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[人として生きていた時のセルウィンは、退屈だった。
全く楽しみがなかったわけではない。
けれど、何かが欠けているのを感じていて、
何をしていても満たされなくて、
大抵つまらなさそうな顔をして、退屈な日々を送っていた。]
[だが、今は。
残酷な本性と衝動を思い出した、今は。]
……俺は楽しいぞ、バルタザール。
これから起こる事を考えるだけでな。
[部下にして親友である藍骸星に話しかける魔の声は、
いっそ無邪気な程に愉しげに響いていた。]
……今日は。
やっと会えましたね。
[暗に、とうに目覚めていたことを示唆し]
僕は僕であって僕でない。
イェンスという少年の姿を借りているに過ぎません。といっても、元の姿も名前も、すっかり忘れてしまいましたけど。
折角出会えたのに申し訳ありませんが、僕はもう少し、彼らと共に行動します。
中から誘導する者も、必要でしょう?
それにはこの体は、とても都合がいい。
[にい、と邪悪な笑みを深くした]
[だから]
……お優しいことで。
何も知らせず、油断させて殺してしまえばいいのに。
[遺跡に消えていく背中に向けた言葉も、どこか非難めいたものになった]
……ああ、お前、か。
[人には聞こえぬ声を返す>>*2]
元の姿や名前など……些細だろう。
俺の今の姿とて、人間の体を奪ったにすぎないからな。
[手のひらを眺めてみる。
本来いたセルウィンという人間は、15年前に消えてしまった。ここに存在しているのは、人間だと信じて生きてきた魔。]
……好きに動けばいいさ。
やりたいようにやればいい。
[イェンスのごとく、仲間のふりをして背後から襲った方が効率が良いのだろうが、どうも隠し事は性にあわない。
つうか、多分ボロがでる。
適材適所というものがあるだろう、とイェンスの姿をした星に言うが。]
……なんてな?
ばらしたくなかったんなら悪かったな。
[しかし、すぐに元の調子に戻って笑う。
どこかまだ、冷えていたが。**]
[とは言え、すぐにセルウィンの調子が戻ったことに胸を撫で下ろしたことも事実。
誰に従い、どう振る舞うべきか。
そんな事は、考えるまでもない]
……寛大な処遇に感謝致します。
魔王様復活の贄を、捧げてご覧に入れましょう。
[音無き声で、忠誠を誓う]
[ かつて…互いに人間だと信じていた頃のセルウィンは、いつもどこか冷ややかな表情を崩さず、一歩離れた位置から世界を眺めているように見えた。
その様子がなぜかとても気にくわず、気にかかり、少年の頃は事あるごとに理由をつけて勝負を挑んでいた。
…大抵は惨敗に終わったが。
やがて成長すると今度は祭事に連れ出したり、お節介焼きと評される程度には鬱陶しく世話を焼き…焼かれる側がどう思っていたかは定かではないが、周囲からは「セルウィンの親友」と評される位置に立っていた。]
[そして今………親友は、これ以上ない程愉しそうな表情で、目覚めた世界を謳歌している。]
そうか。それは、良かった。
もっと楽しめるよう、餌達には存分に踊ってもらわないといけないな。
活きが良い程、強い力も取り込める。
[つられて、友人同士の談笑のように、にやりと笑みが浮かぶ。
口元には、狼のような鋭く尖った牙が覗いていた。]
…………
[ふいに、新たな人物の聞こえる。>>*2
告げる内容は一番最初に目覚めたことを示しているが、脳裏に浮かぶ姿は人として在った頃の仲間の少年のもの。]
――機械人形の弟か。
なかなか、いい位置取りだ。
あれは、面白い玩具ではあるが暴れすぎると鬱陶しくなりそうだ。]
>>*3
人間のように面白みのない事を言うのだな。
苦しみ、嘆き、絶望…これらの感情は我らに力を与え、餌をより美味なる力へと熟成させていく。
折角ここまで運んだ餌だ。
鶏の様に首を捻って終わりでは興ざめだ。
[続くイェンスとセルウィンのやりとりは、口を挟まず黙って聞いている。]
[忠誠を誓う言葉を耳にすると>>*8、自分に向かってではないのだが、とても満足気な表情を浮かべた。]
[二人目の仲間、バルタザールの言葉に目を細める]
確かに、死に際は呆気ないですけどね。
……なかなか見ものですよ?
信じていた者に裏切られた時の、事切れる間際の人間の顔も。
不意を突かれ、なす術もなく息絶えていく人間の顔も。
[あの時の、遺跡の前で絞め殺した少年の死に際の顔、声にならない叫び。
それらを思い出して、くつりと喉を鳴らし唇を舐めた]
……しかし、埃っぽいな。
[透明板の、見えやすい角度調整をやりながら、
ぼそっと小さく呟いた。
15年誰も足を踏み入れなかったフロアは埃っぽい。
旅の途中や戦闘中はその程度気にしないが、
ごろごろ寝転んで見るのには適さない。
ついでに言うと、座っている椅子も硬い。
クッション買いに行くのも遠いしなー、
でも掃除めんどぅいなー、埃まみれになりながらの戦闘とかもどうなんだろなー、大事なセリフを言う時に埃で咽たら台無しだよなー、と魔族は一人、思うのである。]
セルウィン様。
フレデリカの血と魂を、
ここに捧げます。
[先の忠誠の誓い通り、屠った事を音なき声に乗せて報告した]
ああ。
……ちょうど、見えた所だ。
[石版に映しだされた映像は。
フレデリカが、赤い赤い華を咲かせた瞬間だった。>89
裏切られた悲しみと、絶望と、恐怖が混ざった表情。
先のイェンスの説明通り、悪くない。]
…良い物をもらったぞ。
ただ、これからが大変そうだな。
一人殺す度に動きづらくなるだろうから、
正体感付かれないよう…頑張れ?
[迷宮深くから、笑い声をイェンスに届けて。**]
>>*15
命令なら従うが、難しい話だな。
俺が主と認められるのはお前だけだ。
…だが、考慮する。
[一見ぶっきらぼうな話し方だが、語調は微妙に和らいでいる。
犬歯が目立つのも相まって、覚醒後のバルタザールは、狼か山犬の仲間に似た雰囲気を纏っていた。]
[残った人型骸骨は、各々が枯れた植物やその加工品を利用した掃除道具を手に持ち、部屋を整える清掃作業を開始した。
その様子を横目で見ながら、下の階層へと移動する。]
>>*16
俺の階は清掃中だが…上の連中をそちらに降ろすか?
それと椅子も固そうだな。
熊と山犬、好きな方を選べ。後で毛皮を持たせよう。
[藍骸星…その別名は「呪われし者の王。」
呪われし存在・骸を操り、使役する力を備えている。
バルタザール本人はどちらかというと掃除には無頓着であったが、使役する手下は意外と徹底的に作業を行う凝り性(?)骸骨が多かった。
毛皮は勿論、四足の手下の元自前品である。]
呆気ないものを見ても…と思っていたが…>>*14
これはなかなか。
予想以上だ。気に入った。
あの花は迷宮の入り口に飾れば、さぞやよく映えるだろうな。
散らせるとは惜しいことだ。
[フレデリカの命を奪った妖花。
それが排除されるまでを見届けて、ぼそりと感想を*呟いた。*]
もー、酷いよ!セルウィン様ってば!
急に石ぶつけるんだもん。
まぁ、中々目覚められなかった僕も悪かったけどさー。
おかげでびっくりしちゃって、皆に挨拶も出来なかったじゃん。
[起き抜けに口から飛び出たのは、まずは文句からだった。
その場に立ち上がると、膝の埃をぽんぽんとはたく。]
うへぇ。
キッタナイなー。
まぁ、広さは合格かなって思うけどさ。
[ふぅん、という目で辺りを見渡しながら腰に手を当てた。**]
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