそうに微笑んで
しがみついてくる。
ぼうっとしたまま、その後ろ髪を撫でて。 ]
ユーリエ……
起こしてくれてありがとう。
[ そんな風に毎日、起こしてもらう日を夢見て
彼女に贈った婚約指輪。
いつのまにか彼女の左手薬指に、それは輝いていた。
ユーリエが右の瞼にキスをしてくる。
そこには眼球がおさまっていて。
あぁ、俺の眼、戻ってきたんだな、と思う。 ]
ここは……、何なんだろう。
海の底、か。
そういえば、みんなで海に来た事があったな。
スイカがたくさん割れていて…。
[ 蒼く暗い海の底。
どこからか犬が走ってくる。
犬はノトカーの前で立ち止まると、くわえていた瓦燈を
そっと、目の前に置いて尻尾を振り始めた。>>7:+142 ]
……おまえ、
……しばじゅーろー?
[ 犬はただ、尻尾をふって黒い目で見上げてくる。
もしかしたらしばさぶろーだったのかもしれない。
それを知るすべはなく、ただ、犬が持ってきた
そのランプを手に取って。スイッチを入れてみた。
蒼い海の底に、緑色の森がひろがる。 ]
……そっか。
直ったんだ、このランプ。
俺が帰れるように、直してくれたんだな……
[ たった一人の人物の姿が、脳裏に浮かびあがる。
何年かを彼と一緒の部屋で過ごした。
それもまた、ある意味の家族だった。
尻尾を振る犬をそっと撫でて。
笑顔を向けるユーリエとともに立ち上がり、
ようやく歩きはじめた。 ]
――――ありがとう、ミヒャエル……。
俺の、友達――――。
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新