情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
― 決闘の終わった直後 ―
[ 鉄底族の斧槍が地面を鳴らす音を聞きながら、男はドワーフの若者と拳を突き合わせるディークに視線を向けた ]
ディーク、この希望は、お前がもたらしてくれたものだ。ありがとう。
[ 友へと送るコエは、労りと感謝を込めて** ]
[ロー・シェンの視線とコエを受け、屈託ない笑みを浮かべた。>>*34]
それぞれのなすべきことを果たした結果だ。
ああ、おまえに感謝されると嬉しいな。
俺は、少し調子に乗ってるくらいの方が、いい動きができるようだぞ。
殿下、今どこだ?
峡谷はまだ持ちこたえている。
鉄底族と同盟を結んだ。
だが、黒竜に騎乗した魔王が、ロー・シェンに目をつけて、狩りにくる気だ。
[こちらに来られるか、とは問わない。
ヨセフにも抱えている戦場がある。
せめて、ロー・シェンにコエを届けて、力を与えてやってほしい、と希む。]
魔王が動いているのか。
[祓魔剣を預かったのが徒になったかと悔やむ。
だがそれも一瞬のこと、直ぐにそれを掻き消して]
北の山脈から断続的に魔の軍勢が流入してきている。
シラーを通過している者達が多いことから、そちらを目指して移動しているのだろう。
明けを狙い仕掛ける心算だったが、こちらにも目が向くよう仕掛けた方が良さそうか。
[報告と共に提案にも似た言葉を紡いだ。
ディークの願いには当然のように是を返す]
ロシェ。
[意識をロー・シェンに向け呼びかける]
こちらはシラー付近まで辿り着いた。
機を計り奪還へと向かう。
[先ず紡ぐのは現状報告。
次いで、届けるコエに柔らかさを乗せて]
戦勝の暁には手料理を、だったな。
食後には私の手製の香草茶を用意しよう。
なかなか評判が良いのだぞ。
[先の約束に一つ加え、
…ここが正念場だ。
皆と共に乗り越えよう。
[人々の
俺はヨセフに、帰ってきたら、お前と一緒に手料理を振る舞うって約束したからな。間に合うように戻ってこいよ?それと...
[ 懐に忍ばせていた小さなクリスタルを取り出して、ディークの手に渡す。忠実な従者が、砦から持ち出していた姉の手紙の中に入っていたクリスタルだ ]
姉上から伝言だ...石に咲く花は無かったけれど、石の中に花を咲かせることは出来た...お前のおかげだと。
[ 耳元に声を寄せて囁いた言葉の通り、クリスタルの中に封じられていた押し花は、闇色の空から零れる月の光を浴び、柔らかな花弁を開いた、生花さながらの姿で淡く輝いている ]
[ シラー近郊まで着いたというヨセフのコエが届くと、男の内に、安堵と、僅かな緊張が同時に生まれる ]
はい。どうか御武運を...
[ 祈る、と、伝えた所で、柔らかく響くコエ ]
...ありがとうございます、ヨセフ。
[ 彼も、こちらの状況を知っているのだ、と、その声音と言葉に確信する。恐らく報せたのはディークだろう......随分と過保護な友だと、少しおかしくなった ]
俺も楽しみにしています。ええ...
[ヨセフは、シラーの近くにいると伝えてきた。>>*38
遠い。
シラーとアルテスの間にポータルは生きているのか。
それがあってもなお、魔王とロー・シェンの距離に比べれば、絶望的に離れている。]
いいえ、目の前の戦場に集中を。
そこに、殿下を求めている者たちがいます。
[陽動を提案する声には、短くそう告げておく。>>*39]
[肩に触れるロー・シェンの手。>>*42
その温もりは、魔窟に飛び込まんとするディークに力を与えてくれた。]
はは、ロー・シェンの手料理か。
それは楽しみな約束だな。
そうそう、鉄底族にローグ風の肉料理を振る舞ったんだが、とても好評だった。
俺も、軍学校の頃を思い出したよ。
ドワーフの歌もたくさん覚えた。
今度、披露してやるよ。
[快闊なコエは、ユーリエからの品を託されるに及び、すっと静かで落ち着いたものになる。]
あのひとらしい伝言だ。
いつでも、物事のいい方を見て、前向きだった。
おまえに、とてもよく似ていた。
助けが欲しくなったら、俺に呼びかけろ。
遠隔操作で閃光炸裂させる。
目くらまし程度だろうが、その一瞬の隙があれば、おまえなら活路を見出せると期待してる。*
承知した。
そちらは頼む。
十分に気をつけてくれ。
[背を託すかのように紡ぎ、男は為すべきを為しに行く。
シラー奪還が成ればあちらへの加勢も可能となる。
己が為すべきはただ一つ、と。
男は前を見据えた**]
姉上が俺に?
[ 良く似ていたというディークの言葉に、不思議そうに瞬く ]
兄上には似ていると、最近は言われるが...ああでも、父上は俺の笑う顔が姉上に似ていると言ってたな。そうか...
うん、姉上は、優しさと強さを内に秘めた人だった、似ていると、お前が思ってくれるなら、俺も嬉しい。
[ そう答えて笑う。その笑みこそが良く似ていると、父王がここに居たなら言うだろう ]
……や……だ。
[締められる感触が思い起こさせるのは、自由を失った日。
違う、あの時とは違う──と、思いながらも恐怖が蘇るのは止められず]
…………たすけ…………シェン…………。
[無自覚、落とすのは、あの時と同じ、助けを求めるコエ、ひとつ。*]
……気楽に、いわない。
[現実に叫ばれた、逃げろと言う声。
それへの突っ込みは、コエに落ちた]
諦める気、ないけど……ちょっと、難しい、よ……。
……うん。
あたしもね、一緒にいたいよ。
でも……身体、持たない、かも。
命、使いすぎてる、から。
[ぽつり、と落としたのは、今まで隠していた事]
…………あたしの治癒の対価は、自分の命。
だから、ほんとに大事な……使っても、絶対に後悔しないひとにだけ、使いなさいって、言われて、ね。
……途中、ちょっと無駄づかいしたのも、まずかったかなぁ……。
[落ちるコエは、いつもと変わらない──否、いつもよりも穏やかな響きを帯びたもの]
知ってる...知ってた...お前が、お前の命で俺を救ってくれたって、知っていたよ、リー。
[ 男は、それを予測していた...けれど、止められなかった ]
俺は、結局、お前を守れないままなのか?
お前の笑顔を...
[ コエは、哀しみに満ちて ]
……シェン、ごめん、ね。
探してくれて、見つけてくれた、のに。
…………約束、ちゃん、と。
果たせなく、て。
…………言いたい事、まだまだあったんだけど。
おいつかない……や。
[それでも、と。
ひとつくらいは、と、意識をぎりぎり、保たせて]
……ううん。
まもってくれてた、よ。
あたしが壊れなかったのは、シェンのおかげ、
だから。
だから、また、逢えて。
うれしかったのは……ほんと、だよ?
[ぽつり、と落ちたのはどこか稚い響きの感謝のコエ。
その後に落ちるのは──沈黙、のみ。**]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新