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― 魔王城・湯殿 ―
[狩りの後、魔王は汗を流すと言って湯殿へ向かう。
贅を尽くした調度類で飾られた、広々とした部屋と、
巨大な岩を刳り貫いて作られた湯船は、
魔王ただひとりの為にのみ用意された空間だった。
寛いで座る魔王の身体を、幾人もの召使いたちが洗う。
それを関心の外に置いて、魔王は浴槽を見ていた。
巨石の湯船に満たされているのは、今は湯ではない。
うねりのたくる粘性生物が浴槽のふちまで満ちていて、
獲物を呑みこみ、絡みつき、内側から溢れ出している。]
[望んだのは、黒髪の青年だった。
宴の会場設営を監督した後、戻ってきて言ったのだ。
触手スライムのプールに入ってみたいと。]
おまえは、あの程度では満足するまい。
[魔王の言葉により、用意されたのは強力な消化液を吐くスライムだった。
獲物を包み込んで動きを封じ、内部に擬足を伸ばして侵入し、
柔らかな場所から溶かして吸収する。
そんなスライムの浴槽に落とされ、包み込まれ、まさに溶かされようとしていながら、青年が浮かべるのは恍惚の表情だった。]
[青年が陶然としてのたうつさまを眺めていた魔王は、しばらくして立ち上がり湯船に踏み込んだ。
溢れ流れ出したスライムに不幸な召使いが絡め取られるが、誰も助けに入ろうとはしない。
一方で、スライムは魔王に触れることさえかなわず、毛に張り付いた先から蒸発していく。
全てを気にせず浴槽の中央まで進んだ魔王は、青年をスライムの中から引き揚げて、中のスライムも引きずり出す。
スライムと一緒に、赤黒い液体がぼとぼとと零れ落ちた。]
具合を見てみるとしよう。
[宣言して青年を前脚で押さえつけ、獅子の体を震わせる。
毛皮の内側より現れたのは、黒々とそそり立つペニスだった。
鋭い逆棘をびっしりと備えたそれを、青年の足の間に打ち付ける。
短く鋭い絶叫が響き、青年の口からも生ぬるい液体が零れた。]
[棘を備えた肉棒は容赦なく青年の内側をかき回す。
濡れた音がするのは、内側が既に溶けているからだろう。
ぐったりと力を失った青年に幾度も欲を叩きつけ、精を吐き出したのち、魔王は青年の身体を放す。
小刻みに痙攣する青年に掌を向ければ、見る間に傷が癒えていった。]
『ありがとうございます、魔王様。
私は幸せものです。』
[動かせるようになった身体を引きずって、青年は魔王の前脚に身を投げかける。
その頭を肉球で撫でてやったあと、腕に抱えて立ち上がった。]
おまえも宴に行く支度をせよ。
身を清めてまいれ。
[そう言いながら、別の浴室へと運んでやるのだった。]**
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