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(暗闇は怖くない。もう、わたしの身体の一部。
それに、わたしを導いてくれる光がそこにはある。
ゲルトを襲ったあの子は頭から血を被って、
今はまるで、赤ずきんみたいかしら?
貴女がわたしを必要とするなら、
その血を洗い流してあげる。お風呂にいれてすっかり綺麗にもしてあげる。
今はまだ見たくないと言うなら、その目をわたしの手で隠してあげてもいいわ。)
[それにしても、とベッドに潜り込んだ娘は首を傾げる。
何だかわからないけど視線を感じる気がする。
場所ははっきりとしないけど、部屋の隅の方からだと思う。
身体を起こし、そちらの方を見てみるがやはり誰もいない。
気のせいか、と娘は横になると目を閉じた。]
[パメラの家の部屋の隅。
そこに立っている"兄"の姿は見えなかった。
10年前、処刑された後からずっと娘を見守ってきた"兄"。
誰一人としてこの姿を見る者はいないだろう。]
― 真夜中、林の中で ―
[赤い聲にクララは応えた。
「ここにいるよ」と、囁く。]
ここよ、わたしはここにいるわ。
[ふたりにしか聴こえない聲に導かれて、
倒れるゲルトと血塗られたパメラを見つけた。]
大丈夫、赤ずきんは幸せになれるわ。
……幸せになるの。
[ふらふらと覚束ない足取りのパメラの手を繋ぎ、
「さあ、家に帰りましょう。」と彼女の家まで連れて行く。]
[彼女を家に連れ帰ったなら、パメラが嫌がる様子がなければ、
風呂場を借りて彼女の汚れを綺麗に落とそうとしただろう。
暖かいお湯をパメラの頭から被せれば血は水と共に滴って流れていった。
まるで先程まで赤頭巾だった娘がちょうどフードを脱いだみたいに。]
これで、良いの。
赤ずきんを被って自分を偽る必要なんてないの。
[再び綺麗な亜麻色の髪が姿を見せればクララはにっこりと微笑んで、
パメラの髪に指先で掬うように触れながら、]
ねえ、忘れてないってパメラは言ってくれたよね。
私達が出会った日のこと。
あの約束は覚えてる――?
[どのお話でも狼は皆に嫌われて最期には死んでしまった。
他のみんなは幸せでも彼等は幸せになれなかった。]
でも、わたしは。
みんながオオカミを嫌っても、
[柔らかな髪を一束、笑みを形どる唇に持ってゆき、]
わたしだけは、パメラの味方だから――。**
/*
襲撃先について、ご相談させてください。
今夜、誰を襲撃したいという希望はありますか?
ペーターくん襲撃を考えているのかな?と思っていたのですが、
因みに私は襲撃先が誰になっても構いません。
/*
もしも、今日襲撃先に希望がない場合は、
▲ディーターして頂き、クララがキリングしても宜しいでしょうか。
パメラちゃんのご希望を聞かせて頂けると嬉しいです。
―回想:真夜中―
狼ガ、幸セニナッテモ、イイヨネ…?
イイコト、ダヨネ…?
[そう赤い聲で呟く。
いつも忌み嫌われる狼。
たまには退治されず、自滅もせず。
『そして幸せになりました。』で終わる話があってもいいよね?
味方だと言われれば、一筋の涙を溢した。
応援してくれる、人間がいた……――。]
アリガトウ……
[髪に口づける仕草を見届けると、娘は意識を失った。]
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