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“どうして”
………問うことに、どれほどの意味があるのだろう。
“どうして”
………何度呟いたって現実は変わらないのに。それでも。
“どうして…”
………大事な人はいつも死んでしまうの? …もう厭なのに。
“どうしたら…!!”
………簡単だよ。諦めてしまえばいい。
結局それが一番、安全なんだ――――…
[冷えた床の上で。昏い部屋の中で。
己に何度も言い聞かせた。
だから今はもう……何も望んだりは*しない*]
― 七年目の冬 ―
あれから二年。俺は二十一歳になった。
《父》から領地の一つを譲られて、ヴィースキルシュ伯と呼ばれる身になっていた。
しかし、士官学校を卒業するまではその名も、デンプヴォルフの姓も伏せておかねばならない。
その名だけですぐに出自が明らかになるから。
……ここにいる間は、ミヒャエル・キルドルフ。
ロストルム・フェーダ国立シュヴァルベ共同記念軍学校の一学生。
西寮の副寮長で、毎年進級試験にひやひやしながらも、何とか在籍を続けている。
それも、あと一年。
前年の秋に帝国皇帝が崩御し、二つの国は少しづつ見えない所で緊張を高めていた。
世界は変わるのだろうか。
この小さくて、暖かい、
まるで小鳥の巣のような場所も、
炎の海に飲み込まれた草原のように、失われていくのだろうか……*
― 回想・自室での話 ―
[>>*189
――……いいの、と。多分、聞きすぎた。
自分の芯にあるものが、厭わしいもので。
ヒンメルに、それへの許しを貰いたかったのだろうか、と、後になってから思った。
甘えた気持ち。定まらない心。
寄りかかれば、きっと相手は疲れてしまう。
自分がまさにそうだったから――…]
……うん。暮らす。
家賃が助かるのもあるけど。
なにより……、俺が楽しい。
[素直に答えると、
ヒンメルは安堵したように息を吐いた]
[>>*190ふつつかものだが、という言葉に。
笑みが零れる]
その台詞は、
なんか違う気がするな。
……でも、まあ、そうか。
[ヒンメルに向き直り、両手をついて低く頭を下げる。
故郷の古い風習だった]
――…こちらこそ。
ふつつかものですが、よろしくお願いします。
[真顔で口にしてから。
ふいに可笑しくなって、くつくつと笑った]
[伸ばした手を包む掌。
すり、と頬を擦り付けられて、くすぐったさに目を細める]
ちょっとだけ、か。
……やっぱりお前は優しいよ。
[指を滑らせて、彼の目元を撫でた]
お前、燃費悪いからなぁ。
一緒に暮らしたら、お菓子いっぱい作って食わしてやる。
カークの教え方うまくてさ、簡単なやつなら、
すぐに覚えられると思う。
[口にしたそれらは、どれも楽しさに繋がっていて。
不安はあったが、未来への期待の方が勝っていた。
――……でも、それでよかったのだ、と思う*]
― バザールからの帰り道>>6:+152 ―
[帰り道、多くなった荷と共に揺られるようにして戻る最中、
卒業のことを言われると、ん?と視線が下に落ちた。]
あと数日だな。
…ん?別に構わないが
少し遅くなるかもしれないぞ。
[何の用だかは知らなかったが、断る理由もなく承諾した。]
― 回想・試験休みのある日 ―
だろう?チートだよなアイツ…。
[>>*193とは半目になって言う。これで家柄が伴ってれば完璧超人だと嘯くが、実際そうだとは今は知らずに。
>>*194どこか照れた様な笑みが見えると暖かく笑った。]
あー、日誌は俺が個人的につけてただけだから必須じゃねぇぞ。
別にチェックする奴も居ないしな。
副寮長が居なくなってから、後任用にってのが大きかったしな。
[単なる記録であるから気にしなくて言いと言って。]
あー…何だっけかな。
気楽だからとか、そういう話は聞いた事があるような。
まぁ、本人に聞いてみればいいさ。
[さして気にせずにいたのでそう言って。]
そうなるな。
別にお前が気楽になれる、好きな奴、でもいいんだが…。
同室の奴を連れてきてもいいぞ?本人次第だが。
[>>*198そう言うも、それはおそらく断られただろう。
そこを深くは追求せずに、結局レトとステファンを推すに留めたのだった**]
― 回想・ラムスドルフ家のこと ―
[ 妹の家庭教師は、公国の男だった。
帝国の歴史に興味があり、
シュヴァルベに移り住んでいるのだと言う。
妹を車椅子ごと軽々運べてしまう大男で、
勉強以外のことでも、よく世話をしてくれた。
彼が来るようになってから、妹がぼうっとする時間が増えた。
俺はなんとなく彼とウマが合わなかった。
妹を取られたような気になったわけではない、といえば嘘になるが、
それだけではなくて、何と言うか
どうしても根本的に好きになれない人間というのはいるのだ。
でも妹は、その男を好きになった。
身体に不自由のある妹のことを、
一生ぼくが面倒みますから、と言って
男が頭を下げたとき、両親は泣いた。
――俺は、寮に入ろうと思った。 ]
― 回想・ラムスドルフ家2 ―
[ ――おとうさん、この綺麗な石はなに?
――これは、エメラルドだよ。
グレートヒェンの眼の色の石だね。
お父さん、俺は? 俺の石はー?
――ノトカーの眼は、クリソコラかな。
グレーテよりも少し碧みがかった不思議な色だね。
魔石科学者の父は、人の眼の色を石に例えて言うのが
好きだった。
道行く人の眼の石を聞きまくって、父を困らせたことがある。
――ノトカー、グレーテ。人の眼は美しいね。
この世界は美しい。
でも、それは本当は、
世界を見つめる人の眼が美しいからなのだよ。 ]
[ ――この世の理は鏡だ。
美しいものこそが美しいものを映す。
だからお前たちも美しくありなさい。
それは美しいものを見ると言うことだよ。
まだ、難しいかもしれないね……* ]
― 入園まもない頃 ―
[きっかけはなんだったか、彼の力強さ、男っぽさにひかれたのが一番だと思う。
彼に剣を教わりたいと、その当時の彼はまだ自分の事情のことは知らなかったか、知っていたか。
少なくともそのときはまだ男として振舞って彼に接していた]
ジェフロイ!俺に、剣を教えてほしい!
同じ寮のよしみでいいだろ。なっ!
[当時は生意気と思われたか、かわいらしい後輩と思われていたか、
返事がどちらであれ、結局は彼のちかくをつきまとう自分に教えることになっただろう]
[彼に剣を教わる過程でひとつ確かだったことがある。
基礎を学ぶ分には問題ないだろうが、その剣質や戦い方はまったく参考にならないということ]
ジェフロイ…俺……
やっぱりジェフロイの剣はあわないみたいだ…。
[その事実を知れば知るほど、悲しくはなったけど、
彼は優しく頭をぽんと叩いてくれて]
いつか別の道で、ジェフロイ越えてみせるから!
[意気込む私に、腕を磨いて、一本とりにこいとか、そんなようなことを言ってくれた]
― フレデリカの入園まもない頃 ―
[>>*255まだ寮長には遠い、3年ほど前の事。
やたらと威勢のいい1年がやってきてした主張に微妙な顔をした。]
ああ?そりゃいいが…。
[当時から目立っていたフレデリカ。
この時はまだ女だとは思わなかったが、とにかく細い、弱そう、という印象が1年前に居なくなった人を思い出させて胸が痛んで――同時にほっとけなかった。]
[>>*256いなくなった彼女と比べて、フレデリカの方はセンスがあった。だが彼女と同じ――というよりはまだマシか。体力面ではやはり自分とは比べ物にならないほど劣っていた。
自分はつくづく教師には向いていないと思う。
結局フレデリカにも自分が出来る事を教えるには、色々と足りなかった。これはお互いかもしれないが。]
あー…やっぱそうみたいだな。
悪いが、基本以上の事は教官か、
別の奴に教わる方がいいと思うぜ。
[目に見えてしょんぼりしたから、
ぽんぽんと頭を叩いて、慰めてやって。]
おう。楽しみにしてるぜ。
腕があがったら、いつでも一本取りに来い。
[きっとそんな日は来ないだろうと、そうも思っていたが。]
見晴るかす草の原。
懐かしく、美しい思い出だけに溢れている。
――俺はいつか、ここに帰るだろう。
その時も、この草原は、俺たちをこうして迎えてくれるだろうか。*
先輩が願ってくれる、幸せな未来は…僕にはあるのかな。
あそこに帰らなければいけない、僕の未来は……。
……せんせいはあくまでも学校のもふが一番ですからねー。
[シロウの目の前では斬れない、という友と>>*218
ざっくりやることもある、というシロウ>>878を見比べて
しみじみうんうんと頷く。]
でも、どんな凶悪なのがいるかと思ってたから、
ちょっと拍子抜けだったなぁ。
[たしかに牙のある狂暴な羊はモンスターだけれども。
シロウに担がれている姿は、怖いというには程遠い。]
ま、ちょっとした探険にはなったし、
楽しかったからいいか。
[なんだかんだ言っても、結局そこに落ち着くのだ。
友と二人、ひとつ冒険を終えた気分で帰途に*ついた*]
さようなら、士官学校。
さようなら、西寮。
さようなら、友人たち。先生たち。ルームメイト。
さようなら――――――さようなら。
世界がまだ、幸せだったころの、
花咲き誇りし中立地帯 シュヴァルベ――。
緑あふれる春のシュヴァルベ。
風の通る音、草と木々のざわめきが今も耳に残る。
花咲く草原は眼裏に鮮やかだ。
……ん?
なんかいった? ノトカー。
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