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オットー、聞こえるか?
[仲間を喪って以来、気落ちして封印していた赤い囁きを再び使った。]
お前は今、どこにいるんだろうな?
何をしているんだろうな?
……そして、何を考えているんだろう。
[大切な仲間であるだけでなく、腐れ縁の幼馴染としてのオットーを思う気持ちは変わらない。
呼びかけは素の口調だった。]
俺は、お前がくれたチャンスを精一杯生かす。
お前が生きろと必死に演技してくれたことを、絶対に無駄にはしない。
だから、お前はこれから永遠に俺の仲間だ。
俺たちの歩む道は違うものになってしまったけど。
それでも。
オットー、俺はお前が大好きだ。
ナルシストで女好きで、いっつも甘い言葉ばかり言ってて。
人に真似できない独特の言い回しと、なにがあってもマイペースな態度が。
俺と仲良くしてくれてありがとう。俺の幼馴染になってくれてありがとう。
オットーが何者でもいい。
俺は、お前がお前だから、大切にしたいと思ったんだよ。
[最後にふっと短い息を吐いた。]
本当はこんなこと、生きているうちに言わなきゃいけなかったんだよな。
それだけは、本当に……残念だ。*
― 吹雪の中 ―
あおーん。
[どこからか赤い狼の遠吠えが響く。騒動が始まる前日、仲間を呼んだときのように。
だがそれに応える声は最早ない。それでも獣はなきつづける。人間には理解できぬ声で、仲間へ届けとばかりに。*]
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