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[心を知らず、殺したかもしれない彼女に向け。
せめても報われるほどに平穏な世界を見付けられる事を願うのだ。]*
[それはいつの事だっただろう。
少なくとも、俺にそこまでの追跡が付くより前だ。
酒場でも会った彼女に会う機会があった。>>4:*0
(既に、服装は変わっていただろうが。)]
この国がなくなるのなら、そうだな。
また居心地の悪くない
[「だから、誰が座ろうと興味はない」、そう言った。
悔しささえ滲んで聞こえるその声に、実にあっけらかんとした響きだっただろう。]
誰が座ったとして、俺は流離う風だ。
気に喰わなければ何処へでも去く。
[それだけ返して、お終いにした事だろう。]**
[――もし、あのとき。
北の地で、気まぐれに首を縦にふっていたのなら。
今この時を、違う形で迎えていただろうか。
選ばなかった道のことなど、わかる筈もないけれど。**]
[
彼の翼が背負った荷の重さで折れてしまわないように。
今の娘に出来るのはそれを密かに祈ることだけ。* ]
[王宮への道を踏み行きながら、言うのは何処か劇染みた言葉ともとれるもの。]
あぁ、終わってしまうのだな。
この樹は、もし焼かれずとも、
育ててきたその枝を奪われてしまうらしい。
[何処か回り諄い言い回しをしたのは、その意味を悟られない為だった。
それは、関わる事の長かった彼女が、芸術家であるのも理由かもしれなかった。
彼女と別れてから空に溶かした言葉を、再び音にならない唇に乗せながら。]
(
[身を案じても、そのばかりに過ぎるのは、彼女の望むものなど自身が差し出せないと知っているからだ。
鐘を鳴らしただろう彼女が無事である事を希うしかないのも同じ事だった。]**
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