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軍議がまとまったら本隊は草原へ出る。
おまえに託す工兵隊は拠点に残しておくぞ。
ちなみに彼らの部隊名は《骨牌》だ。
今回の指針は、敵軍の分断。
あちこちで悪戯を仕掛けてくれるのを期待している。
[ 布陣がどうとかいう細かな説明はしなかった。
指針さえわかっていれば、レトはその感性で自由に動ける。]
>>1:*15
[町から追い出されたことは何度かあるけれど、追われて困るのは定住しなければいけない人たちだ。自分たちは居心地が悪いところは出ていけばいい、と、ずっとそういう生活をしていた。逆に相性の悪い他の一族を追い出したりもしたので、相手を追い払うことに罪悪感はない。
意見の合わない相手とは離れるのが楽なのに、国は難しいなと思う。
それをちゃんとまとめている兄は、やはりすごい。]
うん、安心する。
俺ができる事があったら何でも言ってよ。
なんでもするからさ。
[兄と共にいけば、いろいろなことが上手くいく。それが面白い。]
[預けてくれた工作隊には遊戯の名前がついていた。
彼らの中で流行っているのだろうか。
後で遊んでみてもいい。]
分断?
わかった。いろいろ仕掛けてみるよ。
[悪戯と言われれば心が動く。
わくわくと楽しげな心が声に乗った。]
[ つながっている向こうから楽しげな気配が伝われば、その素直さにつられて微笑む。
慎重な兄は、滅多なことでは「なんでもする」というような約束はしないが、レトが後先考えず適当なことを言っているとは思わない。今、この瞬間を生きる子なのだ。]
ところで、リンデマンス王はれっきとした人間なのか?
[ 不意にそんな質問をする。
カボチャ頭、という表現はよく聞くが、昔はチェシャだった王様というのは初耳だった。>>*6]
えっ!?
ちゃんと人間だよ?
[兄から質問が飛んできて、はえぅ?!とか謎の声が漏れた。
たぶん、チシャが王様のマントを着ている謎イメージが浮かんだせい。
どちらが思い浮かべたイメージなのやら。]
昔チシャ畑で会ってさー。
野菜いっぱいくれたんだ。
野菜作ってるって言ってたのに、王様だったなんてねー。
[まさか自分のひとことが兄に突飛な想像をさせていたとは思わないまま、出会った時の話を補足した。]
― 3年前 ユリハルシラ領 ―
[ 溜息の間に、とりとめなく弟に呼びかけていた。]
ラーシュ、 いつだと思う。
まだかな
…もう生まれてもよくはないか?
― 現在 ―
[ 素っ頓狂な声が飛んできた。]
チェシャ畑で、 なるほど?
餌付けされたか。
[ 美味しかったか、よかったな、と微笑めば、なんとなしにシェシャの味が広がる気がした。
レトの記憶から出てきたのかもしれない。
成果物を惜しみなく与える寛容な人物像が浮かぶ。]
大鎌を携えた指揮官がいたら注意しておこう。
そう。 そうだねー。
あーーー……
[散々聞かされた不安やら心配やらが積もり積もって]
だあああぁぁ!
タイガも男だろぉ!?
そういう時は酒でもかっくらって、びしっとどしいっとしてればいいんだって!
ああもう、しっかりしてくれよ。
[キレた。]
― 3年前 ユリハルシラ領 ―
[ 気のない返事でも、返ってこなければ名を呼んで注意をひく迷惑なやつだった。]
ラーシュ、 おまえも叔父になるんだぞ。
おまえの母にもらった香草は、気分がすっきりすると言って、とても喜ばれた。
…他にも何かないか 今できること
湯も布もたっぷりあるし、 オモチャはまだ早いな
[ そんなことを繰り返していたら、キレられた。]
[ 一瞬、間が落ちる。]
…不思議なんだ。
おまえが生まれたときは、自分が手を握って抱きあげたと錯覚するくらいの感覚があったのに、
どうして自分の子供でも、この目で見るまで、存在しているのかすら、わからないんだろうな。
[ 今もこうして、レトがいることがどれだけの救いになっているか。
自分は決してひとりではないという拠り所があることは、まさに奇跡だ。]
― 3年前 ―
[言いたいだけを言って、黙る。
沈黙が、「やっと静かになった」から後悔に変わる一瞬の後、届いた言葉でほどけた。]
………そりゃそうだよ。
親とか子供とか言っても結局違う人間なわけだし、
触って、あったかいのを確かめて、初めて繋がるっていうか、
そういうものだろ?
ともかく、
今更ジタバタしたって始まらないんだし、
なんか平気な顔してればいいよ。
話なら聞く。
聞くからさあ。
[仕方ないなぁ、の声だった。*]
― 3年前 ―
[ 諭すような慰めるような、何よりも認めあう響きに、ふっと息をつくことができた。]
これでは、どっちが兄だかわからんな。
[ 羞恥の中に感謝を乗せた。]
ひとつ、頼みがある。
おれの子供──まだ男か女かもわからないが、
生まれたら、ルーリーの流儀でも祝福してやってくれないか。
[ 良い妖精の贈り物だ。*]
― 3年前 ―
[感謝なんてされると、こちらの方が恥ずかしくなる。
なんといっても、先にキレたのはこっちだし。
傷つけたんじゃないかと心配になった、なんて、言うのも恥ずかしいお年頃だけれども。]
祝福?
いいよ。もちろん。
今度の祝祭日にはそっちに行くからさ。
なにか美味しいもの用意して待っててよ。
[だから、頼み事には一も二もなく頷いた。
なんだかんだ言っても、兄の力になりたいのだ。*]
彼の行き先は王都だ。
囮役を買って出てくれた。
[ 軍機に関することなので、肉声にはしないで伝える。]
あの沐浴施設は確かに楽しそうだったな。
その笑顔つきで伝えられないのは残念だが、おまえの嬉しさはわかってもらえるさ。
ともあれ──よく来てくれた。
気をつけて進め。
その名に宿るトーテムの加護を。
ナイジェル、王都の方に行ってるの?
そっか。
[囮、というのが時に危険というのは知っているから、少し神妙な顔で彼の無事を願う。
これから自分がやろうとしているのも、囮役の際たるものだったが。]
風呂ね!最高だったよ!
タイガは入ってないの?入ればよかったのに。
あれ、いろいろ改造したら、もっと面白くなると思うんだよね。
[入浴施設について、ひとしきり語った後]
なんの魔法を使った?
ロンジーで馬でも買い付けていたのか?
…びっくり、箱?
[ 言われてようよう、ダミーだと思い至った。]
― 3年前 ―
えっ?
[しばらく静かになったあと、唐突な言葉が飛んでくる。
驚きは、すぐに嬉しさに変わった。]
そっか。
そっかあ。よかった。
あは。俺も叔父さんかぁ。
[嬉しい。くすぐったい。
踊りだしたい気持ちは多分、タイガの気持ちが伝わってきているせいだ。]
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