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この試練に、こちら側の立場で参加する日が来るとは、当時は夢にも思っていなかったものだわ。
[萌え出たばかりの新緑が風にさざめくように。
辺りの物音に溶け込みそうなささやかな声が、ぽつりと零れ落ちた**]
……準備は全て整った。
[自分でも見えない何かが、体の周りを覆う感覚。
けれど、これはこれで居心地がいい。
ああ、帰ってきた。この見慣れた知らない景色に。
ああ、戻ってきた。またこいつに名を与えて。]
さぁて、お手並み拝見と行こうか。
[まるで天使のような見た目なのに
その瞳は絶望と憎悪で光り輝いて、ただただ自らの契約者を見下すように嘲笑った。**]
[最初は、ただ演技をするだけで十分だった。
演劇の中は自分の知らない世界が広がっていて。
自分が選んだ色で塗った世界の中で生きることができて。
ステップが進めばできることは増えていく。
劇団の子役が舞台へ、舞台からドラマヘ――――
知名度が上がれば上がるほど
自分の演技をする機会が増え
演技を評価してくれる人が増え
自分の演技が好きだといってくれる人が増え――――]
[――――何時からだっただろうか。
この世界にいるのが苦しくなったのは。
――――何時からだっただろうか。
人の視線が恐ろしくなったのは。
ある日、少年の事務所に届いたのは沢山のプレゼントと手紙。
まだ、何も知らなかった自分はそれを手に取り中身を確認する。
だって、いつも渡されるものは自分を励ましてくれるものだったから。
これもそうなんだと思って、信じて疑わなかったから。]
―想起 不幸の始まり―
――――ッ、うわあああああ!?
[事務所に響き渡るのは天才子役の悲鳴。
何事かと事務所の職員やマネージャーがかけつける。
そして、かけつけた大人は直ぐに気がつく。
今まで隠してきたものの管理が、今ここで行き届いていなかったことを。
カタカタと振るえ、送られてきたプレゼントを落とし
泣きそうなのを我慢する子どもの姿はとても痛々しく
マネージャーは直ぐに子役の母親を連れて来て
子役は母親に連れられ一度自宅へと戻された。]
[箱の中に入っていたのは
甘いお菓子でもなく
可愛い人形でもなく
応援の気持ちでもなく
才能に狂愛し
存在に嫉妬し
運命を憎悪する
見たことも聞いたこともない
まったく知らない存在からの思いをぶつけられたものだった。]
[ドラマ出演者の熱狂的なファンによる悪質な嫌がらせの贈り物。
剃刀や怨みの手紙、百合や菊などの古典的な嫌がらせ。
「お前みたいな子どもが××に近づくな」
「今すぐ消えろ」
「死んでしまえ」
そんな贈り物にどんどんと精神は磨り減って
自分を支持する熱狂的なファンによる恐ろしい贈り物。
誰のものかもわからない髪や爪。そして血液。更には自分のプライベートの写真。
「愛してる、僕の可愛いかなん君」
そう、自分に愛を綴る恐怖に心はどんどん余裕がなくなり
ある日のこと、ついに演劇の世界へ足を踏み入れるのを嫌がり涙を流した。
それならと、自宅へと戻らせ休ませようと大人たちが配慮して
活動を休止させるかどうか、話し合いをしている時――――]
[引き止めなかったのは或いは、何かしらの予感があったからなのかもしれない。
彼がこちら側の存在だという、明確な確信はなかったけれど。
“近い”ような気がするな、と]
――仮面の魔女、眼帯の魔女、黒コートの魔女、ペンの魔女。
[今まで出会ってきた魔女を数えながら
一人一人、容姿を思い出していく。]
それから、筋肉の魔女、人魚の魔女、演奏家の魔女。
[そこから先にアヴェと戦っていた魔女達を追加して。
今のところこれで全員か]
経験上、俺が参加したどの試練にもいるんだよな。
だから、今回もきっといると思ってたんだよ。
名前聞かなかったから分らないけど。
お前が同胞者だろう?――――仮面の魔女さん。
[そう、語りかける声はアヴェとの戦いの中にいても余裕があった
彼女がどう返してくるかは知らないけれど、挨拶だけはしておこうか。
最終的な味方は多い方がいいだろうし、ね*]
あら、仮面の魔女とはご挨拶ね。
エレオノーレよ、十字架さん。
[手にした白黒の猫の仮面へと視線を落とし、微かに口元を緩める。
突如聞こえてきた声に、驚く事はしなかった。
確証までは持てなかったにしろ、予感だけはこちらにもあったから]
何故、私だとわかったのかしら。
尻尾が出ていたのなら教えて欲しいわ、他の見習い魔女に見破られていたら困るもの。
[くすくすと忍び笑いしながら、戯れのようにそんな言葉を口にする]
[表面上は、彼に迎合するような対応。
ただし、裏では彼の真意を探るべきだと神経を研ぎ澄ませる。
自分以外の人狼。
“それ”を味方と思うか、敵と認識するかは難しいところだ。
同胞だなどと過信して気を許せば、踏み台にされかねないとも思う。
こうして声を掛けてきたからには、敵意はないのだろうと思うけれど]
[そんなことを考えていたら、件の十字架さんが宙吊りの刑に>>370
さすがアヴェ、男とみれば見境がない。
途中から加わったのに何でそんなこと知っているかって?
ああいう見た目の男はそういう趣味に決まっている!]
えぇと、その、頑張って。ファイト。
[とても控えめに声援を投げた。
今動くと計画が狂うので、救援はしない心構え!*]
ファイトって言ってないで、手伝ってよ。
[俺、恋愛趣向はノーマルだから
こんな状況全然嬉しくないんだよ……!]
…………ごほん。
[状況が状況だったので一度咳払いをしてから]
それは失礼、仮面の……いや。エレオノーレ。
[どうやら、彼女はエレオノーレと言うらしい。
まあ、名前を返してくれたのだから友好的な人狼で助かった。]
普通、ディアボロスなんて見たらたいていの魔女は驚くかがむしゃらに戦うんだよ。
でもお前は異様に落ち着きすぎてた。
それに――……少しだけ、気配が似てたしな。
[分ったのはこのくらいかと。
次からはもう少し驚いた様子とかを入れればいいんじゃない?なんて
落ち着き払って戦いを他人任せにしようとしていた自分が言えた立場ではないが。]
あと、俺はフィオン。
えーっと、
[気軽にフィオンで構わないと。
翼をはためかせながら何処か探るような気配にまた、くすりと声が出る]
そんな警戒しなくていいよ。
俺にとって君は今は敵じゃない。敵として認識したらちゃんと言うから。
[まあ、暗に裏切ることもあるから気を緩めるなよと一言。
今回の試練は――8人の候補者がいる。うち人狼が2人。
順当にいけばそのまま手を組んだほうが楽に駒を進めることができるだろうが]
……それに、俺じゃなくてもっと他に警戒すべき者がいる。
もしかしたら……聞こえてる奴がいるんじゃない?
[先ほど感じた気味の悪い視線。
もしかしたら、彼女はその正体に気がついているかもしれないと
そんな情報共有を行った*]
ごめんなさい、でも私もあまり決定打がなくて。
[人狼とは名ばかりの、便利系魔法所持者である。
ジェムが集められたら大技がまた使えるようになると信じたい。
でもそれまでは、裏でこそこそ動こうと思う。
手伝って、と催促する同胞>>*17へと、少しばかり警戒の緩んだ声が応じる]
そう、なるほどね。
ご教授有難う、以後気を付けるとするわね。
……でも、貴方も割と人のことが言えてないと思うわ。
[休憩してたじゃない。休憩してたじゃない。
大事なことなので胸の内で二回繰り返した。
あんな堂々とした見習い魔女、なかなか見ないわよ……!]
フィオン。
そう、ならそう呼ばせて頂くわ。
[ともあれ、彼の名乗りに素直にそう返した。
年の頃は、おそらく同じくらいだろう。
その辺りで余計な気を張らなくて済みそうなのは、地味に助かる]
そうね、聞こえている奴、というか。
[脳裏を一瞬掠めるのは、クレステッドに連れ去られてゆく際のロー・シェンの姿。
あの瞬間、彼に感じた言葉に言い表せない違和感]
気になる相手はいるわね。
すこし、お誘いを掛けてみようかしら。
[そうして、エレオノーレの持つ“恩恵”は発揮される。
ロー・シェンのすぐ近く>>436で、彼に見せつけるように――*]
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