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おっ、オレは…!
[思いもかけない冷たさを受けて、口ごもった]
……そんなふうに、楽しそうに戦う奴の気がしれないだけだ。
[むっすりと言う。]
[二人の会話を聞きながら、喉の奥だけで笑っている。
置き土産とは何だろうかと気にはなったが、後のお楽しみでいいだろう。]
それは後で楽しみにしよう。
…運動の後は埃を落としたいからね。
[ごく軽やかに頷く調子で返す。
目は、術の放たれた向こう───彼のいるであろう方へ向け。
そして、口篭る彼へ向けてはくつくつと笑い声を零した]
…────君は、
[さして興味もないといった風に声を投げる。
実際のところ、今は興味の大半をギィと名乗る男に向けているのだ]
戦いもせず、どう強くなるつもりだ?
楽しそうに戦えない?
─── ならば戦うんじゃない。死ぬぞ。
[戦う以上、死は覚悟しているもの。
覚悟など騎士となるより前から決めている───だから。
だから妙に腹も立った。嫌なら戦わなければいい。
…きっと。真っ直ぐで素直な声が”彼”に似て響くから、余計に]
我ら騎士は、戦えぬ者を守り代わって戦うことこそが務め。
そのために戦い、力を求めて何が悪い?
君のような腑抜けは足手纏いだ。
大人しく後ろに下がって守られているがいい。
───中途半端にちょろちょろされては、迷惑だ。
し、死ぬのが怖いんじゃねーし!
[鋭い剣を喉元に突きつけられたかのように、身体が強張った。]
ただ、なんかそうやって戦うのとか武器振るのとか相手も自分も傷だらけになるのが楽しい、って顔する奴のことが分かんねえ、っていうか…
―――……っ!
[投げ込まれた言葉が胸を抉る。]
誰が、守られたいだなんて言った!!
オレは! ……オレは 、
[嫌なんだよ。
毎回、ぼろぼろになって帰ってくるのを見るのが。
一瞬浮かんだ思いが、ほろりとどこかへ零れおちた。]
……ともかく、戦って、強くなんなきゃいけねーんだよ。
傷だらけになるのが楽しい、か。
…そう思っているうちは、分かっていない。そういうことだ。
[それに説明を置くことはしない。
素っ気無い口調で返し、]
…─────、
[どこかもどかしそうな、
全てを自分自身で言い表せないようなそんな声を聞く。
黙って聞いて、暫く沈黙をして]
ば、バカって言うやつがバカなんだからなっ!
[しみじみされた。
溜息までつかれた。
なんか、全部わかったようなことを言われたのが悔しくて、
でも、自分が分からないのは確かだったから。]
くっそぉ!
オレが腑抜けでも腰抜けでもないってのを証明してやんよ!
[捨て台詞のように、言い捨てた。]
[二人の会話に口を挟む気はなかったが、
ふと、眉を上げた。]
騎士、か。
[微か、あざけるような響きが乗る。]
戦いもせず、守られるだけの連中など、碌なものじゃないぞ。
そんな連中に、力あるものが従う理由はない。
馬鹿だから馬鹿だと言うんだ、馬鹿。
[容赦なく言い捨てる。
どうも、どこかの誰かには覚えのありそうな話だった。
とはいえここに彼はなく、だからそう思う者も他にないわけだが]
────たたかうことだけが、
[ぽろりと零れた言葉は無意識か]
… 力じゃ 、…
[違う、違うと声がする。
戦うことこそが使命、求めよ欲せよ力を求めよ。
それに掻き消され、言葉は最後まで形を成さずに消えた]
[響く、微かなる嘲りの色。
それへと眉が上がる。声の温度が、僅か下がった]
従っているわけじゃない。
我らが───俺が従うのは、ただ騎士の誇りのみ。
誇りを忘れた者など野獣も同じだ。
害のみ成すなら、獣の方がまだマシだろう。
……なに。ただの話だ。
悪戯に他者を蔑む趣味もない。誇りに反する。
飼い慣らされた番犬か、
自らの意思で宿る門を選んだ狼か。
……なに。
守るに値しない人間など、腐るほどいる。
それだけの話だ。
[心持冷えた声音に笑いを返す。]
────、ふ。
[彼の言葉の分からぬではない。
ないが、敢えて同意を紡ぐこともなく]
君が君の誇りに従うなら、
[恐らくはそうだろうと、刃交した向こうに思う]
それでいい。
[鋭さは失わぬまま、ただ少しの笑みを*乗せた*]
誇り、か。
[自分を動かすこの感情は───]
…ああ。そうなのかもな。
[たたかえ。奪え。力を求めよ。
心を侵食する声は、あまりにも自分の望みと合致していたけれど、ただひとつ違うのは、
……違うのは、───?]
────…、
[何かの間。何か、心の奥へと問いかけるような。
その間に、シェットラントは沈黙で応じた。
その心の奥を───自分でも知らぬ心の奥を覗き知ることは出来ぬ。
ただ。心の隅を何かの違和感が掠めて落ちた]
はは。壮観だな。
[声は明るく弾む。]
この世界の力を使えば、これほどの軍勢を呼び出すことができるか。
死者の軍勢とゴブリンの軍勢、
悪くない光景だ。
[高揚は、戦いに臨んでいるもののそれ。]
[高揚する声に、反応する暇はなかった。
それどころじゃない、というのが正直なところ。
ただ、]
……くっそ、なんなんだよこいつ
魔法使いとか、反則だろ…
おとなしくおとぎ話の中にいろ、っつーの。
[文句はいくらか漏れている。]
[その間、漏れ聞こえるのは高揚、それにもうひとつ。
どちらもほんの少しシェットラントの関心を惹いた。
ひとつは魔法使いという単語、更にひとつは]
───、死者の軍勢?
[引っかかる。
無論ネクロマンサーが”彼”のみとは限らないとは知れど]
ならば俺も、御伽噺の国の住人だな。
[と、これは独語めいて落とす。
特に返事を期待したものではない。ただ少しだけ]
おとぎ……ばなし。
魔法を知らない…?
…魔法を知らないお前は、……ここは、
……────、…
[浮かぶ疑問。それを木枯らしが吹き散らす]
やあ諸君。
どうも戦いの後に眠りこんでしまったらしいが、
どれほど時間が過ぎたか、分かるか?
[気軽に声を飛ばして現状確認を求める。
その声は、未だに戦いの後の高揚を残していた。]
実に楽しいたたかいだった。
生憎と、相手の死霊術師には逃げられたが、
───いや、正確さを欠くのは良くないな。
お互い、痛み分けというところだ。
彼があそこで退いていなければ、おれも危なかった。
[問わず語りに状況を伝える。
報告というより、興奮が収まらないという様子。]
あの女がいいな。
[不意に、声を発する。]
赤い髪の女。
あれはきっと魔女だ。
次の戦いの相手は、あれがいい。
[新しいおもちゃを欲しがるような気軽さだった。]
[聞こえてくる言葉に、反応する余裕はなかった。
ただ、こいつも嬉しそうに戦っているやつだと思った。
言葉を聞くに、自分も危なかったのだろうに、
それでも嬉しそうな、声。]
怪我して、喜んでんじゃねーよ…。
[呻くように呟く。]
ギィ、それは、
…───それは俺の、…だ。
[高く愉快げな声が響く>>*44
それへちらりと、ごく短い声が返った。
戦うなと言うことはない。殺すなということもない。
ただ、ひりつくような剥き出しの感情を篭めて声を投げる]
そうか。
[シェットラントへ返す声は、愉悦の色を濃くする。]
おまえのだというなら、しっかり捕まえておかないとな。
でないと、───ほら。
[つかまえた。
最後の言葉は、息だけで囁かれる。]
─────…、
[ぎり。と、奥の歯を噛み締めるほどの沈黙。
漸く続く音は、何かを堪えたように低い]
…。見縊らないことだ。
[どちらが、誰を。
それも言わずに、これまでだとばかり口を閉ざした]
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