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[放つ一矢は、杖の一振りに払われる。>>*28
が、少なからぬ衝撃を与えるには至ったようだった]
ま、確かにそりゃ真理だけど……って!
[触れなければいい、は確かに間違っていない、と。
同意を返そうとするのを遮るように、棘持つ茨が伸びた]
ちょ、これ……。
[最初の一撃を刀で払った所に、時間差で次の一撃が落ちてくる]
ちょっと、ばかし……。
[それは後ろに飛びずさる事で避けたものの、着地の隙を突くように次の一撃が振るわれた。
態勢を整えきれぬ所への一閃が右の肩を打ち据え、衝撃と、棘の与える痛みに息が詰まる]
シャレになんねぇっての……雷速!
[このままではジリ貧になる。
そう思ったから、まずは、と己が速度を上げる術を紡ぐ。
直後に落ちてきた一撃は跳躍で避けて]
……天より下れ、雷の雨!
[跳躍の頂点で紡ぐのは、細い雷を雨の如く降らせるもの。
うねる茨相手にどれほど効くかはわからないが、動きを鈍らせるくらいはできるだろう、との期待を込めてつつ、青年は次の一手のための距離を測る。*]
驚いた――術においてもなかなかの使い手であるようですね。
[二刀を帯びる姿から武器戦闘を得手とする相手かと思っていたが、どうやら見誤っていたらしい。
降り注ぐ雷の雨は茨に当たればその茎を裂けさせ、あるいは雷撃の作用により動きを鈍らせる]
[しかしその攻撃はこちらの身を直接狙うものではないようだ。
動きの鈍った茨の向こう、次なる攻撃へ向けてか身構える青年が見える]
鈍い追撃では、隙を突かれかねませんね……!
[茨へ術力を注ぎ込むのをやめ、朽ちて地に還るに任せた。
それは次なる術への養分となって活かされるだろうから]
さて……どう出ます?
[足許の地中へ術力を浸透させつつ、巫女は杖を正眼に構える。
相手の次なる一手に対応するため、であるがその狙いは未だ読めてはいない*]
[>>*32男性の声はやはり軽やかさを残したまま、けれどその動きは軽々しさなど欠片も無い。
鋭い鞭のような旗の動き、狙って放たれたとは彼の言葉で容易に知れて]
それは、おたがいさまではありません、か?
[傷を言うなら、私の方は刃がついた武器を用いているのだ。
斬れば打ち付けるよりも深い傷がつく、その心配をする必要は彼には無いというのだろうか。
少なからず憤りは抱くものの、この一合だけでも相手の技量は私より上だろうと測れぬわけも無くて]
これでも、積めるだけの鍛錬は、こなしてきたつもりですから。
[思ったより重いという言葉に声を返しながら、熟練者相手にこの間合いを続けるのは拙いと。
距離を稼ぐ為の払いは緩み泳いだはずの棒に受け止められてしまった。
私の動きに逆らうことなく、むしろそれを利用するように回り込まれたその足運び、背に負うように動かされた長柄がくるりと回り。
回転によって動かされた薙刀の先は地に落とされ、同時に頭上から振り下ろされる影にとれる対処は限られて。
選んだのは、長柄から右手を離して身体をずらし、右肩を差し出してその一撃を受け止めること。
叶うなら、右の手で振り下ろされた棒を握ってその動きを止めさせようと*]
[広範囲の術が使える状態になったのは、『紅雷』が使われるに応じてくれたが故の事。
もっとも、その辺りの事情は話す必要もないから、と口にはせず]
思ってたよりは効いた感じ、か!
[雷に触れた茎が裂け、あるいは動き鈍らせる様子に微か、口の端を上げる。>>*37
とはいえ、油断は禁物、と気を引き締めた矢先、茨は力を失うように朽ちていった]
……なん、だ?
[茨が消えたとて、油断ならないのはここまでで感じている。
とにかく、地面から出てくる、というのがやり難い]
っても、贅沢は言えねぇし、な!
[地を駆ける以外に術がないのだから、と割り切り、一度は開けた距離を詰めるべく、駆ける。
刀の間合いまであと一歩、という所まで近づいたところで]
……っせい、
[両手で下段に構えた刀の切っ先を地面に付け、半円を描くように一気に振り上げる。
その奇跡を追うように地から天へと雷が伸び]
やっ!
[気合いと共に一歩を踏み出しつつ、雷の尾を引く刃を振り下ろす。
刃の閃、その直後に雷が付いてくる、という二段の攻撃。*]
確かにアウェスのは痛そうだ。おじさん痛いのは嫌だからがんばらないといけないんだ。
[そんなことを軽口を述べながら体は動く。槍術から棒術へと転じて、半ばあたりから棒を旋回させつつの防御、弾きからの打ち下ろし。
容易く間合いを外れぬようにという動きであったが、それを自らの打撃を受けること覚悟をもった行動には少し驚く]
おや、こんな間近で見つめあったらおじさん照れてしまうね。
[にっと笑いかけて、右手で受け止められた棒>>*40をひくことなく押し込むようにしながら棒を傾けて、体の全面に斜に構えるように整えていく*]
受け止めて!
[命じつつ力を注いだ若木は、刀の一閃を止めはしないまでも、僅かに動きを鈍らせるには至っただろうか。
しかし相手の攻撃はそれに留まらない。
やや遅れて奔った雷の尾は、即席の盾を回り込むように動き、その奥にある巫女の身を打った]
く……!
[痛みと痺れを感じつつ一歩後退る。
致命となる威力ではないものの、幾度も喰らい続けられるものではないと身を持って感じた。
しかし待ちに徹した所で、完全に防ぎ切るのは難しい]
形ある術もない術も、良し悪しといった所ですね……。
[それならば、こちらは自身の術の利点を活かすのみだ]
そのまま絡め取りなさい!
[まだ残っているなら若木の枝へ、既に斬られたならその根へ向けて。
一撃終えた後の間隙を狙い、相手を縛り付けよと命じる。
先は眼前ゆえに刀を振るわれたが、その間合いより至近であったらどうであるか]
[とはいえ成長の早い若木の性質を優先したため、その強度は高いものではない*]
[痛いのは嫌だなんて男性が返す軽口は、こちらから見ればやっぱり余裕の表れに思えるもので。
舐められていると思っても良さそうだが、そう思えないのは相手の体捌きの変化にも気付いたから。
突く動きから振るう動きへ、それは相手の手数の多さを物語り。
また状況に応じて最善を用いられると示されたと同じ、だからこそ尚更、今の状況を覆す何かをしなければと思って]
う、く……っ!
[選んだのは、振り下ろされた一撃を右の肩で受け止めること。
相手のペースを崩すため、動きを止めさせるためにあえて避けず、けれど少しでも衝撃を逃がせるようにはタイミングを合わせたものの衝撃はやはり強かった]
[痛みに耐えながら、肩で止まった棒を右手で確りと掴めば当然相手の動きも捉えられる。
間近に見えた相手の顔は、一瞬驚きの色が浮かんだもののすぐに飄々とした笑みに戻されて。
ぐ、と押し込まれる動きに、やはりこの余裕は簡単に崩せるものではないと悟るも]
自分から、ちかづいてきてるのに、
照れるん、ですか?
[生真面目な問いを返したこちらも、ある意味余裕だと思われただろうか。
実際は力負けしないよう踏みとどまるので精一杯なのだけれど。
片手で棒を掴んだまま、左手で持った薙刀の長柄を相手の棒に交差させるように動かして。
傍目からには、鍔迫り合いの様相にも見えようか*]
[駆けるこちらを阻む壁の如く生じる若木。>>*44
振り下ろしの斬撃はその枝によって阻まれるものの、刃に沿いつつ、しかし異なる軌道を描く刃は、その奥の巫女を捉えた。>>*45]
ってか、これだけのモン、よくまあぽんぽん生やせるよなっ……!
[枝に阻まれた刃を引き戻しつつ、上げる声には感嘆の響き。
状況に応じた植物を的確に選び、用いる回転の速さは素直に賞賛できるものだった]
んのっ……。
[伸びた枝が胴に絡みついてくる。
力任せに引き千切るなりなんなりすれば、振りほどく事もできなくはなかろう、が]
このくらい、で。
[腕はまだ使える。
大きく振るう事はできない――ならば、それ以外で、と]
止まれるかよ!
[止まるを良しとしない意思は、真っ向からの突き一閃、という形で繰り出される。
もっとも、距離的な問題や狙いの甘さから、ただ空突く可能性も高いのだが。*]
[直接的に切り結ぶような、そんな相手ではない。
けれど、対する巫女は紛れもない『強者』である、と認識できた。
そして、その認識を得た以上は、こちらも礼を持って当たらねば、と。
そんな事を考えた矢先、目の前の若木の枝が揺らいだ]
……なんっ……!
[柔らかな若木の枝が伸び、こちらを捉えようと絡みついてくる。>>*46
柔らかいと言っても、初手の草の蔓のように容易く切り払えるものではなく。
どうするか、との思考が巡り、たどり着いたのは]
そりゃ美人を間近にしたらそうなるものさ。
そのお堅い表情は和やかに咲く姿のほうが似合いそうだけどね。
[まあ、向けられてるのは、生真面目ともいえる感情を落さないものだけどね。とは内心で呟く]
ところでね、アウェスは改めて縁を結び合わせれたのかな?
[問をむけながら、鍔ぜり合うように交差する長柄と長柄>>*48、一度両腕でぐっと力を込めて押し込むようにして]
おじさん宗教柄そういうのも気になってね。
[なんて笑みかけ、押し込んでそして反動をつけるように引き抜く、アウェスと飛び越えるように宙返りをしてアウェスの背後に降りたって、振り返り際に、背後より下段にむけて薙ぎ払いを放ち、伸びる布はその体に、あるいは足に絡みつけるように伸びていく*]
[とはいえ、本来動かぬ樹を動かしなおかつ強度を維持するのは、それなりの集中と引き換えである。
イェンスを縛ることは、ある意味自分自身にも縛りを与えることだ。
そして相手は、縛られてもなお動くことを選んだ>>*50]
――この状態で……!
[止まらぬという意志を示すかのように、真っ向からの突きが繰り出される。
狙いはやや甘いが、振り払うか術を優先するという予測の間隙を突いた行動は、反射的にかわした巫女の左脇腹を浅く裂いた]
なるほど、その意志の強さ、確かなようですね。
[その強さが生まれた理由を、この場で問いはしなかったが]
とはいえ私が"認め"ても、神魔様の求めるものはより先にあることでしょう。
[術の維持はそのままに――つまり無理をすれば引き千切れる程度のままで、巫女は杖を構え直す。
接近戦を挑むリスクは承知だが、踏み込まねば勝利を得られぬのはこちらとて同じこと]
行きますよ!
[突きをかわし僅かに右へ跳んだ状態から、足を踏み込み速度を上げる。
回り込み、後頭部へ一撃叩き込むべく、半円描いて杖を振るった*]
……なるほどね……実地経験の賜物ってわけか。
[幾度も森に入り込んでいた。という巫女の言葉。
多彩な植物を操る術は、その経験による裏打ちがあり、故に強い、と納得しつつ。
繰り出した突きは、浅い手応えを伝えてくる]
てか、な。
[認める、求めるもの、という言葉。
は、とひとつ、息を吐いた]
……俺は、望みのために、先に進むって、決めたんでね……。
[巫女が杖を構え直す姿が見える。
このままでは殴られる――というのは、すぐに察する事ができるもの。
そして、唯々諾々と殴られるつもりは、青年にはなく]
他の連中が認めようが認めまいが……。
そんなの、関係ないんだよ、なっ!
[叫びざま、文字通りの力任せに枝の縛を引きちぎる。
回り込みから一撃、それが迫るのを気配で感じつつ。
強引な状態から反転をかけつつ、刃を横に振り抜いた。*]
なごやか、ですか?
[>>*52返された答えはやはり軽く。
けれど、その答え自体に目を瞬かせたのは、思いもしないもの、だったから。
続けられた問いにも、その表情は変わらぬまま、だったけれど]
…結び合わせたとは、言えないと思います。
この試練を乗り越えても、合わせられるかは、
わからない。
[紡いだのは、胸に生まれていた翳りから出た答え。
押し込まれる動きから一転、引き抜かれた棒は右手から逃れ、背後に回られたと気付いた時にはすでに遅く]
─…っ!
[しゅるりと巻き付いた布が、左足の自由を奪う。
体勢を崩しかけるも、柄を地に突き立てて倒れるのはなんとか阻止をした。
そうやって先とはまた違う拮抗を生み出した所で、背後の男性へと視線を向けて]
…貴方のほうが、私よりも
経験も、技量も上だということは
分かっています。
私よりも、貴方が──もしくは、あちらの、彼女が。
試練を打ち勝つ方が、世の為になるだろう、ことも。
[紡いだのは、答えというよりも独白に近いもの。
相手はどのような顔をしているのか、背後ではあまり見えはしないけれど]
私たちが勝ったって、
誰かがすくわれるわけじゃない。
私の願いは
彼すらも、苦しめる願いかもしれない。
でも、それでも。
ずっと、諦めていたの。
会いたいけど、もう会えないからって、ずっと思って。
また会えた人に、あの人に。
もう一度、私の名前をよんでもらいたくて
この試練を、乗りこえたいと、望んだの
[そう言って、動かしたのは左足。
ぐい、と巻き付けられた布ごと引き寄せるように足を上げ、身体を反転させながら大きく足を引いて。
同時、振り上げて八相の構えを取ったのは、この一撃で勝負をつける為]
この願いを叶えてくれるなら、私が出来ること、
なんでもするから
[国だって世界だって、救えと言えば救ってみせるとも言いたげな声で紡ぎつつ。
身勝手な願いを押し通そうと、正面に向き直った男性を真っすぐに見据え、捉えた*]
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