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ああ、ちゃんと受け止めてくれよ?
…あそこは今、解放軍の本拠地だ。
来ることになったら、お前も気を付けてな。
[シュビトへ向かうとなれば、王府軍と解放軍、どちらからも妨害がある可能性は否めない。
カナンがシメオンの無事を願うと同様、シメオンもカナンの無事を願う]
こちらも話し合いは終わった。
[少々、尾羽打ち枯らした声。]
結局のところ、シルキーには、新しい道を拓くことは不可能だと言われた。
神殿を出て親征するくらいの人ならば、と思っていたけれど、この国の構造を読み違えていたようだ。
彼女は「象徴」なんだ。
これより、王府は全力で内乱の収拾にかかるだろう。
マチュザレムとしては静観して構わない局面なんだが──
その、 ちょっと加勢してくる。
サイードを身代わりにたてて大使は病気ってことにしたんで、おれが寝込んでるって話を聞いても心配しなくていいからな。
お疲れさん。
……あまり芳しくなかったようだな。
[やや零落した声に状況を幾分か悟る]
「象徴」……国を動かすほどでは無かったか。
知識と行動力を見る限りは、上に立つ存在だと思ったんだがな。
[大きな読み違いだったと嘆息が漏れた]
[しかしその嘆息も直ぐにやや呆れた声色へ変化する]
お前………んっとに重症だな。
[今度は声を潜ませずに言った]
…アレイゼル卿が率いる兵は見るからに錬度が高い。
指揮官も抜け目無く優秀だ。
くれぐれも気をつけろよ。
[止めたって止まりゃしないのだから今更止めようとは思わない。
代わりに忠告を投げ、友の判断力を信じることにした]
は? 飛んでる?
[唐突に聞こえた声に、返す声がひっくり返った。
反射的に周囲を見るが、頭上には梢が繁る]
悪ぃ、今森の中だから見えねぇわ。
もしかして、小型の飛行船でも作ったか?
ああ、手製の熱飛行船だ。
ありあわせのもので作ってるから、居住環境いいとは言えないけどな。
森? おまえは太古の森にいるのか。
[“宝珠”を神殿を包む古い力を宿す森──と思考が漂う。]
急ごしらえならそんなもんだろう。
飛ぶだけ良いってもんさ。
ああ、太古の森に居る。
そうそう、ルディにも逢ったぜ。
[確認されたついでに遭遇した人物について口にする]
───………
[太古の森から連想したか、”宝珠”についてを問う声を向けられた。
思考を巡らせるため、沈黙が一時落ちる]
[アレイゼル領から太古の森へ向かったシメオンが、ルディに会ったと言う。]
そりゃ、随分と遠いところで。
里から出るのすら厭がられていたはずなのに、どういう風が吹いたのやら。
[シメオンの口調から、今は一緒にいないのだろうと予想し、言伝を頼むことはしない。]
“宝珠”はな、
イワシの頭も信心、って言うくらいだし、やっぱり「象徴」なんじゃないかと思うんだ。
”宝珠”を壊すことで、ナミュールの民がもう猶予はないのだと目覚めるなら、
シルキーがその務めから解放されるなら、壊してしまいたいと思う。
だが、”宝珠”と巫女姫の繋がりの深さを思うと、危機感も覚えるんだ。
積み重ねられてきたものは──怖いな。
”宝珠”も象徴……あり得る、か。
姫王が”宝珠”を使って作り上げた結界。
それを引き継ぐのが巫女姫。
何百年も引き継がれてきた慣習。
壊せば、巫女姫の存在意義が揺らぐ可能性は、高い。
[それは以前アレクシスが危惧していた事柄]
しかしそうなると、巫女姫──シルキーが自分から務めを終わらせるように仕向けるしか方法が無くなるぞ?
根が深いものを終わらせることが出来るのは、外部ではなく当事者だ。
[”宝珠”の話題になるその前。
ルディとは一緒に居るようなそうじゃないような状態であることはさておいて]
ざくっと聞いた限りでは、新たな風が吹いたらしいぞ。
それから、森の民についても一足遅かったみたいだ。
彼らはルディに力を貸すってよ。
[聞いたやり取りの結果だけを先に伝えておいた]
ああ、おまえの言う通り、
出来るのは、外部ではなく当事者、だ。
悩ましいことに。
[シルキーという少女に惹かれるカナンは、彼女を縛る巫女姫というシステムにいまや賛同しかねているけれど、破壊はやはり本意ではない。
ましてや、”宝珠”の崩壊にシルキーが引きずられることがあっては、と思う。]
破壊ではなく、システムを変えることができれば──
例えば、1000年──30万日の祈りの力を、30万の人間に還元して与えることができたら、いいのにな。
お、森の民とも接触できたのか、おめでとう。
まあ、結果はともかく。
彼らもルディと手を組んだのなら、そう悪いことにはならないんじゃないか?
離ればなれになってた兄弟の仲直りみたいなもんだろ?
[軍事交渉だとは気づいていなかったけれど、本質的な感覚で、そう祝福する。]
[恋に生きる友はどうも開国云々だけでなく、巫女姫と言うシステムそのものをどうにかしようとしているらしい。
確かに、そこが解消されれば開国にも繋がるかも知れない、が]
お前は次々ハードルを上げるなぁ…。
俺が思うに、この国に於いて巫女姫と言う存在は必要不可欠。
民意による開国となっても、このシステムは残る…と思う。
これは言わば宗教的な意味合いが強いと思うんだが、どうよ?
森の民に接触出来たのは、ルディのお陰かな。
完全なる仲直り、とまでは行かなかったけど、まぁ概ねそんな感じ。
ルディの真直ぐな心に動かされた感じだな。
…ただ、森の民と街の人達の確執は根強いな、と思う。
アレイゼル卿が歩み寄りをしたい、って姿勢を見せてるらしいんだが、森の民はまだ警戒してるようだった。
ま、森を削られ続けてたんだから無理もねーけどな。
巫女姫なんてシステム、実権をとりたい官僚たちが王を不在にしておくために作ったんじゃないのか?
でも、こうして続いて来た今、巫女姫が現人女神みたいなもんだってことはわかるよ。
開国したら、何を司るかは変わってくるのかも知れないけど。
…攫って逃げたらマズいよなあ。
「私が唯のシルキーでしたら」── ああ。
[届いた手紙──もうすっかり暗記してしまったその短い言葉を呟く。]
最初はそうかもしれない。
でも日を追うごとに意味合いが変わるものが在る。
巫女姫はそういったものだと俺は思うぜ。
攫って逃げたら普通に国際問題だろうよ…。
[ああ何か囚われてる、と。
カナンの様子にそんなことを思う]
(……これが向こうの作戦だとしたら、怖いな)
[カナンは見事に心を鷲掴み状態。
あちらが思っている以上に強かだったら───]
[そんな思考が一時、過ぎる]
[森の民の話に別の名が出た。
そこの領主なのだから、意外というほどでもないが──]
アレイゼル卿が森の民に?
その働きかけは以前からあったのかね?
それとも、このタイミングでか──
だとしたら、ホントにいろんなものが地滑り的に一斉に動き出しているな。
[歴史の蠢動を感じる。
こういう時には得てして──多くの血が流されるものだ。]
[「攫って逃げたら普通に国際問題」と指摘され、]
いや、もちろん同意の上でだな!
[律儀に弁明する。
シメオンに心配されていることはわかったけれど、自分では、まだ自制できているとは思っている。
少なくとも、使命を忘れてはいなかった。
この国は、開かれねばならない。]
いや、恐らく今だからこそだと思う。
前々から働きかけがあったなら、森の民ももうちょい頭柔らかいんじゃねーかな。
ああ、一気に動き出してる。
そんな感じがする。
当人が同意の上でも、周りがそうはいかねーだろ。
[律儀に弁明されたが、本当に友は大丈夫だろうか、と思ってしまう。
突っ走ってしまっているわけではないため、まだ大丈夫なのだろうとは思うが**]
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