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ああ…、 それ。
[「狂信」と、シメオンの口から出た言葉に、厄介、の文字が脳裏をよぎる。]
おれがキレないよう、よっく見ててくれな。
それと、おまえも目をつけられないように。
[こういう手合いにシメオンをどうこうされてたまるかと、ジリと焦げる思い。]
目ぇ付けられるな、って方が難しいと思うぜ?
マチュザレムを蛮族って言うくらいだ、俺とお前は警戒対象に入ってると言って良い。
ん、お前がキレそうになったらちゃんと引き戻してやるさ。
俺の声はお前に良く届く。
そうだろ?
で、さ。
おっさんはこの後アイツのお守でしばらく動けなくなるわけだが。
俺らも座してるわけには行かねーよな。
巫女姫が首都に戻ってるなら会談を持ちかけたいところだが…集会からまだ三日。
船でもねー限りはまだ戻ってない可能性が高いか。
…まぁ、囲まれちまってるから、戻ってたにしても出るのは難しいんだけどな。
どう出ようか。
[深呼吸をひとつ。
今後のことを指摘され、思案する。]
そうだな、巫女姫への伝手も整わないし、焦っても仕方ないところか。
この狂信者が何を言うか、出方を見てみよう。
脱出については…、
いざとなったら、パラシュートの布か帆布で、二人乗りの気球くらい作れるんじゃね?
夜なら──? んー、白いと目立つけど!
[また悪戯でも企むように笑ってみせた。]
[カナンだけに届く格別の声。
そう言われて嬉しそうに笑う]
ああ、アイツの言葉から何かヒントが得られるかもしれねぇしな。
白が目立つってんなら、茶か紺の染料で染めちまったらどうだ?
使えそうな染料ねぇか聞いてみっか。
あ、それともわざと白い気球飛ばして注意引くとかどうよ。
上に注目されれば抜け道も作りやすいんじゃねーか?
[悪戯を企むような笑いにシメオンも乗り、あれこれ案を引き出してくる]
おっさんのところだと材料揃うからな。
お前にも、おっさんにも、アイツにも。
満足するもん作ってやる。
最高の持て成し、やってやるよ。
楽しみにしとけよー?
おっと、勝手に提案したが、おまえを売るワケじゃないからな。
アレイゼル領というのは、件の神殿や太古の森を含む一帯だったはず。
そこの領主についてゆけば、余計な詮索もされず、向かうことができるんじゃないかと思ったんだ。
それに、新しい文化に興味ある人は、開国についても否定的ではないだろう。
よしみを通じておきたい。
頼めるな?
分かってるって。
あの辺りを管理してるなら、まつわる話も聞きやすいだろうしな。
俺の腕で領主に近付けるなら願ったりだ。
任せとけ。
ああ、この任務、おまえの他にできるヤツはいない。
頼りにしてる。
ついでに、こっちの料理人のスイーツレシピもゲットしてきてくれ♪
[やっぱり私欲も皆無ではない。]
振られたなー。
……とんだ食わせもんな気がするぜ、あの貴族。
[ソマリは名乗っても居ないシメオンのフルネームを口にした。
詰まりそれは予め調べた上でここへ来たと言うこと。
率いた兵力に加え、諜報の術も心得ていると見える。
甘味好きと言う仮面の下に、智謀の士らしき影を見た]
ああ、フられたー
…おれは、彼の領地で救助された同胞の身柄を取り戻したかったんだよ。
[お安くはないもの──それは使節団のメンバーの命だ。]
彼も頭の切れる男のようだから、異邦人だという理由だけでむやみに殺したりしないと願いたいが…
ただ、彼の領地で行動するリスクは高くなったように思う。
[シメオンが指摘したとおり、こちらについてすでに調べはつけているのだろう。
そして、使える手勢もある男だ。]
シメオン、どうしようか。
[宝珠の情報は欲しいが、シメオンを危険にさらしたくはないという葛藤が声に滲む。]
確かに単身あそこへ向かうのは危険かもしれない。
でも単身だからこそ、自由に動ける可能性もある。
あの男は紅茶に合う茶菓子を探してるらしい。
おっさんもそうだったが、菓子のレシピはそれなりに高く見てもらえるはずだ。
俺は、行っても良いぜ。
ありがとうな。
[危険を承知で、行っても良い、と返る答えにしみじみと呟く。]
現在進行形の会談次第では、状況が変わるかもしれない。
今すぐ出発しなきゃならないワケでもないから、ちょい決断先延ばしにしよう。
[菓子作りにキッチンへ向かうというシメオンの依頼には、おう、と承諾の声を投げておいた。
甘過ぎない菓子とやらに興味津々だが、そちらに気をとられてもマズい。
アレクシスの発言や様子をかいつまんで流す。]
そっか、分かった。
んじゃあ茶会終了までその案は保留ってことで。
ふぅん、やっぱこそ気にしてんだな。
確かに現状で国を開くのは危険だと俺も思う。
国が分断されたままでの開国は、他国に踏み込んでくださいと言ってるようなもんだ。
この辺りは条件提供でクリア出来る可能性があるが……。
[どんな感じだ?と追加情報を求める]
あ、菓子出来たからそっち行くわ。
[その途中で菓子が完成。
先にカナンへと伝えて移動を開始した]
うん、彼らの不安はもっともだ。
これまで巧くやってきたのに、来られても困るって言いたくなる気持ちはねー、あるよなー
ただ、もうすでに「開国したくない」という気持ちだけでおれたちの同意が得られる段階じゃないこと、わかってもらわないと。
ベルサリス学館の若者たちはすでに、「開国後、いかに外国の侵略からこの国を守るか」を考えている。
それと同じレベルで話しあうならば、反対派の命題は「開国せずにすむために、如何にして外国の目を逸らすか」ではないのかな。
最恵国待遇を受け入れた時点で反対派は反対派じゃなくなるのだし。
もし反対派に、「開国しないまま外国を侵略できる方法」まで組み立てて動けるヤツがいたら──、立場は逆になるけど。
会ってはみたい、 ような。
[そんな危険な敗北の期待は、友だけに零すもの。]
「開国しないまま外国を侵略できる方法」なんてものがあったら恐ろしいな…。
物理的に考えたなら、そんなものは無いはず、なんだが。
あの暴風の結界を自由自在に操れる、ってなら話は別だけどな。
ユレ殿は俺達が結界を超えてきたことに無意識の危機感を持ってるんじゃないか?
だから部分的交流については是を示した。
半ば閉じたままでもマチュザレムと交流があると諸外国に示せたなら、それだけで牽制にはなる。
それからユレ殿が懸念してる国民性の変化だが…現時点で生じている以上、開こうが開くまいがそこは変わらないんじゃねぇかな。
開国反対の理由としてはちと弱い気がする。
……つっても、この点に関してはこっちから打開策提示するのは難しいな。
思想に縄つけることなんて出来ねぇ。
カステラは温度が命だからな、結構手間かかるんだぜ。
丹精込めたあの美味さを嫌う奴なんて居ねぇだろ。
あ、茶頼む、ありがとな。
俺、お前が淹れた茶ぁ好きだぜ。
いつ飲んでも美味い。
俺達二人が協力しての持て成し。
届くと良いな、彼に。
温度が命──なるほど。
[室温や器の材質などで微妙に違って難しいのだろうなあと思う。]
細心の注意を払って、こんなに美味しいものを作ってくれるおまえにいくら感謝してもしたりない。
おれの身体はほとんど全部、おまえが食わせてくれたものでできているんじゃないかな。
[そう思えば、なおのこと大切にしないといけないと思える。]
お前のほとんどは甘味で出来てんのかよ。
……出来てそうだな。
[笑いながら突っ込んだが、少し考えて妙に納得してしまう。
それだけ、シメオンもまたカナンに甘味を供してきた]
美味いもの作るには手間がかかるのは当然。
食べた奴に幸せを感じてもらうためだ、苦にはならねぇ。
特に、お前に食ってもらえるならこれ程嬉しいことはねぇよ。
甘味はお前の原動力でもあるしな。
[揶揄うように言うものの、そこにあるのは相手を想う気持ち。
甘味は、カナンがカナンであるために必要なもの、と思っているが故]
おれの原動力な、ほんと。
ガキの頃、セドナにはこんな潤沢な菓子はなかったから、マチュザレムの文明に毒されたといえばそうなんだけどな。言わせておくー
今日もいろいろあったけど、ご褒美もいっぱいだったぜ。
[これからもよろしく、と殊勝な口調でニッカリ。**]
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