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……主。
天の子はとても無垢に育たれている様子。
そして、よく努めていらっしゃる。
[そう、と声を送るは主たる光]
だが、そろそろ待ちきれなくなってもいるようですよ。
[送る声には微か、揶揄うような響きも乗って]
お前も見出したのだね、シメオン。
おや、待ちきれない……? ふふ、そうか。
それは困った。
羽根を広げて飛んで征くよりは、今少しの時が要るものを。
[揶揄う色には笑みで応じて、
返したこたえは、今より向かう先を告げるもの。
さしたる時は置かぬと、言外に告げ。]
(――考えること)
[そうして降臨の場を整えている間も、黙示天使は心中にて大天使の言葉を反芻していた]
(私を、私たらしめるもの……)
[色なき光に与えられた、アディリエルという
その有様を確かなものとするように、黙示天使は思考し続ける*]
[邂逅の折に向けた呟き。
それへの応えは、僅かに時を置いて齎された。>>*1]
ええ、ひとの子の噂に、よく努めていると聞き、赴いた次第。
……俺はしばし、この場に留まりいとし子をお守りしながら、刻を待ちます。
[言外の意に、こちらもこの場で待つとの意思は言外に]
アディリエル、シメオン。
共に天の子に祝福を。
この子は地上における、最後の希望。
神の御心の齎せし、輝ける光の種子なのだから。
[そうして音によらない呼びかけは、
間違いなくこの場を見守る、二人の天使へと向け。
祝福を──祝福という名の絆を、信ずる者らに促して。]
……仰せのままに。
[音なき呼びかけに、短く応ずる。
己は祝福などとは縁遠い存在ではあるが。
死を告げるものであるが故に、授けられるものもある。
それを知り得たのもまた、光に沿うを選んだが故の事]
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