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──── ”たたかえ”
[圧倒的な声が意識を、記憶をも塗りつぶす。
瞬間、反発があった。
何を───と思う意識を、更に圧倒的な力が押しつぶす。]
[ 「たたかえ」と、囁く声が脳裏に響く ]
(言われるまでもない)
[ 戦うことと、食らうこと、その本能だけが魔物の持ち得る全てなのだから ]
ちがう...
[ 戦わなければ、生き残れない ]
ああでも......腹は、減ってないな......
[ 珍しい、と、ふと、思った* ]
[ぐるぐるぐるぐる、頭の中で声が回る。
「たたかえ」と繰り返されるそれは、なんというか]
……うざいっつーの。
言われなくたって、やったるわ。
[だって、それが一番速いから。
……なにがどう、どういう意味で速いのかは、上手く言えないけれど]
楽しいところではないか、ここは。
[心底、の笑い声]
なに。
全て壊せばいいのだろう?
ならばこいつで
[ああ。なんだったかな。
浮かんだ疑問はすぐにどこかへ消えた。*]
[声がする、声が響く。
迷う心を煽るように、「たたかえ」と声が響く]
……ったぁ、もう!
だから、うざいっつの……!
[言われなくたって戦ってるし、戦うつもりだった。
ただ、そのための色々が、今は──足りない。
足りないのがわかって、それがより一層、イライラを高める悪循環]
は。
小うるさい声が混ざっているな。
[賑やかな声が聞こえて来て笑う。
あざ笑うというほどの関心は無い。]
うるさいなら耳を塞げばいいものを。
簡単だぞ。
目の前だけ見ればいい。
ところでどこぞに面白いものはないか?
たたかおうにも、相手が見当たらないのではな。
おまえたちの誰かでも構わんぞ。
我を楽しませてくれるものならな。
[何やら声が返ってきた。
あれ、なんだこれ、と思ったのは束の間]
……前だけ?
そんなん、言われんでもわかってる……!
[とっさ、そんな言葉を返していたのは、条件反射]
この温泉、けっこう広そうだな…
[たぶん湯煙の向こう(?)から届く声音の種類に、そんなことを思ったりしていた。**]
面白い……?
[声がする。不快な声だ。
それに混ざって何やら話しかけてくる音がした。
楽し気な響きが神経に触る。>>*8]
───── ふん。 馬鹿か。
[だから短く、それのみを返した。]
大方、おまえは今に満足できない不平屋だな。
不満なら変えればよい。
その力も無いなら、おとなしく従っていればよかろう。
[今度は明らかに嘲って、
呼び起こされたもろもろの苛立ちに、不快気に沈黙した。]
[不平屋、と評されれば>>*13そうかとも思う。
僅か苦笑する心地で認めれば、何故だか懐かしい気持ちがした。]
ふん。
[けれど。それを大人しく受け入れるつもりなどない。
それだけの自負も誇りも───未だ胸にあるのだ。]
…愚かな。馬鹿とはお前のことを言ったのだ、阿呆。
貴様の声は不快、それだけだ。
変える?……そうだな。
貴様をその口ごと叩きのめしてやれば、静かにもなるか。
[くすりと笑み含んで返してやる。
不快な応酬だ。押し黙る気配に、こちらもまたむすりと口を*噤んだ*]
[ 遥か昔、魔物はひたすらに飢え、渇いていた。
永劫の飢餓は、人の血肉を食らえば僅かばかり和らいだが、真に満たされる事は無く、飢えを満たすこと以外の一切の思考を魔物に許さなかった ]
[ だが、その飢えを、今は何故か感じない ]
[ まるで、空虚であった魔物の内が、何かで満たされてでもいるように ]
ほう。面白いことを言う。
子雀が囀るものよと思っていたが、
半端者ごときに侮られるとはな。
[二度は許さぬと決めたのだ。
人間に侮られた記憶が、胸を掠める。
なにとは思い出せずとも、怒りは再沸する。]
良かろう。
ならばおまえは我の手で引き裂いてやろう。
[憤怒の気配をまき散らし、声を閉じた。*]
[モルトガット帝国皇帝に取り憑いている"目"より、同じく寄生した"目"たちへと協力依頼が発せられる。
誰か、ここへ来て、銀髪の腹心を排除して欲しいと。]
[協力を求める声は、届いてはいた。
"目"の側は、それに応じようとしたのだが、城塞の改良に没頭する魔を動かすことはできなかったのだ。
ひよひよ、と玉座の後ろで目は揺れている。]
[協力要請は鈨の"目"にも届いていたが。
完敗状態に凹んでいた上にダメージを受けていた少年の意識は、そちらには向かず。
速いとこ活性化させねば、などと思いつつ、手入れされる刃と柄の間できょときょと落ち着かなく動くのみだったとか。*]
……… 煩い、黙れ!!
[常ならば震え上がるほどの”力”を伴った憤怒>>*19に、今は叩きつけるような応えが返った。彼我の力量を冷静に測ることもない。
ただ気持ちの迸るまま、思いが無形の音となる。]
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