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いいや。無理だな。
[自制できないと言いきる口調は、いっそすがすがしく。]
城を壊さない程度には、気を付けるよ。
[付け加えた冗談には、高揚が乗る。]
―――中は頼むよ。
[立ち去る様子を見せた弟に、声を投げる。]
彼らの狙いはまず
とすれば、入り込んだ方が主力かもしれない。
怪我などしてきたら―――わかっているね?
[気配だけの腕を掲げて、ゆるく抱く。]
[軽く締め上げるような抱擁の気配に喉を鳴らす。]
あなたも、
私に仕置きできる程度には、ご自身を気遣っていただけるのでしょうね?
[返す念は、首筋に唇の気配を触れさせるごとく。]
……たまらない。
[呻きは、唇の感触に紛れさせる。]
なあ、楽しいと思わないかい、ヴァイス。
こんなに楽しいのは、―――久しぶりだ。
[垂れ流される響きは、どこか酔ったよう。]
[忍び入る囁きは、その人の体を傍らに感じるよう。
呻きにも似た歓喜の言葉は、弾む息そのものだ。
幾度となく血を情を通わせた兄弟の絆は、官能とは別種の鈍い熱も伝えていた。
ギィが聖属性の攻撃を受けている──
あの騎士は、不死者の砦に至ることのできる技量の持ち主らしい。
ギィはさぞかし嬉しいだろう。
人の血だけでなく、自らの血にも酔うかのごとく、危地を歩むことを好むギィの性格は知っていた。
彼にとっては、痛みもまた
…妬ける、
早々にケリをつけてしまおう。
[そしてあなたを取り戻すと、素直な想いを素直ではない口調で送った。]
[ツ、と指先に伝わる焦熱が、こちらの心を見透かしているようで、ざわめく。]
時間は我らの味方とはいえ──心は急くものだ。
私は、直に抱き合っている方がいい。
[離れているからこそ、そんなことも言えるのだと薄々わかっているのだけど。]
ヴァンスは素直だな。
[さわり、と意識の手を伸ばす。]
今すぐにも飛んで帰ってきてほしいと言えば、
そうするかもしれないよ?
[触れて、抱きしめる気配。]
「聖女」と「騎士」か。
教会はまた大層なものを準備してきたようだね。
ああ―――。呼んでくれるまでおとなしく待っているよ。
手に負えないなら、その時も呼んでおくれ。
おまえが私の元に泣きついてくるのもそそるけれど。
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