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[アディリエルの紡ぐ決意に報告>>*17、
そして死を告げる影の静かなる応え>>*19、
それらに大天使は、鷹揚な微笑みと頷きを返した。
元より彼らの宣の違えられることなど、あろうはずがない。
ゆえに紡がれる決意は既に結果であり、事実である。]
働きを楽しみにしていよう。
[これより先にある事実に微笑み応じて、
ついで愛し子の自負>>*14へと笑みを深めた。]
良い。務めを果たしておいで。
[未だ生まれたばかりの救世主、
天の二人の御使いに比べれば、まだまだ幼き者なれど、
己の足で歩み始めた子の行く末を嬉しく思う。]
[ただ。天使憑き。と、交わされる会話の合間に浮かぶ単語に、
大天使もまた耳傾けた。
告死の華をすり抜けたとの報告自体も驚きに値するが、
それより天の気配を帯びるとの報に興味が動いた。
それも光と影、その二翼より>>*20>>*22]
( 一度、目にしてみようか。 )
[そんな心が動いたのは、
しかし警戒の為ではなく、ささやかな気紛れに。]
…─────、
[マレンマの報告、それに応じる声。
天の子が自らの力で為すと応えるに口挟むことはない。
これも一つの課せられた試練であれば。
天の領域より、差し伸べるべきものはないゆえに。]
諦めの悪いことよな。
[苦戦の報せ>>*38に、淡とした響きが返る。
上空からも今の人の子の船の攻撃に、
光が大きく削られた様子が見てとれた。
再び差し向ける光の天使の数に、限りはない。
けれど今は少し、加えるよりも減るが早いのは事実で。]
不遜の者とはいえ、
その意志の強さは評価するに値するが。
……惜しいこと。
[大天使は意志強き者を尊ぶ。
それは或いは、光の中にありて、より強き光を放った者であり、
光の中にありて、己の影を枉げずあった者であったりもしたのだけど。
とはいえ、天に唾吐く者には是非もなく。]
───。 なれば アデル。今は少し退け。
無知蒙昧なる愚か者どもには、
今少し、天の教えが必要となろうほどに。
[張り詰めた響きに、柔らかくも有無を言わさぬ声が返った。
そして、]
いとし子殿。
[そう、と呼びかける声音はそれでも静かなもの]
……無事か、とは問わん。
耐えられるか?
[投げる問いはごく短いもの。
もし、耐えられぬというならば、助力も吝かではない、という意思は伝わるか。*]
[それは幼い決断だっただろう。
今ここで、自分が成し遂げなくてはならない。
これは望まれたことなのだ。
期待に、応えなくてはいけない。
認めてほしい。全部、自分でやりたい。
偉かったねと褒められたい。
自覚する、あるいはしない心の揺らぎが
言葉にもならないささやかな波となった。]
たとえ死の谷を歩むとも
私は闇を恐れはしません
私の魂は主と共にあります
たとえ悪しきものが私を傷つけようとも
私の魂は安息のうちにあります
私の身体は砕かれ焼かれても
私の魂を毀つことはできません
[己を励ますために唱え続ける聖句は、
陶酔のいろを深め、力強さを増していく。
その強さは命をくべて燃える火だと、知る者が見れば気づくだろう。]
私は───大いなる日を 恐れません
私の魂は 主の右手に 置かれるからです …
[天上への囁きも間遠になっていく。
燃え尽きるのも間近だろう。]**
……なれば、俺は見届けよう。
きみが己が務めを、思いを全うするその刻を。
[微かに感じた波。
それを感じつつ、影はそれを矜持に根差すものと受け止める。
故に、為すべきを見届ける、と。
静かな宣が響く]
[天上の響きが遠のいていく。>>*52
それが何を意味するかは、目の当たりにした状況からも察しがついて]
……やれ、まったく。
[ぽつ、と零れ落ちたのは小さな呟き。
どこか、ぼやくような響きを帯びたもの]
ありがとう ございます。
シメオン、 シュネーグレックヒェン さま 。
[喉震わせるも叶わぬ肉体の代わり、魂が名の響きを確かめる。]
よければこれを 、
首飾りを、 師父… ナネッテ さまに 。
マレンマ、愛しき子。
…─── 良く、やり遂げましたね。
[玲瓏たる天の声が、
今にも命燃え尽くさんとする子の上に降り注ぐ。
その響きは悲しみに揺れることなく、ただ静謐に。]
[玲瓏な響きを受けて、魂は歓喜に舞い上がるようだった。
褒めてもらえた、と、心が弾む。]
お役に、 たてました …!
[その声を掛けられたということだけで、
痛みも、苦しさも、消えていく心地がする。]
告死殿は、すべてを見届けられたのか?
近くにおられたのだろう。
[ふと、囁きのように向けられたのはそんな問い掛け。
責める響きではなく、ただ遠く聞き届けるだけだった天の子の苦しみを、自身も知っておきたいとの思いだった]
[それは胸の内にある心残りを、痛みを知ることで贖うものでもあったか*]
……ああ。
一部始終全て、というわけではないがな。
[向けられた問いかけ>>*60に、返すのは嘆息めいた声]
例の、作り物の竜を駆る者と対峙し、最後まで引かずに己が務めを成し遂げた。
炎に焼かれ、それでも聖句唱えるを捨てず。
銃弾と刃を受けてもなお、最後まで心静かに、己が務めを全うした。
……見事だった。
[静かに声たる声にあるのは、務め全うした事への賞賛の響き。*]
これは試練の最も深きところ。
神は人の再生のため、この子に仮初の死を与えられたのだ。
…目覚めるか、このまま堕ちるか。
それはこの子次第、人次第。
なれど私は、この子が再び火を灯すことを望みたい。
冬の眠りが破られることを信じたい。
ゆえに助けを。
お前たちの光と影の、生と死の祈りをここに。
目覚めの標となるように…、な。
[それは彼らに明かされる事実。
救いの御子が、未だ完全には死の淵に落ちてはいないこと。
けれど、生も死も未だ危ういところにあり続けること。
封じ込め続ける心の一端、僅かに明かし、
大天使は二人の御使いへ向けて目を伏せた。]
────…、頼む。
力を貸して欲しい。
……仮初の死?
[主より告げられし言葉に、声音に驚きが織り込まれる]
……新たなる在り様を導くための試練。
なるほど、もっとも高き天は、相も変わらず手厳しい。
[冗談めかして紡げたのはそこまで]
……御意に。
主の望み果たすは俺の在り方。
[目を伏し、頼むと紡ぐ大天使の姿。
元より、その命を絶対とする影に拒む由縁は存在しない]
そして、導き手殿の目覚めは、俺自身も望みたい。
[それと共に、無垢なるいとし子の目覚めを導けるならば、為すを躊躇う由縁はなく]
死の側に在る者として。
いとし子殿が正しく向かうべき路を示しましょうか。
[堕とすのではなく、還るための路を示すと。
返す諾は、常と変わらず、軽いもの。*]
[声はなく、微かな波だけとなった意識は
聞こえてくる声の意味を拾うこともなく、
───ただそれに触れているだけでうれしいと、
そんな揺らぎを最後に、静かになった。]*
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