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[ 赤い靄のようなものが、時々視界を横切る。ただそれだけなのだけれど。妙に胸が騒いだ ]
疲れてるのかな?
[ ぽつり、と胸のうちに、落ちるコエ* ]
[彼に問う言葉を続けなかったのは、先に行くと言われたからだけじゃない。
耳に─ いや。
意識に直接それが、届いたから]
赤い…?
[胸の中、思い浮かべたはずの疑問は
誰にも届かないはずのもの]
[つづけて、もう一言ぽつり、意識に届いたけれど。
他人の声がここに届く訳がない]
…もしかなくても、幻聴か?
[視線の先にいる彼の声と似ている様にも思うけれど
自分でも分からないくらい参っているのかも、と胸の内に溜息を吐き出した**]
ああうん、赤い靄が見えて、疲れ目かな...て、あれ?
[ 名を呼ばれた直後に、自身の独り言に反応したらしいエルナの声に、そう返事を...しかけて、再び首を傾げた ]
いや、その、幻聴じゃない、と思うよ。
[ 自分は、その独り言を、音にはしていない。そして今も、と、気づいてしまったから ]
えーと、ルナちゃん、だよね?
[ なんでどーしてこうなった?という疑問はとりあえず置いておいて、相手の確認をしなくては、と問いかけた** ]
[ 問いかけにははっきりとした返事が返った。同時に見えるエルナの強張った表情は、つまりやっぱりこれは幻聴でも幻覚でもないらしいと示している ]
やっぱり、思った事がそのまま聞こえてるんだ?
なんか変な感じだねえ。
長の術が変な方向にでも発動したかな?
[ 不思議な力を持っている相手を他に知らないから、そんな発想になる。まさか病の影響だとは、体調的な自覚がほとんど無い故に思いつかなかった* ]
うーん、まあ、ほんとのとこは、はっきりしないけど。
あ、こういうのは図書館に行けば何かわかるかも。後で行って調べてみようかな。
[ 長についての記録もあると言っていたファミルの言葉を思い出して、そんな思いつきをコエに乗せる。そのファミルが眠ってしまって、図書館も閉館中とはまだ知らなかった ]
まあ、別に、困るものでもないしね。
[ 相手の記憶や感情が見えるとかいうのであれば問題だが、どうやら明確に意識した言葉しか届かないらしいから問題はなかろうと、そこはあっさり割り切ってしまった...らしい* ]
あぁ、そうだね。
色んな職種の記録を保管しているんだから、街全体の記録もあるだろうし。
似たような事例が無いか探してみるのもありかな。
場所だけでもファミルに教えてもらえれば探すのも難しくないだろうし。
[当のファミルも眠ってしまったとはまだ知らないから、同意を意識に落として]
[困るものでもない、という言葉もたしかにその通り…というよりも。
声だけであれど、通じている相手がいるというのは現状の不安を少なからず和らげてくれているから]
困るよりも、助かったの方が大きいよ。
一人だけだと、怖いことばかり考えてしまっていたと思うから。
[意識の中に彼の声があるだけで、暗い考えに落ち込まないでいられるのだと感謝を含めて伝えた**]
うんそっか、ルナちゃんも不安なんだよね。
[ 泣いてしまったクララだけではなく、皆同じように不安や恐怖を抱えているのだろうと改めて思う ]
さっきからの感じだと、離れてても同じように聞こえるみたいだからさ、遠慮せずにいつでも声かけてよ。
僕も、こういうの、楽しいし。
[ そう告げるコエの調子は、いつも通りの明るさと軽さをエルナにも感じさせただろう** ]
[それから、ヴェルナーとクララのやり取りを経て。
上着の直しが終わったら取りに行くというコエに、あぁ、と同意し]
離れていても話ができるなんて、考えたことも無かったけれど
すぐに呼べるというのはありがたいな。
他の皆ともこんな風に出来るなら、もっと便利なのだけど。
[この状況の理由も分からないから、無い物ねだりというのはわかった上で軽く笑う。
まさか病にかかっているとは思っていないからこその軽口だと、当の花精には分かる訳もない]
― 少し前 ―
うん?
[ 気持ちを吐き出せる場所が、というエルナの言葉に、占い師はゆるく首を傾げる ]
大丈夫だよ、僕はいつもやりたいことしかやってないし、みんなの話も聞くのが楽しいから聞いてるんだからね。
だから、占い師が天職だと思うんだ。
[ 穏やかに返すコエは、しかし、少しだけいつもより落ち着いている ]
― カフェを出る前 ―
そうだねえ、みんながこういうの使えると確かに便利かも。
あ、でも、関係ない人の会話とかうっかり聞こえたら困るな。
[ 混線という概念はないものの、二人以上いたら、この会話はどうなるのかを考えると、なんだかややこしそうな気がして、そう口にした ]
ルナちゃん、君に似合いそうなペンダント見つけたから、後で持っていくね。
月とか、太陽とか、好きだといいけど。
押し売りじゃないから安心して。
なんていうか、お守り兼心が通じた記念のプレゼント、かな?
[ 声音は、少し照れたように聞こえただろう* ]
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